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隠し通路見つけた! “ビルの細道”を覚えて めざせ丸の内ダンジョンマスター

2023年06月30日 14時00分更新

 ブログ「超高層ビル・都市開発研究所」を運営し、9年間ほぼ毎日都市開発ネタを発信するマニア「きりぼうくん」。本連載では、丸の内に広がる地下空間の楽しみ方を、マニアならではの知見とともに解説してもらいます!

 これまでの記事では、丸の内の地下を縦横無尽に移動することができる4つメインルートを紹介してもらいました。今回は、その上級者編。一見見過ごしてしまうようなビル内の細い地下通路を通って、隣接する建物やメインルートに接続できるショートカットコースをご紹介。使いこなせば、移動時間が格段に短縮できるかもしれません!

どうも「きりぼうくん」です。丸の内の梅雨は、雨に濡れない地下通路を有効活用しています! 詳しいルートはコチラの記事にて♪

4つのメインルートにプラスすることで、最速で目的地へ向かえるショートカットコース!

 これまで2記事にわたって、丸の内の地下通路をスムーズに移動するための方法をご紹介してきました。おさらいですが、覚えるべきは4つのメインルート。各方面へのハブとなるメインルートAと、南北を一気通貫できる直線のメインルートB。そして、丸の内の北(全体図の下側)にある常盤橋エリアとBを結ぶメインルートCに、丸の内の南(全体図の上側)に位置し銀座方面とBを結ぶメインルートDです

 それぞれのルートを経由することで迷うことなく丸の内の地下を移動することができますが、分かりやすさ重視でお伝えしているため、中には目的地まで遠回りになってしまうルートもあるかもしれません。

 そこで今回は、メインルートを把握している貴方だからこそ、利用すれば時短で効率良く移動できる、無敵のショートカットコースを3つお教えします! ちなみに、すべてビルを通るルートなのですが、どこも冷房が効いていて涼しいので、この時期とても嬉しいですよ(笑)。

 ここからは前回同様、私が実際に歩き撮影した写真とともに、通路の特徴的な内装や空間、改札などのチェックポイントをお伝えします。ぜひ各場所の特徴を覚えてください!

丸の内の地下通路を迷わず移動するための4つのメインルートに、紹介するショートカットコースa、b、cを追加した全体図(※南北が逆になっています)

ショートカットコースa:メインルートBからJR京葉線東京駅(メインルートA)への最短ルート!

 1本目は、メインルートBの日比谷方面から、JR京葉線東京駅方面、さらにはメインルートAへ最短で向かうことができるルートです! BからAへ行くには、丸ビルと新丸ビルの間に位置する「行幸地下通路」を通るのが基本ですが、このコースを通れば丸の内南側(全体図の上側)で行き来できるようになるんです!

【ショートカットコースa】番号は、これから紹介する写真のスポットです

 ではまず、「JR京葉線東京駅」までのルートを実際に歩いてみましょう!

 スタート地点の目印は、メインルートBを歩いていると現れる「B5出口」の看板(①)。「丸の内二重橋ビル」の入口でもあるので、一見ここが通路として向こう側につながっているとは思えないのですが、迷うことなかれ。自動ドアを抜けエスカレーターを上がると、対岸の出入口まで見渡せる、広くてきれいな飲食店街が(②)。そうそう、ご存知かと思いますが丸の内エリアのビル地下には、飲食店を中心に本当にたくさんのお店が入っているので、思わず寄り道したくなるような発見も楽しめるはずですよ。

 今回はルートご紹介なので寄り道は我慢。そのまま突き当たりまで進み「丸の内二重橋ビル」を出ると「新東京ビル」につながっています。あとは、ビル出入口や館内にある看板の通りに進むだけ。「新東京ビル」を出たら(③)、東方面(図aで左)に進むとすぐ「JR京葉線東京駅」改札へと続く大きな通路(④)に出られます!

メインルートBから「丸の内二重橋ビル」へin(①)

エスカレーターに階段、左奥にはエレベーターとバリアフリーも完璧

「焼き鳥 松元 丸の内店」や「ぬる燗 佐藤 丸の内」など、お手軽なのに高級感漂う飲食店が並ぶ、かなり広い通路(②)を真っ直ぐ進みます

突き当たりの様子。「丸の内二重橋ビル」は2018年竣工とまだ新しいのもあって綺麗ですね〜

そのまま「丸の内二重橋ビル」を出ると「新東京ビル」へ接続

「JR京葉線」への道順を記した看板が立っているので分かりやすい!

