戦国LOVEWalkerでお城&メタ散歩を楽しもう⑥

「戦国LOVEWalker2026」の付録「現存12天守カレンダー」にも登場する『丸亀城』を歩いてみた

 2025年12月22日刊行の「戦国LOVEWalker2026」は、2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公である、天下統一を成し遂げた豊臣秀吉と、その弟・豊臣秀長の生涯を追いかけながら、彼らが築き、あるいは関わった全国の城を徹底的に紹介する、お城旅ガイドの決定版。豊臣兄弟の「お城旅ガイド」として、45の城をピックアップし、その御城印も含め紹介する。

 このムックの付録として、昨年も好評だった「現存12天守カレンダー」がついてくる。日付欄には、その日起こった戦国時代の出来事の解説が入っている。解説は昨年より増量、210の出来事を紹介している。現存12天守とは、全国に12か所しか残っていない、江戸時代またはそれ以前に建設され現代まで保存されている天守を指し、丸亀城の天守は正保年間(1648年〜1652年)に”実質天守”「御三階櫓」として建造され、重要文化財に指定されている。

 香川県・丸亀市の丸亀城は、(公財)日本城郭協会が選定した「日本100名城」にも選ばれている名城で、瀬戸内海を望む同市の少し内奥に入ったところに、標高約66mの亀山があり、ここに築かれた平山城だ。別名亀山城と呼ばれている。古代中国神話の四霊の一つ、霊亀が、背中の甲羅に「蓬莱山」と呼ばれる山を背負った巨大な亀であることから、蓬莱城ともいわれる。蓬莱山には、中国の神仙思想では、不老不死の仙人が住むと言われている。

現存12天守の一つ、丸亀城の天守。

大手二の門近くの濠から天守を見上げる

「戦国LoveWalker2026」付録の「現存12天守カレンダー」

【天守】【高石垣(三の丸北石垣)】【大手一の門(太鼓門)】【大手二の門】などなど丸亀城はお城の魅力がいっぱい

 丸亀城の天守の高さは約14.5mと弘前城天守(高さ約14.4m)の次に低い三重天守となる。大手門と天守が両方とも現存しているのは丸亀城のほかは、弘前城と高知城のみである。丸亀城は、日本の歴史公園100選、日本100名城(78番)に選ばれている。高さは低いが、総高66メートルの亀山の総石垣の城の頂上に建てられていて、最上重の屋根には平側面(南北面)に入母屋屋根の妻側を向け、2重目の北面に向唐破風を一つ付けることによって、街中から見える姿は大きさを感じる。

 丸亀市街を城に向って歩いていき、大手門から城内に入ってからは、結構急な見返り坂を登っていくと、美しい高石垣(三の丸北石垣)などを経て、天守(山頂)に上がっていく過程が、実にお城を体感できるコースになっている。

 丸亀城には、本丸・二の丸・三の丸・帯曲輪・山下曲輪があり、東西約540m・南北約460mの内堀の内、204,756平方メートルが史跡範囲になる。

 丸亀城は慶長2年(1597)から5年がかりで、生駒親正が、その子、一正と共に築いた。生駒正俊の代に、一国一城令により、いったん、廃城となったが、山﨑家治が寛永18年(1641)、西讃に封じられ、城郭を再建した。山﨑氏が改易された後は、京極高和が万治元年(1658)、城主となり、7代212年続いて、明治維新を迎えた。

 丸亀城は、現存十二天守の一つとして有名だが、「石の城」とも言われ、石垣の名城としても知られる。石垣は、主に、築城技術がもっとも発達した時期である山﨑氏の時に築かれた。石垣は、野面積み、打ち込みハギ、切り込みハギがそろい、「△」「田」などの刻印のある石、表面をノミで加工した石、石を割った矢穴の跡のある石を見ることもできる。

 反り返る石垣の曲線が扇を開いたような形状であることから「扇の勾配」と呼ばれ、三の丸の一番高いところで25mあり、平地から本丸に至る山全体が4段の高石垣で取り囲まれている。また、石垣の中央部や出入り口には防御のための出隅、入隅を設け、左袖や横矢掛りとしていて、実践的な意味だけでなく、石垣に変化を与えて美しいリズムとなっている。

