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フードロスへの取り組みも! 横浜中華街×横浜市大&関東学院大の「未来と一緒に未来をつくる」始動中‼

横浜市立大学 国際商学部 国際商学科 柴田典子准教授とゼミの資料の一部

 皆さんの学生時代、どんなだったか覚えていらっしゃいますか? 僕はもう30年くらい前のことなので、細かいことは忘れちゃいましたが、思い出してみると、アルバイトと遊んだ記憶しかありません。勉強していた記憶がほとんどないのです。本当に自分が大学に行っていたのか、心配になるくらいです(大丈夫か、オレ⁉)。

 横浜中華街では、昨年(2021年)から「未来と一緒に未来をつくる」をコンセプトに、学生の方たちと街づくりを行うプロジェクトに取り組んでます。

 学生に対し社会貢献として実学の場と機会の提供することで、プロジェクトを通して彼ら/彼女らから得る気付きを街づくりに実装し、時代に即した成長をするとともに、横浜中華街のファンを増やしていきたい、と思ってこの取り組みを始めました。

関東学院学の学生さんにインタビュー受けました。怖い顔しています…。ちょっと緊張しています…

 簡単に言うと、横浜中華街のことをもっとよく知ってもらって、もっと好きになってもらいたいって思っているんです。そして、学生の皆さんの視点で「もっとこういう風にしたらいいんじゃない?」とか「ココ、直したほうがいいんじゃない?」といった気付きがあれば、どんどん言ってもらいたいわけです。

 例えば、誰かを好きになったとして、好きになる前にその人のことをもっと知りたいって思いますよね? その人のことを何も知らずに好きになることってないと思うんです。「ひと目惚れ」だって、最初一瞬にして心を掴まれた後に、知れば知るほどもっともっと好きになっていくんだと思います。会った瞬間から大好きになって(例えば)結婚するってならないと思うんです。まぁ、そういうケースも稀にはあるかもしれないとも思うんですが。。。

 惹かれ合って付き合っていくうちに、その人のことを知っていく過程で「好き」が濃縮されていくんじゃないのかなと僕は思うんです。「この人のここをもう少し直してほしいな」ってことありませんか? ちっとも関心がない人に言われても心は動きませんが、好きな人から言われたら、考え直しますよね? お互いそうしたところを直していきながら歩み寄っていって、もっとさらに相手のことを好きになるんじゃないですかね? そうして恋が愛に変わっていくんじゃないかと。

 あー、恋愛っていいなー。おじさん忘れちゃったなー。

 おっと、だんだんと話がずれました(汗)。

 僕が言いたいのは、相手が人であれ街であれ、そのプロセスは一緒だということ。この街を誰かに好きになってほしいと思うのであれば、まずはより深く知ってもらわないといけないということなんです。理想を設定し、現状から理想に向かうまでに課題があるなら、その解決方法も一緒に考えていってもらえたら皆がハッピーですよね。

 本プロジェクトは、昨年度に関東学院大学と横浜市立大学の2大学とトライアル実施をし、大きな成果を得て、本年度から本格的に取り組んでいます。

 例えば、横浜市立大学では、4つのゼミが関わってくれています。今回は、そのうちの一つのゼミの事例を紹介させてもらいます。

 国際商学部 国際商学科の柴田ゼミ(マーケティング)は横浜中華街をさまざまな視点から調査をし、現状分析を行なった上で、調査結果に基づき、中華街らしさの具現化とSDGs貢献の両立を目指したブランド戦略について提案していただきました。具体案としてフードロス軽減につながる持ち帰り文化の普及や、公式SNSの運用改善案についての提案をしてもらいました。

 このフードロス軽減の提案というのがすごいんです。

国際商学部 柴田ゼミの皆さん

 街でリサーチやヒアリングをした結果、学生は、中華街に元々伝統的に残っている「打包(ダーパオ)」という風習に注目してくれました。僕たちは、中華街で会食した際に食べ物が残ると「これ、打包(ダーパオ)お願いします」とか「パオして」といいます。これは食べ残ったものを持ち帰るように包んでくださいという意味です。

 本場中国では、おもてなしをする際は食べきれないくらいたくさん料理を用意するという文化があります。用意された料理を全て食べきってしまうと、おもてなしをしている側は「お腹いっぱい食べられていないのかな」って解釈しちゃうんです。なので、無理をして全て食べ切るのではなく、少し残すことが相手への配慮になります。(※)

 でも日本は違いますよね。出された料理を食べきれなかったら、作ってくれた方、もてなしてくれた側にも失礼に当たる。この「もったいない文化」が日本の中華街には古くから「打包」として定着しているんです。これをもっとお客様に知ってもらうことで、街全体のフードロス低減に役立てようという試みです。

お持ち帰り(打包)プロジェクトのPOP。学生の皆さんによるお手製です。

 環境省も「mottECO(モッテコ)」という取り組みを推奨しています。

 mottECOとは食べきれなかった料理を、お客様の自己責任においてお持ち帰りいただくというものです。全国チェーンの飲食店などでもこの取り組みがはじまっています。

 環境にも、お店にも、お客様にも、そして持ち帰ったおみやげを食べるであろう人たちにもみんなに優しいサービスです。まだ実証段階途中ですが、実験をしている店舗では早くもいい結果が得られているようです。

 中華街で持ち帰りができることを知らない人も多いだろうし、「持ち帰りたい」と言い出すのが恥ずかしかったりしませんか?