「新東京ビル」を出て道なりに行くと、2方向に別れた分岐が出現

一瞬迷いそうになりますが、各方面が刻まれた柱があるので安心(③)

「JR京葉線東京駅」の印がある方へ進むと改札に続く空間に到着です!(④)

 次に、③から「JR京葉線東京駅」方向へ向かわず、分岐地点となっている「丸の内パークビルディング」の商業施設「丸の内ブリックスクエア」内を経由してメインルートAに接続するルートを行ってみます。

③からは「丸の内ブリックスクエア」にも接続可能。写真の奥に続いている方向に進みます

明治時代に建てられた当時の「三菱一号館」をモチーフにした内装が素敵。洋館風の装飾照明に重厚感を感じます(⑤)。予約がなかなか取れない「まんてん鮨」さんの角を右に進みます

突き当たりにあるエスカレーター(⑥)を降りれば

メインルートAへ到着!ここまで経由したビルは、なんと3つ!

ショートカットコースb:メインルートBからメインルートCへ、丸ビル・新丸ビル内を横断する短縮ルート!

 お次は、メインルートBの千代田線二重橋前(丸の内)駅から、丸ビルと新丸ビルの飲食ゾーンを経由。メインルートAを通りながらメインルートCの東西線大手町駅まで辿り着ける最短コースです。途中、地下なのに屋根がないレアな風景も拝めるのが個人的に推しポイントです♪

【ショートカットコースb】番号は、これから紹介する写真のスポットです

 スタート地点はまたまたメインルートB上(①)。千代田線二重橋前(丸の内)駅の目の前にある、こちらもスルーしてしまいそうな「三菱商事ビル」入口の階段を上がって建物内に入ります。中には無機質な一直線の通路が(②)。ひたすら直進し、そのままビルを出たら連絡通路 (③)を通って「丸ビル」内へ到着です。

メインルートBの千代田線二重橋前(丸の内)駅近くにある「三菱商事ビル」出入口からin(①)

建物内の通路は一本(②)。真っ直ぐ進みます。ザ・オフィスビルという感じで、写真右手前のローソン以外、特にお店はないです

突き当たりまで進むと「丸ビル」へと続く連絡通路(③)が

そのまま抜けると「丸ビル」内へ到着! 写真は、到着して奥を見た様子です

 「丸ビル」からは、4つのビル内を貫通する約600mの通路をひたすら北(地図bで下)へ進みます!

 まずポイントとなるのが、「丸ビル」と「新丸ビル」を結ぶ「行幸地下通路」(⑤)。よくある上から垂れた看板ではなく、柱や壁部分に方向が書かれたポスターが目印。やや見つけにくいので注意して探してみてください。また、「行幸地下通路」のメイン通路を横切り小道から出て小道に入って行く形になるので、不安になるかもしれませんが、僕を信じて進んでください(笑)。

「丸ビル」内の通路(④)を北(写真bで下)へ真っ直ぐ進み、そのまま出ます。ちなみに「マルチカ」と言われる地下1階は、今年4月にリニューアル。お弁当やお惣菜はもちろん、新業態スイーツや手土産などバラエティ豊かに20店舗もあるので、移動ついでに立ち寄りたくなる場所ばかりです!

新丸ビル」への矢印が記された看板(ポスター)通りに行くと…

メインルートAの「行幸地下通路」の真ん中付近(⑤)に出ます。目指すべきはこの写真の右奥。メインの通路を横切る形で進みましょう

通りを横断した突き当たりの壁には「新丸ビル」の看板(ポスター)が。矢印通りに進みます

 「新丸ビル」まで来れば、後は直進あるのみ。ここでひとつ見所があります。それは、「新丸ビル」と「三菱UFJ信託銀行本店ビル」の間にある地下の庭スペース「サンクンガーデン」(⑦)。通常、地下階を備えたビルは建築時にまずは開削ですべて掘り下げられそこから立ち上がっていくのですが、大規模ビルが隣接する丸の内では、このようにあえて掘り下げたスペースを活かした地下の庭のようなものが存在します。今までずっと地下移動していたからこそ、何倍も開放感を感じられるスポットです!

「新丸ビル」内に到着!

