みなさん、こんにちは!
横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。
第50回は「アクアミュージアム」で魚類飼育を担当する河野鉄平がお伝えします。
前回の記事はこちら:
5月23日は「世界カメの日」! シーパラでくらすユニークでおもしろいカメたちをご紹介
※過去の連載記事はこちら:
https://lovewalker.jp/special/3000788/
水族館「アクアミュージアム」5F「フォレストガーデン」には、美しい色や模様でとても目立つ森の住民「ヤドクガエル」がくらしています。
「ヤドクガエル」は好きな方と苦手な方がはっきり分かれる展示です。ゆっくりと観察している方やすっと通り過ぎてしまう方、たまに聞こえる「うわっ」という小さな声とさまざまです。
今回は好きな人はもっと好きに、苦手な人は少し気になってしまう…。そんなヤドクガエルの魅力についてお伝えします。
私たちにとって身近なカエルを考えると、緑色の小さなアマガエルを思い浮かべる方が多いと思います。茶色の大きなヒキガエルを想像した方もいるかもしれないですね。
そんなカエルを想像した皆様はこれから見るヤドクガエルの綺麗さに…いや、美しさに驚くでしょう!!
こちらが今回の主役、シーパラで飼育をしているヤドクガエルたちです。
皆様が想像したカエルと比べていかがでしょうか?
派手な体色に奇抜な柄をしており、とても美しく見えませんか?
こんなに派手な見た目をしていますが、体長は約4センチメートルと小さいです。
黄色い帯のような模様が入っているのが「キオビヤドクガエル」、緑や青のまだら模様なのが「マダラヤドクガエル」です。マダラヤドクガエルはくらしている場所によって模様や色が少しずつ変化します。
普段は植物の隙間などに隠れてくらしています。こんなに派手な見た目をしているので、水槽の中でもすぐに見つけられます。
他の生きものに見つかって襲われてしまいそうな気もしますが、ヤドクガエルはこの色、この模様だからこそ襲われないのです。「私たちは毒を持っている!!触ったら危ない!食べるなんてもってのほかだ!!」とアピールをしています。このような色や模様のことを警戒色といいます。
水族館で飼育している個体がとても危険なのかというとそうではありません。
ヤドクガエルは種類によっても毒の種類も違います。また、ヤドクガエルたちは餌となるアリやダニなどから毒をつくっていると考えられていますが、毒のつくり方にはまだわからないことも多くあります。
シーパラでは、小さなコオロギにカルシウムをまぶして与えています。
この場合、毒はとても弱くなります。ヤドクガエルは身体の構造上、大きなものを食べることができません。ほとんどのカエルは口に入るものならば丸呑みにできますが、ヤドクガエルは小さな生きものを1匹ずつ捕まえて食べていきます。シーパラでヤドクガエルに給餌を行う際は、お皿に小さなコオロギをたくさん入れて、それをヤドクガエルの水槽の中に入れます。
獲物を捕まえることが上手な個体や苦手な個体、食べ方にクセのある個体など個性を観察することができます。水槽を覗いてみて、餌を食べていたならよく観察をしてみてください。推しが見つかるかもしれません。
私はヤドクガエルが調子が良い時によくやっている指をピクピクと動かす行動が特にお気に入りです。
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただき、好きだった方はより好きに、苦手だった方も少し味を持っていただけると嬉しいです。
シーパラへお越しいただいた際は美しいヤドクガエルもぜひご覧ください。
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文/河野鉄平
両生類、クラゲ、海水魚、淡水魚、無脊椎動物などの担当。
趣味は、水族館 美味しいものを食べること。
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