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【連載】「大好物はミズクラゲ。いくら食べても食べ足りない!」シーパラの隠れた人気者・ユウレイクラゲ

2021年08月27日 10時00分更新

 みなさん、こんにちは。

 横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。

 第5回は「アクアミュージアム」で魚類を担当する木下光がお伝えします。

 前回の記事はこちら。
 ■【連載】バンドウイルカの赤ちゃんすくすく成長中!

 ※過去の連載記事はこちら:横浜・八景島シーパラダイスの飼育員生きもの日記

 今回ご紹介する生きものは、「ユウレイクラゲ」です。

 ユウレイクラゲは、クラゲの中でも大型の種類で、傘径が最大で50cmにも成長します。

 シーパラで飼育しているユウレイクラゲは、傘径20cm程です。

展示している個体

 初夏から秋にかけて海に出現しますが、普段は沖合で浮遊生活をしているため、海を覗いてもなかなか姿を見つけることはできません。

 また、ユウレイクラゲの触手周辺には、ハナビラウオという魚の幼魚が隠れています。幼魚は、毒のある触手近くに隠れることで外敵から身を守ってもらいます。

ユウレイクラゲと一緒に泳いでいたハナビラウオの幼魚

 ユウレイクラゲは、長期飼育するのが少し難しい種類です。

 その理由は、八景島周辺の海で採集される際のサイズが大きいため、水族館まで輸送することや大型の水槽が必要になるため飼育が容易でなく、早ければ数日で体の形が崩れて弱ってしまいます。

 ただ、現在シーパラで飼育しているクラゲは比較的小さいこともあり、輸送も、安定した飼育にも成功しています。

 このクラゲは、2018年11月に相模湾で採集されたもので、今月で2年9か月目を迎えます。クラゲの仲間の多くは、寿命が短く1年未満と考えられています。しかし、ユウレイクラゲの飼育については、3年を迎えようとしており、驚いています。

搬入当時の姿

 今より少し小さいが、あまり大きさは変わっていません。

 そして、ユウレイクラゲの長期飼育が難しい理由がもう一つあります。

 それは大食いだからです。水族館ではエサとしてミズクラゲを与えていますが、与えれば与えるだけ食べてしまいます。

 ユウレイクラゲはエサが足りなくなると、すぐに体が縮んでいってしまいます。たくさん与えれば、また元に戻ります。エサのミズクラゲをたくさん確保するのも大変ですから、縮まないで体を維持できる分だけ、毎日与えています。

生きたミズクラゲを捕まえた様子

白いフワフワしたところが口腕。口腕でエサを包み込んでゆっくり食べる

 ほかのクラゲに比べて動きが少なく少し地味ですが、元気な姿を一度見に来てください。

 次回は9月を予定しております。

 2021年9月30日(木)まで、「あつまれ どうぶつの森」とのコラボイベント開催中です♪

 横浜・八景島シーパラダイス
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 文/木下光

 大阪府出身。2014年入社。担当は魚類で主にクラゲを飼育。小さいころは虫採りとザリガニ採りが大好きだった。

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