第3回
「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編~」始動! vol.3
【連載/新宿再開発】鉄道5社が初の一致団結! 力を合わせて新宿を“世界一”のまちへ
2021年12月17日 12時00分更新
1日約350万人(「東京都統計年鑑」〈平成27年〉より)という、世界一の乗降客数を誇る新宿駅。この駅とその一帯を「新宿グランドターミナル」と名付け、2046(令和28)年度をめどに区画整理事業を中心に再編する検討が進められている。
2018(平成30)年、東京都と新宿区が「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編~」を策定。今回の再編には、東京都、新宿区の他、新宿に乗り入れる鉄道5社(東日本旅客鉄道〈JR東日本〉、小田急電鉄、東京地下鉄〈東京メトロ〉、京王電鉄、西武鉄道)が参画するのが大きな特徴だ。
連載第3回となる今回は、その5社の担当者が集結! 参画の理由や各社から見た新宿というまち、「新宿グランドターミナル」について語ってもらった。
●第1回
新宿はこれからどうなる!? 次世代に向けて目指すべき新たな“都市”の姿とは?
●第2回
“現代の宿場町” 新宿を再構築! 新宿区と東京都が見据えるこのまちの未来
“オール新宿”のチームとして新宿のまちづくりをスタート!
現在、鉄道5社は、「新宿グランドターミナル」の再編をどのように実現していくか頻繁に話し合いを重ねている。新宿の「まちづくり」において5社が連携するのは、今回が初めてだという。
――今回の再編に鉄道5社が参画したことについての思いとは?
(JR東日本・鈴木)「今回、東京都と新宿区が再整備方針を策定したことで、鉄道5社が集まる機会が生まれたことに、まず感謝しています。“世界一の駅・新宿”を大再編するというとき、これまでのように各社が独自に動くのではなく、5社が『オール新宿』のチームとして何ができるか考えていきたいですね」
(小田急・北島)「そうですね。鉄道5社で力を合わせて約50年ぶりにまちを変えるという一つの目標に向かっていく、非常にエネルギッシュな取り組みだと思っています。『人にやさしいまち』『人の回遊性を高める』というのが今回の再編の大きなテーマですが、『早くスムーズに、安く目的地に着ける』というのは、鉄道会社がずっと目標としてやってきたこと。この『人の移動』を、まさにまちの中に新しくつくりだしていく事業ということで、この5社で一緒に実現していくのはとても素晴らしいことですよね」
――「新宿グランドターミナル」の再編への考えは?
(東京メトロ・羽田)「今回の全体コンセプトである『交流・連携・挑戦』を生み出すために、人々が求めるまちの魅力を追求していく事業だと思っています。コロナ禍以降の社会、人々の価値観、技術も含め、10年後20年後の変化を常に捉えながら、まちづくりをしていく事業だと考えているんですよね。
当社ではエキナカ商業施設の開業や地下からのエスカレーター、エレベーターの設置といった、駅とまちをつないで調和させる取り組みや、空間の整備を行っています。多くの事業者が集まるこの一大プロジェクトで知見を得て、他の駅やまちの発展にも貢献していきたいですね」
(京王・遠藤)「最近は渋谷をはじめ、都内の他のエリアの再開発も進んでいますよね。新宿の競争力が少し落ちてきている中で、『新宿をもう一度盛り立てていこうよ!』と長年検討してきて出た結論が、『新宿グランドターミナル』の再編だと思うんです。新宿全体を一つにつなげていくきっかけというか、今までまちを盛り上げてきてくれた地元の方々と一緒になって、人をつないで、地域をつないで、これからも新宿に多くの方々が来てくれるような大きなまちにしていく、というのが今回の再編の大きなポイントだと考えています」
(西武・油井)「再編の実現を目指して5社で連携して、新宿にいろいろな交流が生まれることによって、西武新宿駅だけでなく、そこから沿線エリアとの連携や人の流れが生まれ、新宿全体の価値向上につながる重要な事業だと捉えています」
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