Xトレンド解析「戦国LOVEWalker」最新・戦国クチコミ

大河の主役・豊臣秀長がまさかの順位!? X発「戦国武将ランキング」最新トレンドを読み解く

 12月22日に刊行される『戦国LOVEWalker2026』は2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主人公である豊臣秀長と豊臣秀吉の天下人兄弟にスポットを当てている。豊臣秀吉はこれまでにもサクセスストーリーの体現者として人気を集め、多くのエンタメ作品に登場しているが、豊臣秀長は補佐役として生前から高い評価を得ていたものの、これまで話題の中心になる機会が少なかった。では、大河ドラマ放送決定でその注目度はアップしたのだろうか。

 そこで、今回は直近半年間にX(旧Twitter)上で言及された「戦国武将ランキング」をもとに、そのトレンドを読み解いていく。なお、今回のランキングでは戦国武将のほか、その周囲にいた人物、武将の妻や娘、文化人など戦国時代に活躍した人物を集計の対象に含めている。

順位 人物名 話題流通量
投稿数/
アカウント数
男性:
女性比
ポジ:
ネガ比
主な共起語
(その共起語がXでの投稿全体に占める比率)
1 徳川家康 112,426
66%
34%
27%
7%
どうする家康(7%)、松本潤(6%)、石田三成(6%)、大河ドラマ(5%)、豊臣秀吉(5%)
2 織田信長 84,274
63%
37%
23%
5%
本能寺(8%)、明智光秀(7%)、大河ドラマ(7%)、小栗旬(7%)、豊臣秀吉(6%)
3 伊達政宗 67,438
58.%
42%
30%
5%
仙台(15%)、大逆転(12%)、カーニバル(10%)、大河ドラマ(10%)、渡辺謙(8%)
4 豊臣秀吉 51,153
75%
25%
15%
6%
大河ドラマ(14%)、キリスト教(11%)、徳川家康(11%)、織田信長(11%)、豊臣兄弟!(10%)
5 弥助 48,736
80%
20%
29%
9%
アサシン クリード(17%)、アフリカ(14%)、侍(13%)、デマ(9%)、ゲーム(9%)
6 石田三成 47,885
61%
39%
26%
3%
関ヶ原(14%)、徳川家康(13%)、関ヶ原の戦い(12%)、大谷吉継(7%)、勝利(7%)
7 森蘭丸 30,417
27%
73%
19%
1%
ババンババンバンバンパイア(65%)、吉沢亮(40%)、映画(34%)、楽しみ(25%)、配信(14%)
8 宮本武蔵 29,633
77%
23%
17%
11%
刃牙道(13%)、Netflix(13%)、アニメ(10%)、Fate/Grand Order(9%)、英傑大戦(8%)
9 明智光秀 25,009
60%
40%
30%
5%
織田信長(25%)、本能寺の変(19%)、動機(9%)、本能寺(7%)、岐阜(7%)
10 森長可 22,775
56.%
44%
12%
1%
転売屋(33%)、Fate/Grand Order(22%)、ババンババンバンバンパイア(14%)、英傑大戦(10%)、プレゼント(10%)

「戦国時代の人物」言及数ランキング、TOP10の表。右端の「共起語」とは、スポット名とともにつぶやかれたキーワード。

Xデータでわかった「戦国時代の人物」TOP5を分析!その魅力とは?

 では、Xでの投稿数でTOP5にランクインした人物名を見ていこう。

 1位は安定の「徳川家康」。投稿数は半年で11万件を超えている。

 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康のいわゆる「戦国三英傑」は戦国武将のポスト数ランキングで常に上位にランクインする存在だ。その時の話題によって、三英傑のうちだれが1位になるかは異なるが、今回徳川家康が1位を獲得した要因は家康が生きていた時代の駿府城絵図が新発見されたという歴史学の話題から大河ドラマ『どうする家康』や『英傑大戦』などのゲームへの登場などのエンタメ分野での話題まで多岐にわたっている。

 特に算出期間中には大河ドラマ『どうする家康』で徳川家康を演じた松本潤さんが8月30日に誕生日を迎えたことから家康関連の施設やアカウントによるお祝いメッセージが投稿され、ファンにシェア・拡散されていた。

