みなさんこんにちは!
横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。
第48回は、「うみファーム」と「ふれあいラグーン」で、魚や鯨類、鰭脚類などの飼育を担当する野村俊介がお伝えします。
「うみファーム」は、「観る」「知る」「獲る」「食べる」を通じて人が自然の海とふれあい、共に成長していく「海育」をテーマにした自然の海の水族館です。
自分で釣った釣りたての海の魚を食べられる食育体験や、海の生きものにふれたり、季節によって変わる海の中を観察できる、東京湾に浮かぶ施設ならではの貴重な体験ができる施設です。今回は先月までうみファームで実施していたイベントを中心にご紹介していきます。
まずは、3月1日~31日に実施していた「ワカメ収穫体験」について!
皆さんは横浜の海にも自然のワカメがいるって知ってましたか?そして実はシーパラでも、うみファームで毎年ワカメを育てているのですが、後でご説明するシーパラファンの方々の間では知る人ぞ知る人気イベントの主役なのです。
ではなぜ、ワカメを育てているのかというと、一般的にはワカメというと食べ物の一つなのだと思いますが、ワカメが海で生育すると、環境にとってとても良いことが起こるんです。例えば、ワカメは様々な生きものたちの住みかとなるシェルターの役割を果たし、海中の窒素やリンなどの栄養塩を吸収して育つため水質浄化にも貢献しています。
そして、光合成です!さあ、はるか昔に学んだことを思い出しながらお読みください。光合成とは光のエネルギーを使い二酸化炭素を材料に有機化合物を生成することですね。簡単に言うと生物が二酸化炭素を吸収してくれるんですね。
ここでピンときた方は素晴らしいです!
ワカメなど海藻は「二酸化炭素を減らしてくれている」=「地球温暖化を緩和してくれている」ということになるのです!これは、海の中の生きものが海中の二酸化炭素を減らしてくれているので、青い炭素、『ブルーカーボン(Blue carbon)』という世界共通の呼名があることもぜひ知っておいてくださいね!(陸上の木々によるものはグリーンカーボンといいます)
さてさて、そういうわけで昨年12月にわずか5㎝程度だったワカメの苗をロープに植え付けを行ってから約3か月、成長したワカメを収穫する「ワカメ収穫体験」が3月1日~31日の期間で行われたのでした。収穫したワカメはお持ち帰りし食べていただくことができるので、収穫したてを味わうことができます。
ご参加の皆さまは、ワカメの生い茂ったロープを海中から引き揚げ、キッズたちはワカメにくっついて暮らす小さなカニなどの生きものに大興奮!“見て!触れて!食べて!学ぶ!”まさしく「うみファームな体験」を楽しまれていました。生ワカメの美味しさを知り、リピート参加する大人の方も沢山いらっしゃる本イベント。来春も実施すると思いますので今年「収穫デビュー」していない方は、ぜひご参加してみてください!!
次にご紹介するのは、この時期といえば、の「ギンザケ釣り」です。うみファームでは冬限定の釣り魚種としてギンザケを釣って食べることができるんです。当館ではギンザケの産地を厳選し、ブランド魚種も扱っている宮城県の養鱒場から搬入しています。
毎年12月頃から始めるギンザケ釣りですが、この時期の特徴は“でかい!釣る楽しみ!美味しい!”です。数々の釣りエサを避けて生き残ってきたサバイバーギンザケたち。大きなもので30cmを超えています!大きければ警戒心も引きも大きいので釣ったときの喜びもBIGになります!そして大きいほど脂がのって美味しくなります!
ギンザケ釣りは水温があがってきてしまうと終了です!もう終盤!横浜でサケを釣って食べる体験ができるなんて!釣れたてをサクサクふわふわのフライにしてご提供!終了してしまう前にぜひ体験してみてください!!
うみファームではこのように様々なイベントを実施!生きものや地球の未来について考えていただく機会を提供しています。魚のおいしさを知り、楽しく海や生きもののことを体験できる「うみファーム」、どうぞ足を運んでみてください。
文:野村俊介。広島県出身。2006年入社。現在はうみファームとふれあいラグーンで魚や鯨類、鰭脚類などの飼育を担当。海に潜るのがライフワーク。
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