みなさん、こんにちは!
横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。
第11回は、水族館「アクアミュージアム」の陸生動物が暮らすエリア「フォレストリウム」を担当している新井かおりがお伝えします。
前回の記事はこちら。飼育員が選ぶ!セイウチの魅力4選
※過去の連載記事はこちら:横浜・八景島シーパラダイスの飼育員生きもの日記
2021年4月に掲載した第1回目のコラムで、2021年2月4日に誕生したコツメカワウソの赤ちゃんについて紹介いたしましたが、今回はそのカワウソファミリーの続編をお届けしていきます。
2021年10月26日、お父さん「レラキ」とお母さん「ムーア」の仲良し夫婦の間に2度目の繁殖があり、赤ちゃんが5頭誕生しました。
今回の出産では、前回の経験からムーアがさらに良い環境で安心して出産できるように準備を行い、同時に、前回に誕生したお姉さん「ハピア」が同居する中での出産に挑戦となりました。
出産日当日はムーアが朝方からうなるように鳴き、出産が近いと思われましたが、ごはんを持っていくといつものようにすべて完食!いつ産まれるのか…とカメラ越しに観察を続けました。そして夜になり、無事に赤ちゃんを出産してくれました。
1頭ずつ誕生するたびにムーアとレラキは手慣れた様子で赤ちゃんを抱きかかえてお世話をするなど今回も息ぴったりな様子でした。
初めて赤ちゃんを見たハピアは、しばらくはじっと見守るのみでしたが、3頭目が誕生したころから、指先でさわってみたり、顔を近づけてみたりと、何度かふれる様子が確認されはじめました。そして遂に、ムーアが力んで抱えていた赤ちゃんを手放したタイミングで、ハピアが赤ちゃんを抱っこしてお世話を始めたのです!
上手に抱きかかえるお姉さんの様子に一安心の瞬間となりました。
ハピアのお姉さんぶりはその後何度も発揮され、離乳の時期には赤ちゃんたちにおさかなを渡しに行き、遊ぶときは先頭であちこちに走り回り、どの場面を切り取っても、コツメカワウソの社会性の高さを感じることができ、見ている私たちも温かい気持ちになりました。
さて、そんなコツメカワウソファミリーですが、今年1月15日に一般公開し、皆さまもご覧いただけるようになりました。
また、現在は繁殖計画の一環で、お父さんと男の子、お母さんと女の子に分かれて暮らしています。家族を分けたときに、お母さんがいなくても男の子の赤ちゃんたちは大丈夫かなど心配でしたが、それぞれのグループで元気いっぱいに過ごしてくれています。
貴重な経験をさせてくれている動物たちに感謝を忘れず、それぞれの場所で幸せに暮らせるよう、私たちもカワウソたちと日々楽しい時間を共有しながら過ごしていこうと思います。
最後に、目の前で見る動物たちは魅力たっぷり、愛嬌たっぷりで、私も魅了された一人です。なかなか足を運びにくいご時世ではありますが、ぜひ皆さんも魅了されにいらしてください!また、そのときは気軽にお声がけください★
横浜・八景島シーパラダイス
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