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丸の内仲通りに面した現代アートのショーケース「CADAN有楽町」が誕生。若手から老舗まで50軒のギャラリーが入れ替わりで、旬のアートを無料で気楽に楽しめる

 一般社団法人日本現代美術商協会(CADAN)は2024年5月14日、昨年10月に閉廊していたギャラリースペース「CADAN有楽町」を、有楽町ビルから、国際ビルに移転し、再始動した。一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパンと協業し、三菱地所株式会社の協力のもとに運営される。ギャラリーは、丸の内仲通りに面した1階のスペースと、ビル内のショーウィンドウで、メンバーのギャラリーによる3企画を3週間ごとの期間で同時開催していく。筆者の知人である山本裕子氏(ANOMALYディレクター)が、CADANの代表理事を務めていて、5月14日の開廊日のオープニングレセプションに駆けつけた。

左からCADAN事務局の高村美和氏、代表理事の山本裕子氏、筆者

「CADAN有楽町」のロゴ

 CADANは若手から老舗まで日本国内50軒のコンテンポラリーアートギャラリーが加盟する非営利の業界団体で、2015年の発足以来、日本の現代美術の発展に寄与することを目的に活動している。これらのギャラリーの活動を一般の人々に、もっと気軽に知ってもらうため「CADAN有楽町」は、2020年7月にオープンした。約3年間にわたって3週間ごとに入れ替えながら、50を超える展覧会を開催してきたが、有楽町ビルの解体工事に伴い、2023年10月29日に閉廊した。そして、約7ヵ月を経て、移転再始動したわけだ。

 有楽町ビルは国際ビルからもすぐ近くで、JR有楽町駅により近い場所だったが、1966年竣工で、約57年が経過していることから、建て替えることになった。

 「CADAN有楽町 移転記念展 by 青山|目黒 & ANOMALY」(2024年5月14日~6月2日)は、新スペースでの記念すべき第一回目の展覧会として、「青山|目黒」と「ANOMALY」による共同企画で、金田実生、小林耕平、森田浩彰、ハビマ・フックスの4人展を開催している。

CADAN代表理事・山本裕子氏のコメント

「新『CADAN有楽町』が、丸の内の目抜き通りに再びオープンする運びとなりました。ギャラリーという活動を皆さんによりよく知ってもらうために2020年夏に開けた初期『CADAN有楽町』は、オフィス街とアートが交差する刺激的な場になりましたが、新『CADAN有楽町』は更にパワーアップして、展示スペースを3つ設け、若手をフィーチャーするウィンドウギャラリーもできます。

 日本随一のオフィス街のド真ん中で、様々なギャラリーがアーティストと協働し作品を発表する場に、是非立ち会っていただければと思います。もちろん作品をコレクションすることもできますので、お気軽に扉を開けてください」

「CADAN有楽町」。丸の内仲通りからもギャラリーの様子が見え、気軽に立ち寄れる

■参加アーティスト

●金田実生

 1963年東京都生まれ。1988年多摩美術大学大学院修了。2005年文化庁新進芸術家国内研修員。主に紙とキャンバスに油彩画を制作。見えないけれど確かに存在するもの、存在が可視できるもの、そして絵の中にだけ存在するものを考え絵画へと昇華させている。主な展覧会に、「アーティスト・ファイル2009―現代の作家たち」(国立新美術館、東京)、「クインテット―五つ星の作家たち」(損保ジャパン東郷青児美術館、東京 2014)、公開制作73「金田実生 青空と月」(府中市美術館、東京、2018)、「みつめる―見ることの不思議と向き合う作家たち―」(群馬県立館林美術館、2019)、「眼差しに熱がこぼれる」(東京都美術館、2022)、「つくりかけラボ11 | 線の王国」(千葉市美術館、2023)など。府中市美術館、群馬県立館林美術館、文化庁、広島市現代美術館、徳島県立近代美術館などに作品が収蔵されている。本展では、日々の身近な情景にある気配やエネルギーをあらわした作品など未発表作品も含めて展示します。※プレスリリースより

●森田浩彰

 1973年福井県生まれ。1998年Bゼミスクール修了。2002年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジMAファインアート修了。生活の中で当たり前に存在しているが特に意識されない物事に注意を向け、それらの中に折り重なっているコンテクストや関係性を可視化させる作品を制作している。主な展覧会に「Triple Point of Matter」(Fondation Fiminco,パリ,2017年)、「Something to Something else」青山|目黒、東京、2016年)等がある。今展ではコロナ禍で制作した100点以上のコラージュ作品の中から数点を初発表します。※プレスリリースより

●小林耕平

 1974年東京都生まれ。愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業。オブジェクトやドローイング、テキストが相互に影響し合う軽妙なインスタレーションと、パフォーマンスや対話の様子を記録した映像作品を構成し、会場全体を通して能動的な鑑賞を誘う作品で知られる。近年では黒部美術館での個展、金沢21世紀美術館や国立近代美術館での展覧会に参加。パブリックコレクションに、東京国立近代美術館、豊田市美術館、韓国国立現代美術館がある。今回の展示では、新しい平面作品のシリーズを発表、ユーモラスに絵画を問う。※プレスリリースより

●ハビマ・フックス

 1977年生まれ。チャスラフ(チェコ共和国)在住。 様々な文化からモチーフやシンボルを分析し、キリスト教の図像と、特に仏教から得た東洋の宗教的イメージを自由に組み合わせている。ここ数年は陶芸の原初的な側面に惹かれ、乾燥植物、小枝、竹の棒などの自然物と組み合わせたり、つなげたりしている。今展では象徴的なドローイング作品と竹に描いたペインティングを展示。※プレスリリースより

■「CADAN有楽町」概要
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1国際ビル1階
営業時間:火〜金は11~19時 土、日、祝は11時~17時
定休日:月(祝日の場合は翌平日)
料金:無料
公式サイト:https://cadan.org/cadan-yurakucho/
展覧会:「CADAN有楽町 移転記念展 by 青山|目黒 & ANOMALY」 
作家:金田実生、小林耕平、森田浩彰、ハビマ・フックス
会期:2024年5月14日~6月2日

■今後の予定
2024年6月4日~6月23日 Taguchi Fine Art、TEZUKAYAMA GALLERY、KOKI ARTS
2024年6月25日~7月14日 KAYKOYKOYUKI、Satoko Oe Contemporary
2024年7月16日~8月4日 無人島プロダクション、HAGIWARA PROJECTS

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