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坂の上まで楽しく歩いて芸術鑑賞!横浜市民ギャラリーへの街歩きルートと「新・今日の作家展2025」

2025年08月08日 10時00分更新

 みなさん、こんにちは。

 私たち、横浜市芸術文化振興財団は、美術、音楽、ダンス、古典芸能など、アートの力を活かして、横浜の魅力を高める活動をしています。

 この連載ではリレー形式で10回に渡り、新たなアートイベントの楽しみ方、文化施設周辺の街歩きなど、アートを切り口に街の魅力をお届けします。

前回の記事はこちら

コンサートホールの裏側を探検!? 横浜みなとみらいホール こどもフェスタ みなとみらい遊音地

過去の連載はこちら:https://lovewalker.jp/special/3001161/

 第7回は、横浜市民ギャラリーの学芸員・伊藤が横浜市民ギャラリー周辺の街歩き情報や、9月に開幕する「新・今日の作家展2025」について紹介します!

横浜市民ギャラリーってどんなところ?

 横浜市民ギャラリーは、今年で開館61年目を迎えました。美術の発表の場を求める市民の声を受けて1964(昭和39)年に開設された当館は、今でも日々多くの美術団体や個人の方による展覧会がおこなわれているほか、当館主催の企画展やワークショップ、講演会などのイベントを実施しています。

横浜市民ギャラリー外観 photo:UESUGI Akira

寺社めぐりも楽しめる、2つの徒歩ルート

 当館の最寄り駅はJR・横浜市営地下鉄の桜木町駅と、京急の日ノ出町駅です。

 桜木町駅から当館へは徒歩で10分。実はなかなか急な坂の上にあるのですが、この道のりを楽しむための、桜木町駅からの2つのルートをご紹介します。

 一つ目は「伊勢山皇大神宮」に立ち寄るルート。

 JR桜木町駅の北改札から西口に出て、紅葉坂方面へ。紅葉坂を少し進むと、斜め左へ向かう長い坂道、伊勢山皇大神宮の表参道があります。この道の先の伊勢山皇大神宮からさらに奥に進むと、左手に市民ギャラリーが見えてきます。コンテナを積んだような特徴的なデザインのエントランスに、横浜らしさを感じられます。

伊勢山皇大神宮は1870(明治3)年創建。国際港都横浜の守り神、「関東のお伊勢さま」として広く崇敬を集めています。お正月の初詣に来たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 二つ目は「横浜成田山」に立ち寄るルート。

 こちらはJR桜木町駅の南改札から西口に出て、野毛ちかみちを経由します。以前の連載で紹介された「コテイベーカリー」を背に右斜め前の道をまっすぐ進み、突き当りにある階段を登ると横浜成田山に到着です。

1870(明治3)年、野毛山の地に大本山成田山から不動明王像を遷座し開創。以来、野毛山不動尊として親しまれています。

写真の右奥に見えている茶色の建物が市民ギャラリー。本堂向かって右手へ進むと、横浜市民ギャラリーへとつながる道があります。

横浜成田山での今年の花まつりの様子。初めて甘茶をいただきました。

 ゆっくり坂を登るか、一気に階段で登るか。所用時間に大差はないので、そのときの気分で選んでみてください。

 私がおすすめするのは、行きは伊勢山さん、帰りは成田山、そして野毛でごはんを食べて帰るルート。お参りすればご利益もあるかも?このエリアをたっぷり満喫できるでしょう!

現代美術にふれる 新・今日の作家展2025 

 横浜市民ギャラリーでは9月13日(土)から10月6日(月)まで、現代美術を取り上げる企画展「新・今日(こんにち)の作家展2025 穿(うが)ちの表象」を開催します。「穿つ」は穴をあける、突き通すなどの意味があります。「穿った見方」というと聞き馴染みがあるでしょうか。「疑ってかかるような見方をする」という意味で捉えられがちですが、本来は「物事の本質をとらえようと鋭い視点で見る」ことを指します。出品作家は3名。畑山太志さんの絵画、早川祐太さんの彫刻、松原茉莉さんの写真作品をとおして、新たな視点に気づくきっかけとなるのではないでしょうか。

 本展は入場無料ですので、「現代美術がちょっと気になる…」という方も気軽にお越しください。もちろんリピートでの来場も大歓迎です!

畑山太志《明るさの精度》2025年 キャンバス、アクリル 53.0×72.7cm

早川祐太 個展「ブラックボール」展示風景(2025年、HAGIWARA PROJECTS /東京)©Yuta Hayakawa Courtesy of HAGIWARA PROJECTS Photo by Yuki Akaba

松原茉莉《ふたしかさの標本_ゴムの木》2024年 水溶紙にインクジェットプリント(AI写真生成、フォトアブストラクティング) 20.0×13.3㎝

 「そもそも現代美術って何?」という方にも、「現代美術をもっと知りたい!」という方にもおすすめしたいのが、当館で9月6日(土)に開催する「レクチャー はじめての現代アート」。展覧会とあわせて、ぜひチェックしてみてください! ※申込詳細は下記のとおり。

▼スポット・イベント紹介

横浜市民ギャラリー 公式HP https://ycag.yafjp.org/

・X(旧Twitter)https://x.com/ycag1964

・Instagram https://www.instagram.com/ycag1964/

・YouTube https://www.youtube.com/channel/UCq4qkBFHTPkOtJukGHPHknQ

■新・今日の作家展2025 穿ちの表象

日時:2025年9月13日(土)~10月6日(月)

会場:横浜市民ギャラリー 展示室1、B1

観覧料:無料

出品作家:畑山太志、早川祐太、松原茉莉

https://ycag.yafjp.org/exhibition/new_artists_today_2025/

■大人のためのアトリエ講座「レクチャー はじめての現代アート」

日時:2025年9月6日(土) 14:00~15:30

会場:横浜市民ギャラリー 4階アトリエ

講師:筧菜奈子(現代美術・装飾史研究者)

定員:50名程度(応募多数の場合は抽選)

参加費:1,000円

申込締切:8月21日(木)必着

申込方法等の詳細は横浜市民ギャラリー公式ウェブページをご確認ください。
https://ycag.yafjp.org/events/otonakouza_2025_zenki/

▼執筆者紹介

文:伊藤ちひろ(学芸員)

プロフィール:愛知県出身。2024年横浜市芸術文化振興財団入職。横浜に来て驚いたのは、横浜駅の京浜東北・根岸線ホームにある崎陽軒の小さな売店。関西生活が長かった私にとって見慣れた、大阪土産でお馴染み「551蓬莱」は駅構内の売店でも大体が厨房併設でそれなりに大きいので、ホーム上のお店は新鮮であり、横浜の人々の崎陽軒愛を感じました。

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