 2位の織田信長は「本能寺の変」が算出期間中の6月2日に起きたことから多くのアカウントに言及されている。さらに、大河ドラマ『豊臣兄弟!』で織田信長を演じる小栗旬さんが、豊臣秀長を演じる主演の仲野太賀さんとともに10月19日に行われた「名古屋まつり」パレードに参加して注目を集めるなど、こちらもエンタメ関連の話題に事欠かない結果となっている。

 3位の「伊達政宗」は9月5日に誕生日を迎えたことで投稿されているほか、関連して大河ドラマ『独眼竜政宗』に本人の遺骨が登場したなどのトリビアがシェア・拡散されている。

 また、松平健さん主演の舞台『戦国武将誉賑(大逆転!戦国カーニバル)』で伊達政宗を演じた立花裕太さんの写真付きの投稿も複数拡散されてポスト数が増えている。

 そのほか、4位「豊臣秀吉」は大河ドラマ『豊臣兄弟!』のクランクインを告げるポストや関連イベントの様子が注目されているほか、5位の織田信長に仕えたとされるアフリカ出身の男性「弥助」は『アサシン クリード シャドウズ』の主人公に「黒人の武士」として採用されたことで注目を集めた。なお、ゲーム内での弥助の描写に端を発する、史料に基づかない日本の歴史に関する風説が流布されている問題も大きな批判を集めた。

 TOP10位内では他にも、毎年関ヶ原の戦いの起きた9月15日に繰り広げられる、石田三成のパロディアカウント(@zibumitunari)が今年こそ西軍を勝利させようとする一連の流れが注目を集めて6位にランクイン。また、7位には吉沢亮さん主演の映画『ババンババンバンバンパイア』に450歳の吸血鬼として登場することから「森蘭丸」がランクイン。同じく吉沢さん主演の映画『国宝』のヒット効果で作品に注目が集まった。

戦国時代の人物ランキングTOP11~100

 こちらでは「戦国時代の人物ランキング」11位~100位までを紹介する。

 大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主役である「豊臣秀長」は14位にランクイン。「豊臣秀長」は豊臣秀吉の弟でその補佐役に徹した人物。このほど大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主人公に採用されたことで一躍注目を集めたが、直近半年のポスト数ではTOP10には及ばない結果となっている。

 そのほかにも33位「藤堂高虎」をはじめとする8名の人物が『豊臣兄弟!』でのキャスティング発表が要因でランクインしているほか、13位「松永久秀」、17位「千利休」など6名の人物が人気ゲーム『Fate/Grand Order』がポスト数の要因となっている。さらに、16位「帰蝶」など5名の人物が人気スマホゲーム『モンスターストライク』に登場したことがランクインの要因となっている。

順位 人物名 投稿数 アカウント数
11 武田信玄 22,719
12 上杉謙信 20,719
13 松永久秀 19,841
14 豊臣秀長 13,396
15 真田信繁 13,320
16 帰蝶 10,305
17 千利休 10,027
18 片倉小十郎 9,662
19 前田慶次 9,628
20 大谷吉継 9,404
21 服部半蔵 8,338
22 加藤清正 8,280
23 天草四郎 8,146
24 本多忠勝 8,077
25 黒田官兵衛 7,258
26 佐々木小次郎 6,677
27 今川義元 6,071
28 駒姫 5,685
29 柴田勝家 5,610
30 風魔小太郎 5,599
31 加藤段蔵 5,420
32 立花宗茂 5,398
33 藤堂高虎 5,349
34 毛利元就 5,248
35 島津義弘 5,120
36 直江兼続 5,071
37 宇喜多秀家 4,957
38 細川ガラシャ 4,950
39 足利義輝 4,808
40 豊臣秀次 4,779
41 立花誾千代 4,772
42 愛姫 4,734
43 前田利家 4,678
44 石川五右衛門 4,220
45 島左近 3,961
46 最上義光 3,844
47 毛利輝元 3,745
48 細川忠興 3,641
49 小早川秀秋 3,630
50 井伊直政 3,520
51 酒井忠次 3,356
52 真田昌幸 3,297
53 豊臣秀頼 3,256
54 浅井長政 3,243
55 三浦按針 3,212
56 福島正則 3,175
57 三好長慶 3,069
58 大友宗麟 2,900
59 丹羽長秀 2,754
60 長宗我部元親 2,749
61 支倉常長 2,747
62 結城秀康 2,664
63 竹中半兵衛 2,656
64 井伊直虎 2,620
65 猿飛佐助 2,562
66 黒田長政 2,534
67 武田勝頼 2,452
68 お市の方 2,363
69 上杉景勝 2,297
70 山内一豊 2,095
71 徳川秀忠 2,038
72 細川幽斎 2,026
73 北条早雲 2,015
74 石川数正 1,814
75 島津豊久 1,776
76 蒲生氏郷 1,725
77 本願寺顕如 1,623
78 滝川一益 1,610
79 斎藤道三 1,583
80 浅野長政 1,514
81 池田輝政 1,490
82 豪姫 1,463
83 朝倉義景 1,461
84 北政所 1,454
85 小松姫 1,449
86 榊原康政 1,426
87 小早川隆景 1,367
88 山本勘助 1,358
89 足利義昭 1,314
90 出雲阿国 1,300
91 高山右近 1,229
92 北条氏康 1,209
93 小西行長 1,156
94 佐久間盛政 1,150
95 立花道雪 1,146
96 大村純忠 1,139
97 古田重然 1,093
98 真田信之 1,075
99 鳥居強右衛門 1,038
100 宇喜多直家 1,036

