無料で読める「丸岡城を救った人々」を描いた公式漫画がかなりプロジェクトXで胸熱

 「現存12天守」とは、日本のお城の天守のうち、江戸時代以前に建設され現在まで残っているものを指します。それぞれ築城当時の天守というわけではなく修復や再建されたものとはいえ、どのお城もよく天守が残っているなあと思っています。今私たちが天守を見られるのも、後世にお城を残そうと尽力した人たちのおかげですよね。

 そんなお城の一つ、福井県「丸岡城」の天守を守ろう、と立ち上がった人々の活躍がこのたび漫画になりました。丸岡城のある坂井市の公式サイトにて、誰でも無料でダウンロードすることができます。読んでみるとこれがかなり胸熱で、お城版プロジェクトXな内容なので、ぜひ一読をおすすめしたいです!

民に愛される地元のシンボル

 丸岡城は柴田勝家の甥、勝豊が築城したお城です。丸岡城は1871年に廃城令が出された後もしばらくまちの人々が守ってきましたが、1948年の福井地震で天守が倒壊してしまいました。修理費もなくそのまま取り壊されてしまうかと思いきや、丸岡出身の事業家や国から派遣された一級建築士、当時の町長らが立ち上がり、天守の再建に踏み切ります。

 丸岡城は廃城令が出た後も町民たちによって寺院や公会堂として使われてきました。この地で暮らす人々にとって、お城は身近な存在で、そこにあって当たり前の“まちのシンボル”ともいえるものだったのかもしれません。例えばこれが東京を舞台にした東京タワーの取り壊しの話だったらと考えると、そりゃあクラウドファンディング的なものも立ち上がるよな…と。

 漫画は丸岡城のある福井県坂井市の学習教材として市内の小中学校に配布されたほか、県内の図書館や大学図書館にも配布されています。坂井市の公式サイトでもPDFで全編公開されているので、私もさっそく読んできます!

マンガはこちらから読めます(坂井市公式サイト)


丸岡城お天守物語
判型・ページ数:A5サイズ、40ページ
作画:蒼田山
発行部数:3,000部


文 / 風都ナツメ(LoveWalker編集部)

東北出身。
ゆるく御朱印集めを趣味にしています。その流れで御城印も少しずつ収集中。


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