日枝神社:ビジネスマンが多く参拝している理由が分かった「縁結び」の神社

満を持して日枝神社へ

 日枝神社では、比叡山の「大山咋神(おおやまくいのかみ)」という山や水を守る神様を祀っています。鎌倉時代に大山咋神を祀ったことから始まり、その後江戸城内、江戸城外と場所を移し、1659年に現在の場所に社殿が作られました。
 私が訪れた平日14時半頃は、ビジネスマンや年配の方々、観光客風の人、外国人などさまざまな参拝客の姿があり、にぎわっていました。ビジネスマンが多いのは想像していたとおりですが、外国人はちょっと意外。ガイドブックなどで紹介されているのかな。参拝の仕方とか分かるのかな。でも私もあまり調べずにタイのワット・ポーに行ったことがあるので、似たようなものかもしれません。

日枝神社の正面

日枝神社の正面。外堀通りを衆議院議員会館方面に曲がっていくとあります

日枝神社の本殿

本殿。空襲でほとんどの建物が焼失し、1958年に再建されました

 主典の佐々木英壽さんに、創建の歴史について話を聞きました。

「資料がないので詳しいことは分からないのですが、比叡山の日吉大社から分かれて日枝神社の元になったと言われています。比叡山には猿が多く住んでいて、その縁からここでは猿を御祭神のお使いとして「神猿」(まさる)と呼び、『狛犬』ではなく『狛猿』を置くなどしているんです。『まさる』の語呂から『魔が去る』『勝る』、『猿』は『えん』とも読みますので『良い縁』にご利益があると言われています」

日枝神社の駒猿

本殿の右側にいるのが父親の神猿

日枝神社の駒猿

本殿の左側には母親の神猿が。こちらは子猿を抱っこしています

日枝神社境内の神猿像

境内に入ってすぐのところにも木彫りの神猿像があります。ここに鎮座している像は人型のイメージがあるのでめずらしい

 こちらには八坂神社、猿田彦神社、山王稲荷神社のお社もあります。八坂神社は大山咋神の祖父神、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀っています。猿田彦神社は、日枝神社が現在の地に移されたときに庚申堂として祀られたことが始まりだそう。
 佐々木さんは「猿田彦は天狗に似ているという話があります。天狗は猿に似ていたとも言われますので、縁を感じますね」と話してくれました。
 山王稲荷神社は、この境内で空襲を免れた唯一の社殿とのこと。すぐそばの稲荷参道には奉納された千本鳥居が並んでいます。

日枝神社にある猿田彦神社と八坂神社

猿田彦神社と八坂神社は一つのお社に祀られています

日枝神社にある山王稲荷神社

山王稲荷神社の様子

日枝神社の鳥居型絵馬

鳥居型の絵馬が可愛い

日枝神社の千本鳥居

千本鳥居がある階段を上ってくる方もちらほら

 江戸城や徳川家の屋敷にも近い場所に、この広さの境内を構えているのはすごいことなのでは。なぜこの永田町に最終的に日枝神社が建てられたのか、佐々木さんに尋ねました。
「このエリアは“溜池山王”と言われるように、ため池があったので、火事などが起こっても安心とされていました。また、日枝神社が建っているところは“星ヶ丘の地”と呼ばれていたそうで、周辺と比べて少し標高が高いんですね。山そのものがご神体として信仰されていたり、高いところには神様がいると言われますので、そのあたりが理由かと思います」(佐々木さん)

日枝神社の参道

確かに参道の階段を登り切って見下ろすと、結構な高さなことが分かります

日枝神社の参道

外堀通り側にはエスカレーターを設置。足腰に自信がない人でも安心!

 日枝神社の御朱印は全部で5種類。復刻御朱印として明治時代や昭和時代の御朱印もいただくことができますが、私は初めての参拝なので令和版をセレクト。書置きタイプを選んだら、ミニクリアファイルとストラップもいただいちゃいました。

日枝神社の御朱印

ストラップにも猿のイラストが描かれています

 お話を聞いて、仕事運というよりは縁結びのご利益があるなと感じたので「お仕事との良いご縁」を願ってきました。ビジネスマンが多く訪れているのも、ご縁を願ってのことなのかもしれません。私にも良いご縁がありますように!

日枝神社
住所:東京都千代田区永田町2丁目10-5
公式サイト:https://www.hiejinja.net/

今回の歩数は9,070歩

 乃木坂駅から日枝神社まで、なんと9,070歩! この連載を始めて一番、1万歩に近かった! 青山通りや外堀通りは歩道の幅が広いので安心して歩くことができますし、周辺に木々も多く見られるのでお散歩としても気持ち良いと思います。さて、次回はどこに行こうかな。


文 / 風都ナツメ(LoveWalker編集部)

東北出身。
ゆるく御朱印集めを趣味にしています。その流れで御城印も少しずつ収集中。

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