そこまで有名なわけでもないのに飛騨の戦国武将・金森長近の生涯がマンガになったワケ

 飛騨高山の今に残る古い町並の原型を築いた武将、金森長近をご存知でしょうか。そこまで歴史ツウでもない私は、失礼ながらまったく知らなかったのですが、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と、戦国三英傑のすべてに仕えた実力者とのこと。ほほう、そんな人物がいらしたとは。これはもっと知りたいですね……と、思った方も多いんじゃないですか?

 実はこの長近の生涯をまとめたマンガが出版され、この夏にはWEB上でも公開されることになりました。マンガって分かりやすくまとめられているから、うれしいですよね! 私も読むのが楽しみです!

飛騨高山の町並みを作った金森長近

 金森長近は1524年に美濃国(現在の岐阜県多治見市)に生まれ、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に仕えて、長篠の戦いや関ヶ原の合戦などに参陣しました。豊臣秀吉に仕えた際、飛騨国攻略の功績により国主として飛騨国3万石余りを与えられ、高山城の築城と飛騨高山の町並みの基礎を作っています。飛騨高山は当時の古い町並みが残っていることから外国人観光客にも人気ですが、それを作ったのが長近なんですね。飛騨国を豊かにしようと頑張った長近の仕事が、時代を超えて実ったかのようでなんだかグッときます。

 そもそも、そこまでメジャーというわけでもない長近がなぜマンガになったのかと言えば、今年で長近が生誕500年を迎えるということで、高山市及び高山市教育委員会が長近の生涯をまとめたマンガを作ろうと動いたから。

 長近が信長に仕えて数々の合戦に参陣し活躍する場面、信長の死後に秀吉に仕え飛騨国の三木氏を攻める場面、飛騨高山のまちづくりに尽力する場面、関ケ原の合戦後に家康にお茶を点てる場面などが描かれています。それぞれキャラクターも大きく違う三英傑に仕えるのって、相当大変だったと思いますが、相当処世術に長けた人物だったんじゃないでしょうか。性格が難しそうな信長や秀吉にも使えていたんだから、とても有能な人だったんだろうなと思います。現代でも、うまの合わない上司に悩んでる人のヒントになるかもしれませんね。

 マンガは高山市内の学校などに配布されるほか、夏以降にはインターネットでもPDFを公開予定です。夏が待ちきれないなあ。


マンガ 金森長近
判型・ページ数:B6判120頁
原作:谷前英夫
作画:中井邦彦
ストーリー考証:金森長近マンガ製作活用事業検討委員会
発行部数:5,500部
PDF公開先:公益財団法人B&G財団(https://www.bgf.or.jp/) ※夏以降公開予定


文 / 風都ナツメ(LoveWalker編集部)

東北出身。
ゆるく御朱印集めを趣味にしています。その流れで御城印も少しずつ収集中。


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