先ほどの「丸ビル」内の移動と同じく、通路(⑥)を北(写真bで下)へ。飲食店が並びます~

「新丸ビル」を出た先は、なんと外⁉︎

「サンクンガーデン」(⑦)。開放感があってとても気持ちが良いですが、この日は天気が悪く少し雨に打たれてしいました。地下にいるはずなのに(笑)

 その後は、2つのビルを通り抜ければ目的地はすぐ。比較的お店が少なくて人通りもあまりない「三菱UFJ信託銀行本店ビル」と、バラエティ豊かな飲食店が並ぶ商業スペース「iiyo!!(イーヨ!!)」がある「丸の内永楽ビルディング」内を通り、目の前に現れるエスカレーターを降りれば、東西線大手町駅に到着です!

まずは「三菱UFJ信託銀行本店ビル」(⑧)を抜けます。このあたりまで来ると、主にビジネスマンの方が多いですね

「丸の内永楽ビルディング」(⑨)へ。飲食店を中心とした商業スペース「iiyo!!(イーヨ!!)」があるので人通りは少し増えました。ちなみに2012竣工で比較的新しいココは、地上に出たエリアにアートが飾られていて人通りもそれほど多くなく、居心地が良い穴場ですよ

「丸の内永楽ビル」の突き当たり、出入口には大きなエスカレーター(⑩)があり、そこを降りれば…

東西線大手町駅に到着‼︎ メインルートCに接続できました!

ショートカットコースc:大手町方面から有楽町駅までを最短でつなぐ、国際フォーラム内を通るルート!

 最後に、メインルートをつなぐコースではないのですが、とっておきのショートカットコースを。それは「JR京葉線東京駅」通路から「東京国際フォーラム」を経由し「東京交通会館」へとつながるルート。ココを通れば、大手町方面から有楽町駅まで最短で行くことができます。さらにその先のイトシアも経由すれば、銀座まで抜けることもできちゃうんです!

【ショートカットコースc】番号は、これから紹介する写真のスポットです

 まずはメインルートA解説の時にも紹介した京葉線通路から「東京国際フォーラム」への入口(①)に進みます。登り続けると国際フォーラムの地上中庭に出られますが、今回は地下から建物内に入りましょう。突き当たり(②)を右に進み突き当たりの「シズラー 東京国際フォーラム店」前(③)を左へ曲がってズンズン進むと有楽町線有楽町駅の改札通りに到着です(④)。さらにここで左に曲がって突き当りまで進むと、昭和レトロ企画で紹介されたレトロ喫茶「ローヤル」も入った「東京交通会館」地下へ接続(⑤)。その先の地下広場と「有楽町イトシア」も経由すれば、丸ノ内線銀座駅方面に抜けることも可能。前回メインルートにてご紹介した大手町~銀座の裏ルートとも言える上級コースです!

京葉線通路から「東京国際フォーラム」への入口(①)。ここを登ります

踊り場の様子。さらに上に行きたくなりますが、左の通路、「相田みつを美術館」と看板に書かれた方へ進めばOKです

突き当たり(②)から右を向いた様子。奥に見える「シズラー 東京国際フォーラム店」を目指して進みます

「シズラー 東京国際フォーラム店」前(③)を左に曲がり、直進すると…

「東京国際フォーラム」の出口(④)に到着! 看板通りに少し進めば

有楽町線有楽町駅の改札通りに接続できました。あとはここを左に曲がり、ひたすらまっすぐ進むのみ!

D8出口が、「東京交通会館」につながる出口になります!(⑤)

 いかがでしょうか? 前回までにご紹介した4つのメインルートに加え、今回のショートカットコースまで覚えたら、丸の内地下はもう庭みたいなモノ。これで貴方もダンジョンマスターです(笑)

 ちなみに地図をよーく見てもらえれば他にもショートカットコースはあります。隠し通路を探す気持ちで、自分だけのマイルートを探してみるのも面白いはずですよ!

 そうそう、ショートカットコースはビルの中を通るので通行可能時間には注意してくださいね。

 次回は、古くからある丸の内地下のスポットを巡りながら、歴史に想いを馳せてみます!

文/きりぼうくん

超高層ビル、タワーマンション、駅ビル、地下街、再開発ネタを発信する「超高層ビル・都市開発研究所」の運営をしているブロガー。デベロッパー、ゼネコンのニュースリリース、さらには内閣府や都道府県など行政機関が出す情報を得て、現地を実際に巡るスタイルで取材。記事は9年間ほぼ毎日更新。Twitterでもアツく情報を投稿し、フォロワーは約3.6万人に及ぶ筋金入りの都市開発マニア。

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