  でもテーブルにPOPが置かれていたり、メニューにも書いてあったら堂々とお願いできます。そもそもアンケートの結果では、食べ残しを持ち帰りたいと思ったことがある人は8割近くいて、実際に持ち帰ったことがある人は35%、半数くらいの方は持ち帰りできることを知らなかったんだとか(リクルート調べ)。

 このゼミでは、このフードロスの提案のほかにもSNSの改善案やお店探しの課題を解決するアイデアに取り組んでもらっています。

 実際に動き始めるいただいたアイデアの数が、なんと多いこと(@_@;)! 一つ一つのアイデアを読むだけでも大変だったんですから、それらをアイデアシートにまとめるのはさらに大変だったでしょうに。。。(君たち、勉強ばかりしないでもっと遊びなさい)

 今回は一つのゼミだけを取り上げましたが、横浜市立大学では、ほかにも3つのゼミもそれぞれの課題を挙げてくれて、それぞれ取り組んでもらっています。

横浜市立大学 国際教養学部 国際教養学科 有馬貴之准教授と有馬ゼミの皆さん。

 関東学院大学では、後期の授業で本格的にプロジェクトが始まりますので、これについても機会を改めて取り上げたいと思います。なんせ、関東学院大学は僕の母校でもありますし‼

 「人になれ奉仕せよ!」(←校訓

 それに、来年(2023年)には、関内に新キャンパスができますし‼ いずれ、皆さんに報告をさせていただきますので、乞うご期待!!

関東学院大学との連携より。怖い顔してます…。でも、緊張してるんです…。

 今ご一緒している学生の皆さんは、いずれご卒業され、ある方は就職し、ある方は引き続き勉学に励まれたりするでしょう。そしてその中には、ご結婚されてお子様がお生まれになる方もいるでしょう。人それぞれに人生のステージが移っていきます。

 もし学生のころに横浜中華街をテーマに勉強をして、詳しくなっていたら、そのそれぞれのステージの各シーンで中華街を思い出してくれて、あるいは利用してくれたりするんじゃないかって思うんです。

 「この店、アンケートに協力してくれたお店だ!」とか、「実証実験でお世話になったお店」とか、「自分たちのアイデアが採用されたお祭り」といった記憶があったら、どんどん家族や知人に紹介してくれると思うんです。学生の皆さん、それぞれみんなが誇りに思う、自慢する横浜中華街になれたら素敵だなーって思うわけです。

横浜中華街でインタビューをしている横浜市立大学 柴田ゼミの学生さん

横浜市立大学の学生さんが、自作看板を背負って活動中!

 横浜中華街は学生の皆さんの柔軟なアイデアを組み込みながら、さらに歴史や伝統文化を磨き上げ、魅力ある街であり続けたいと考えています。

 さーて、おじさんも今からもっと勉強するぞーっ!!

※2021年4月2日に食べ残しを禁止する法律「反食品浪費法」が可決されたことにより、中国の文化も変わりつつあります。

 さて、皆さんお待ちかね #ボス飯 コーナーです。

 本日は蘇州小路(そしゅうこうじ)にある老舗「青葉」さんの高菜そばとチャーハンのセットをご紹介します。

 「青葉」さんは台湾家庭料理のお店。このお店は、横浜中華街でも数少ない優しい味付け‼ でもダシをしっかり取っているので旨味はしっかりあります。野菜をたっぷり使ったメニューや薬膳のメニューなどとってもヘルシーなのもうれしいです。この高菜そばは日替わりランチ(1000円)だったのでいつもあるとは限りませんが、あったらぜひ味わってみてください‼

◆店舗DATA
店名:青葉
住所:横浜市中区山下町97【蘇州小路】
電話:045- 663-3770
営業時間:11:30~22:00(LO 21:40)
※現在新型コロナウィルスの影響のため営業時間に変動あります。
 事前にお電話にて直接お問合せ。
休み:月曜 ※祝日は営業。翌平日休
公式サイト:https://www.chinatown.or.jp/shop/%E9%9D%92%E8%91%89/
食べログ:https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140105/14007272/

◆横浜中華街公式SNS

文/石河 陽一郎

 いしかわ よういちろう。1972年生まれ。株式会社ロウロウ・ジャパン代表取締役・総合プロデューサー。横浜中華街発展会協同組合副理事長。茅ヶ崎出身、横浜市在住。幼少期をシンガポールで過ごす。趣味はシステマ、焚き火。

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