「空飛ぶクルマ」のかっこよさに驚く! 「代替肉」のハンバーガーがおいしい! SusHi Tech Tokyo 2024ショーケースプログラムの見どころ大解説

2024年04月26日 11時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII
提供: 東京都、SusHi Tech Tokyo 20204 ショーケースプログラム実行委員会

プロデューサーに聞いてみた
ショーケースプログラムの「サステナブル」って何?

 さまざまなテクノロジーが体験できる、SusHi Tech Tokyo 2024のショーケースプログラム。では、それらが「サステナブル」にどう関わるのでしょう。そして、どのように社会問題を解決していくことに繋がるのでしょうか。

 そんな疑問を、ショーケースプログラム総合プロデューサーの佐藤勇介氏にうかがいました。

SusHi Tech Tokyo 2024 ショーケースプログラム

ショーケースプログラム総合プロデューサー、佐藤勇介氏

 佐藤氏は「『Sustainable High City Tech Tokyo』ということで、サステナブルで高度な技術が集まっているイベントなんです。それでは、『サステナブル』ってなんだろう? という話になると思うんです」と切り出します。

佐藤「そこにはふたつの意味があると思っていて。ひとつは、世界的にも課題となっている、地球環境の負荷をどれだけ下げていけるかという意味でのサステナブル。そしてもうひとつ、東京都に住まわれている都民の生活がどう持続していけるのかという意味合いでのサステナブルですね」

 少子高齢化が進んでいく中、高齢者がテクノロジーを通じて今まで以上に働きやすい環境を作ったり、遠隔操作で家にいながら作業ができたり……。そういう意味合いでの「サステナブル」もあると佐藤氏は語ります。

佐藤「サステナブルな技術が集まっていると聞くと、ちょっと難しく思えたり、とてもアカデミックなイベントに見えたりするかもしれません。そうではなくて、いろいろと体験してみて『おもしろいじゃん、楽しいじゃん』となって、しかもそれがサステナブルなものだった……というふうにするとわかりやすいのかなと」

 そういった意味合いでのサステナブルを訪れた人たちに理解してもらうべく、佐藤氏は「なるべく“体験”していただきたい」「エンターテイメントということにも気を配っている」と語ります。

佐藤「都民の生活の中にサステナブルな技術を落とし込むということは、まず都民の方々から共感を得ないといけない。そうするためにエンターテイメントを入れ込みながら技術を見せることで、体験して、親しみを持ってもらいたいんです」

 エンターテイメント自体も、ひとつの立派な産業です。佐藤氏はそれをふまえ、「日本の伝統、新しい未来のエンターテイメントにショーケースプログラムで触れてもらうことも、日本の新しいカルチャーが生まれていくきっかけになるでしょう」と語りました。

東京で明るい未来を作ろうとしている人たちを
ショーケースプログラムで紹介したい

 SusHi Tech Tokyo 2024は、その名の通り、東京で開催されます。日本に多くの魅力的な都市がある中、東京でショーケースプログラムを開催するポイントはなんでしょうか。

佐藤「東京にはもともと世界有数の経済力があって、海外からいろいろな技術を取り入れ吸収し、全力に前に進んできた時代がありました。新しいものを受け入れ、古いものとかけあわせて前に進んできた力が東京にはあったんです」

 しかし、バブルの崩壊後、その流れは停滞してきたかもしれない……と佐藤氏は続けます。そしてコロナ禍などの問題があり、医療や教育の現場、人々の働き方など、東京のさまざまなことが変わってきました。それに伴い、多くの社会課題、地域課題が表出してきています。

 「それらをどう解決するかという糸口を、なかなか示すことができていない」としつつ、ここで佐藤氏は東京という都市に期待を寄せます。

佐藤「東京というのは、日本のみならず世界を牽引してきた部分がある都市。この東京でポジティブに明るい未来を作ろうとしている企業やスタートアップも、たくさんいらっしゃる」

 そういった存在をショーケースプログラムで紹介することで、「こんな未来が来たらすごく楽しいし、未来の東京がよりいい町になっていく」ということを、いま示すべきではないか……。それがショーケースプログラムを東京で実施する大きな意義だと佐藤氏は語りました。

佐藤「有明アリーナのプログラムには、『2050年の東京』というコンセプトがあります。2050年という先の未来を設定することで、提示したものをみんなで作り上げていく期間もあるし、ショーケースプログラムが起点となって、そのムーブメントを後押しすることもできると思います」

 ショーケースプログラムが開催される東京ベイエリアは、高度経済成長期に歩みを合わせるように1960年代から開発が進み、マンションや商業施設などが建設されたエリア。また、国や東京都の広域防災拠点ともなっています。

 東京の経済が成長していた時期の象徴的な場所であり、現在もさまざまなテクノロジーが集まっている地で、“2050年の東京”を体験するプログラムが開催される……。ここに、過去から未来に繋がる歴史の流れを感じる人もいるかもしれません。

ショーケースプログラムは“一歩目”である

 SusHi Tech Tokyo 2024がテーマのひとつとして掲げている、「社会の課題を解決する」テクノロジー。それに対して、我々は問題を早急に解消してくれるものを求めてしまうかもしれません。しかし、佐藤氏はそこにあえてクギを刺します。

佐藤「地球環境の負荷の話でも、1日で前の環境に戻るということはないわけです。人々が、企業が、日々の積み重ねで取り戻していくことになる。すぐに結果が出せるものではないと思う。そこで、性急に結果を出そうとすると、『自分たちの努力ってムダなのかな』と感じてしまうかもしれない」

SusHi Tech Tokyo 2024 ショーケースプログラム

佐藤氏は、「“サステナブル”だからといって、必ずしもしかめっ面で『すぐに課題を解決しなきゃ』となる必要はないと思うんです」と話す

 ショーケースプログラムでは、空を飛ぶクルマ、AIなどの最新のテクノロジーがたくさん紹介されます。しかし、佐藤氏は、「どんな技術でも結果が出るには時間がかかるものです」と念を押しました。

佐藤「モビリティやAIなどといった概念が世の中にバッと出ると、人々が『これですぐに社会問題が解決する』と思い込んでしまうふしがある。そうではなくて、いろいろな人のがんばりや、ブラッシュアップがある。それらを活用する人々の声があり、形になっていくことで、カルチャーとして生活に根付いていく……という時間の幅があるんです」

 ショーケースプログラムで体験したもので「これは良い!」と感じるものがあったとしても、それらがすぐに全世界に普及して問題を解決することにはならないかもしれません。

 しかし、そういったサステナブルな試みを持った人たちや企業を応援することで、それらに共鳴する人も増えてくる。そこから、「じゃあ買ってみようかな」「自分も作ってみよう」という需要と供給が出てくる……。佐藤氏は、そういった流れを見据えてほしいと語りました。

佐藤「社会にサステナブルなテクノロジーが実装されていって、気づいたら当たり前のものになっていた……となるまでには、ある程度のスパンがあるはずです。その一歩目が、SusHi Tech Tokyo 2024のショーケースプログラムの体験から始まってくれたらいいんじゃないかと思いますね」

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