貴重な作品を次代につなぐ! 横浜市民ギャラリー、収蔵作品修復プロジェクトを実施
2022年05月09日 16時00分更新
横浜市民ギャラリーでは初の試みとして、5月9日~6月30日の期間に収蔵作品修復費用をクラウドファンディングで募る。目標金額は140万円。
横浜市民ギャラリーは1964年に開館し、1989年に横浜美術館が開館するまでの間、横浜の美術界の中心的な存在として、先進的な現代美術展などを多数開催してきた。それらの機会に収集された収蔵作品およそ1300点は、戦後の横浜を中心とする美術シーンが反映された貴重な作品群であるが、時間の経過により状態が劣化するなど様々な問題が生じているという。
これまでも環境管理を行ないながら作品の修復やクリーニングを継続的に実施してきたが、対応できる点数に限りがあるため、より迅速な対応を長期的に行なうことを目指し、今回初めてクラウドファンディングにより広く支援を求める。
今回、横浜ゆかりの作家が遺した貴重な風景画2点を修復予定。支援による修復後、「横浜市民ギャラリーコレクション展2023」(2023年2月24日~3月12日)にて展示・披露する予定。
修復作品(1):三橋兄弟治「教会の見える風景」1939年
茅ヶ崎出身の水彩画家・三橋兄弟治(みつはし・いとじ、1911~1996年)が横浜で教師をしていた頃に描いた作品。三橋が横浜に住んだ期間は戦争が多く不安な時代であったが、純粋にカトリック山手教会を中心とする景色の美しさを描きとったまなざしが感じられる。
[作品の現状]
絵具の剥落や亀裂などが見られるほか、本紙の破れの処置、作品を収めるマットの交換なども必要。
修復作品(1):柴田善登「山下公園の五月」1969年
福岡県生まれの柴田善登(しばた・よしと、1910~1995年)は福島県での教職を経て、横浜に拠点を置き制作。本作には関東大震災(1923年)の復興事業として建設が進められ、1930年に開園した山下公園が描かれており、鬱蒼と生い茂り、生命力を感じさせる木々の葉、空の色等が印象的。
[作品の現状]
絵具の亀裂や浮き上り、キャンバス裏に染みが見られるほか、裏面のキャンバスと額を固定する釘も固定不良のため、ステンレス製のものへの交換・再固定が望ましい。
寄付金額ごとのギフトを用意
1万円以上の支援で、対象作品のオリジナルクリアファイルを進呈するほか、修復報告書の送付や修復後の対象作品を展示する「横浜市民ギャラリーコレクション展2023」(2023年2月24日~3月12日)の鑑賞ツアーへの招待など、支援金額ごとに御礼を用意する。支援は公益財団法人横浜市芸術文化振興財団への寄附として受け付ける(同財団への寄附は、税制上の優遇措置あり)。
事業概要
【事業名】クラウドファンディングによる横浜市民ギャラリー収蔵作品修復プロジェクト
【対象作品】三橋兄弟治「教会の見える風景」、柴田善登「山下公園の五月」
【募集方法】クラウドファンディングサイト「READYFOR」より寄附受付
【期間】5月9日~6月30日23時
【目標金額】140万円
【主催】横浜市民ギャラリー
※本記事は、プロジェクトオーナーのプロジェクトが必ず成功することや、プロジェクトの品質、リターン内容を保証するものではありません。プロジェクト進行中に関するトラブル、返金要求、リターン返品要求はプロジェクトオーナーの責任のもと行なわれます。プロジェクト不成立時には製品が届かなかったり、返金が受けられないなどのリスクがあります。出資は自己責任でお願いします。
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