■丸亀城を歩いてみよう

【天守】

 現存十二天守の一つ。重要文化財。四国で最も古い正保年間(1648年〜1652年)に完成したと考えられ、3重3階の天守になっている。

 亀山の山頂にあり、この本丸には、天守のほかに隅櫓、渡櫓があり、土塀が石垣上を巡っていたが、今はない。本丸中央部の地下16cmには安山岩の岩盤があり、元々の自然の岩山を利用して築城されたことが分かる。礎石、排水路は一部復元されている。

 丸亀城の天守は通し柱を使わず、各階に柱を建てることで、各階を下から順に狭めていく逓減率を大きくして、城下から天守を見たときに大きく見える工夫をしている。また、本来なら間口の広い東西方向に棟を設けるのが通常だが、南北に向けることで、三角の入母屋屋根を北側に見せており、これも大きく見せる工夫だ。

 天守の柱は一階50本、二階36本、三階16本で、用材は栂(つが)を主とし檜と松を混用している。各層は板張りになっていて、堅固な柱と階段で連結されている。

大砲狭間。非常の際には打ち抜いて使用する

丸亀城本丸からの眺め。讃岐富士方面

丸亀城本丸からの眺め。丸亀港方面

【高石垣(三の丸北石垣)】

 石垣の中でも、三の丸北石垣は有名だ。隅角部の石垣は算木積みで直方体の大きな石を角石に用いて大面と小面を交互に組み合わせ、小面の角石の横には角脇石を配して高く強固な石垣としている。丸亀城の高石垣は仰返しという技法で作られており、石垣下部は緩く、上に行くほど急勾配になる「扇の勾配」と呼ばれる美しい勾配で築かれている。

【大手二の門】

 大手の外門。高麗門形式をとり、瓦葺小屋根を配し開扉時の雨除けを意図している。門の左右の狭間塀は土塀で内外共に腰羽目を張り、その間に狭間を開く。

【大手一の門(太鼓門)】

 重要文化財。太鼓を楼上に備えて時報にしたことから太鼓門とも呼ばれる。構造は入母屋造、本瓦葺の櫓門形式。両端柱及び石垣添柱で大梁を受け総開放になっている。一の門、二の門はともに、主要部は欅材で、江戸時代前期の寛文10年(1670年)の建築。内部も見ることができる。

【見返り坂】

 大手一の門を潜って左に進むと、三の丸に登る坂「見返り坂」に差しかかる。斜度約10度の急勾配を持つ150mの坂道。坂は途中で右へ曲がり更に急勾配に。結構つらい坂だった。攻めるのには大変そう。

【三の丸東櫓台跡】

 三の丸東石垣は、石垣のふくらみや石材の割れなどが著しく、石垣の崩壊の危険性があったため、修理工事が行われた。山﨑時代の城郭絵図や京極時代の木図の形や寸法を基に復元されている。虚空に張り出したような展望台になっていて、素晴らしい丸亀市の眺望が楽しめる。

■お城概要

●住所

香川県丸亀市一番丁

●観覧時間

(天守)9:00〜16:30

●最終入場

16:00

●休館日

年中無休

●入城料(天守)

大人:400円/小人(小・中学生):無料

団体(20人以上):1人につき上記の金額の2割引の額

*以下のいずれかに該当する人は無料

・丸亀市に住所を有する65歳以上の人

・心身障がい者(児)とその介護者

それぞれ確認できるもの(手帳など)を提示

●公式サイト
https://www.city.marugame.lg.jp/site/castle/

●丸亀市観光協会公式サイトの丸亀城
https://www.love-marugame.jp/spot/295

『戦国LOVEWalker2026 ウォーカームック』

発行:株式会社角川アスキー総合研究所
発売:株式会社KADOKAWA
発売日:2025年12月22日
定価:1,760円 (本体1,600円+税)
ISBN:9784049112979
サイズ:A4判/100ページ
詳細・購入はAmazon

【目次】 千田嘉博先生インタビュー:「武将たちがあこがれた城」
特集:秀吉・秀長の城(長浜城、姫路城、郡山城、聚楽第、名護屋城など)
特別企画:深掘り 大阪城ガイド
特別企画:有馬温泉
大河ドラマ特集(主演インタビュー、ドラマ紹介、仲野太賀さんインタビュー)
戦国メタ散歩:金沢城、三方原の戦い、河越城の戦いなど

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