 今回のランキングからは、戦国武将が注目を集める背景として、歴史そのものや重厚な歴史小説よりも、大河ドラマをはじめとした映像作品、ゲーム、コミックといったサブカルチャーの影響が大きいことが見えてくる。Xユーザーにとって戦国武将は「歴史上の人物」という枠を超え、より身近で、感情移入しやすい存在として受け止められているのだ。

 さらに、来年には戦国時代を舞台とした大河ドラマ『豊臣兄弟!』の放送が控えており、関連書籍やエンタメコンテンツの展開が一層加速することが予想される。今後も戦国時代をめぐるポストの動向から目が離せない。

エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀からひとこと

 さすが、三英傑、そして独眼竜、ゲーム関連といったところで、豊臣秀長はこれから。しかし、既に、共起語などでは、大河ドラマ『豊臣兄弟!』がフックになってきていて、年末、そして年明けのドラマのスタートに向けて、仲野太賀への関心もどんどん高くなっている。戦国関連のクチコミは継続的に追いかけるので変化が楽しみだ。

データ詳細

今回の集計の詳細は以下のとおり。
集計期間:2025年5月1日~2025年10月31日
解析対象:「戦国時代の人物」を含むX(旧Twitter)上での投稿
抽出件数:965,822件(上位30位までの総投稿数)

角川アスキー総合研究所は2015年に、東京大学生産技術研究所喜連川・豊田研究室と、アジア圏で唯一ツイートデータの全量を取り扱うことができるNTTデータ、そしてTwitter Japanと共同で「Twitterトレンド解析システム」を開発した。それ以来、当社が持つエンターテインメント用語辞書(300万語以上)に収録されたワードをもとに、日本国内でのエンターテインメント分野に関するツイートを対象にした解析を行っている。

 解析内容としてはツイート内でのワード出現傾向の分析に加えて、ツイートテキストを対象にした投稿者の推定属性情報(NTTデータ提供)や、各種統計データなどを組み合わせた分析などを行っており、報道機関や、企業・自治体等に幅広く活用されている。なお、「X(旧Twitter)トレンド解析システム」によるXのリアルタイムな集計結果は、「ついラン」でも見ることができる。

『戦国LOVEWalker2026 ウォーカームック』

発行:株式会社角川アスキー総合研究所
発売:株式会社KADOKAWA
発売日:2025年12月22日
定価:1,760円 (本体1,600円+税)
ISBN:9784049112979
サイズ:A4判/100ページ
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【目次】 千田嘉博先生インタビュー:「武将たちがあこがれた城」
特集:秀吉・秀長の城(長浜城、姫路城、郡山城、聚楽第、肥前名護屋城など)
特別企画:深掘り 大阪城ガイド
特別企画:有馬温泉
大河ドラマ特集(主演インタビュー、ドラマ紹介、仲野大賀さんインタビュー)
戦国メタ散歩:金沢城、三方原の戦い、河越城の戦いなど

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