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なにやら不思議なネオンとのれん! 昭和感漂う「歌える居酒屋 本日開店」で取材中にみんなと大合唱!

2024年09月27日 12時00分更新

 丸の内エリアの古き良き昭和レトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。16回目となる今回は、東京交通会館の地下1階にある「歌える居酒屋 本日開店」に潜入してきました!

 東京交通会館の地下といえば、昭和の面影を残す飲食店や居酒屋、甘味処などが多く集まっていることで知られています。その一番奥のほうで見つけたのが、なにやら不思議なネオンとのれん…。「歌える居酒屋」と書いてあります。え、ここ歌えるの? しかも、店名が「本日開店」ときた! 入口の近くまで来てみると、店内からお客さんの歌声が聞こえてきます。これは気になりますねー。ちょっぴりドキドキしながら、中に入ってみました。

この通路の一番奥に見えるのが、「歌える居酒屋 本日開店」です!

 店内は、昔ながらの飲み屋さんといった雰囲気で、すでにマイクやタンバリンを持ったほろ酔いのお客さんたちで大盛り上がりです。こちら、カラオケのある居酒屋さんなんですね! 爆音のカラオケと歌声に一瞬ひるみましたが…、やさしい笑顔のママさんがカウンターに案内してくれました。

店内はアットホームな居酒屋さんの雰囲気。壁にカラオケのモニターが設置されています

 メニューは若鶏の唐揚げなどの揚げ物、ししゃもなどの焼き物、サラダ、冷や奴などの一品料理、そして、ビールやサワー、焼酎、ウイスキーなど、居酒屋さんらしいフード&ドリンクが揃っています。こういう気取らないメニューって、やっぱりほっとしますよね。グラスのドリンクは、開店から18時まではサービスタイムで最初の1杯半額というのも、うれしい! 次はこの時間に来なくちゃ!

壁に掛けられたホワイトボードにはその日のおすすめも 

 まずはビール! と、本日おすすめの「かつを刺身」で乾杯! お魚は、その日のいいものを少量、売り切りで出していて、びんちょうマグロやしめサバ、タコなどがホワイトボードに書かれることもあるのだとか。新鮮なカツオはいまが旬。厚切りで脂もほどよくのっていて、これは最高!

かつを刺身750円、生ビール(中ジョッキ)640円

 続いて注文したのが、これもおすすめだという「ボイルソーセージ」。2種類のソーセージにフライドポテトが付いていて、もちろんビールとの相性もバッチリです。 

ボイルソーセージ750円

 のんびり味わっている間にも、お客さんの歌声は続く、続く、まさにエンドレス状態!40~60代くらいのお客さんが多いので、大江千里、YMO、ゴダイゴといった懐かしの往年ヒットソングからアニソンまで、途切れることなく怒涛のメドレー&大合唱。昭和世代ドンピシャの私も、気づいたら思わずカウンターでガンガン歌っちゃってました!

 もちろん、昭和だけでなく、平成、令和の歌を歌っても大丈夫。お客さんたちが盛り上げてくれるので、好きな歌を歌うが勝ち!です(笑)。

通信カラオケのJOYSOUNDを用意。1曲200円。こちらも開店から18時まではサービスタイムで1曲100円に! 

 お客さんたちがグラス片手に席を移動しながら仲よくおしゃべりしたり、歌に合いの手を入れたりして盛り上がっているので、友人や仕事仲間なのかと思って聞いてみると、実はほとんどがこのお店で出会ったのだとか。週に数回来るお客さんも多いので、自然と顔見知りになるのだそうです。

 「最近は一人カラオケも人気だけど、やっぱりここに来てみんなで歌ったほうが楽しいんだよね」と、常連さん。確かに! この一体感は、一人カラオケボックスでは絶対味わえないですもんね!

BEGINの「島人ぬ宝」で店内の盛り上がりは最高潮に! 

 どこか懐かしい“歌える居酒屋”の理由を、ママと2人でお店を切り盛りしているマスターの安倍久雄さんに聞いてみました。

 このお店は、60年ほど前、サンドイッチマンだったお父さまが、かつてこの地にあった「すし屋横丁」でスナックのような、パブのようなお店を開いたのが始まりだと言います。なるほど、カラオケがあるのはその名残なんですね!

 サンドイッチマンとは、体の前面と背中に看板を取り付けたり、プラカードを持ったりして街角に立ち、店舗の宣伝をしたり、お客さんを呼び込んだりする人のことです。戦後に多く見られた宣伝手法ですが、時代の流れと共に徐々にその役割は少なくなったため、お店を始めることに。ここ東京交通会館にオープンしたのは1967(昭和42)年ころだそうです。

気さくな二代目マスターの安倍久雄さん。昔の写真なども見せてくれました

 店名は「すし屋横丁」に最初に開店したときから変わらぬまま。かつてのサンドイッチマンの看板にも「本日開店」と、きっとよく書かれていたのでしょうね。「初心を忘れないために、この言葉を店名にしたんじゃないかな」というマスターの言葉に、昭和からこの地で続くお店の歴史を感じました。

 そんなお話を聞きながら、〆の一品として「野菜たっぷりソース焼きそば」を注文しました。これ、メニューを見たときから気になっていたんですよね~。キャベツ、玉ネギ、ピーマン、ニンジン、もやしといった野菜に、ベーコンのうま味、ソースの香ばしさが絡まって、これはたまりません! ソース味ながらあっさりした味わいで、〆に大正解の一品でした。

野菜たっぷりソース焼きそば780円

 ちなみに、黒麻婆豆腐620円、挽き肉とひよこ豆のキーマカレー750円など、ほかにも気になるメニューはいっぱい。黒麻婆豆腐はプラス130円で丼にもしてくれるので、がっつり食べたいときにもおすすめです。

 常連さんが多いお店ですが、一見さんやおひとり様ももちろん大歓迎。1人でおじゃました私にもマスターやママ、お客さんたちがやさしく話しかけてくれて、すっかり打ち解けてしまいました! 

 最近は、20~30代のお客さんが来て、昭和の歌を熱唱することも多いのだとか。歌いたくなったとき、誰かと話したくなったとき、そして、手作りのお料理で1杯やりたくなったとき、ぜひふらっと立ち寄っていただきたい1軒です。食べて、飲んで、しゃべって、歌って、元気フル充電で家に帰れること間違いなしですよ♪

もちろん、歌わない人も大歓迎です

 ということで、第16回の「歌える居酒屋 本日開店」のレポートはおしまい! 次はどんな「昭和レトロ」に出合いに行こうかな~。

横浜生まれ、横浜育ち。おいしいものと旅が大好きなオカダです!

歌える居酒屋 本日開店
住所 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1
営業時間 17:30~23:30(LO23:00)、土曜17:30~22:30(LO22:00)
定休日 日曜、祝日
電話 03-3213-4536
※チャージ+お通し1人440円

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