クラシック初心者3年生、「ラ・フォル・ジュルネ2025」の歩き方。
2025年04月25日 12時00分更新
もうすぐやって来るゴールデンウィーク。ここ3年の私にとってのゴールデンウィークといえば、ラ・フォル・ジュルネ TOKYO(LFJ TOKYO)。一昨年初めて訪れ、昨年も楽しみ、そして今年も盛り上がる予定です。
ラ・フォル・ジュルネ TOKYOとは、東京国際フォーラムを中心に毎年ゴールデンウィークに行われるクラシック音楽祭。「3年連続でクラシック音楽祭に行く」というとかなりのクラシック好きかと思われそうですが、まったくそんなことはありません。完全なるクラシック初心者です。
今年でラ・フォル・ジュルネ3年生となる私ですが、正直なところクラシックに詳しくなったり、演奏の良し悪しがわかるようになったりはしていないのですが、LFJを訪れるとクラシックっていいかも、音楽って楽しいな、という気持ちにさせられるんです。今回は、クラシック初心者が2年連続でLFJを訪れて感じた、初心者なりの楽しみ方をお伝えしていこうと思います!
迷ったらとりあえず「ホールA」!
有料公演だけでも90もの公演数があるLFJ。クラシック初心者的には「どれを聞きに行ったらいいのかわからん…!」というのが本音ですよね。2年通った私が言えるのは、「とりあえずホールAを選んでおけば間違いない!」ということ。
ホールAは約5,000席を有し、東京国際フォーラムのなかでも一番大きなホール。
クラシックコンサートに行き慣れていない身としては「立派なホールでクラシックを聞いている」という状況だけで、背筋が伸びるような気持ちになりますし、テンションも上がります。
そしてこれだけ大きなホールでの公演ですから、出演アーティストや曲目も、自然とメジャーで人気の高いものとなります。ある意味初心者にとっても“わかりやすい”公演となっているように感じました。初めてのクラシックでも、大きなホールで生の音を体感して、楽しめるプログラムばかりです。
そして、ホール内の大きなスクリーンに、奏者や指揮者が映し出されるのも嬉しいポイント!
オーケストラのような大人数が出演するコンサートって、正直どこを見ていればいいのかがわからないんですよね…。でもスクリーンがあれば、映し出される出演者の表情や指の動きを見て、目でも楽しむことができます。出演者たちの真剣なまなざしを見ていると、こちらもより一層音楽に真剣に向き合うような気持ちになって、ますます引き込まれていきます。
というわけで、クラシック初心者の方々には「迷ったらとりあえずホールA!」。これをおすすめしたいです。まだまだ初心者から抜け出せていない私も、ホールAのコンサートはマストで聞きに行きたいと思います!
無料のキオスクステージで好みのアーティストに出会う
期間中、周辺エリアも含め多くのスポットで無料公演も行われるLFJ。なかでも、東京国際フォーラムの地上広場で行われる「キオスクステージ」という屋外ステージはLFJの名物。チケットの半券なども必要なく、完全に無料で観られるコンサートで、毎回多くの聴衆を集めています。
ステージの近くには椅子があり座って聴くこともできるのですが、人気のあまり席は早々に埋まっていることが多いです。ですが、周辺で立ったまま音楽にノッてみたり、近くのキッチンカーで購入したフードを食べつつ音楽に耳を傾けたり、どんなかたちでも楽しめます。
そして、このキオスクステージで注目なのが「サプライズコンサート」。アーティストと曲目は当日に発表されるのですが、なんとLFJの有料公演に出演するアーティストが演奏してくれることもあるんです!
昨年、LFJ 2024初日の5月3日に、わたしもサプライズコンサートを聴くことができました。その時の出演者はエリプソス四重奏団。サックスの四重奏を行うアーティストです。
ソプラノサックス、アルトサックス、テノールサックス、バリトンサックスという4つのサックスで演奏するのですが、サックスという楽器だけでこんなにも重厚感と奥行きのある音が奏でられるのかと驚き! 場の空気を掴む力も圧倒的で、聴衆が一気に引き込まれて行くのがわかりました。
私も気づけば手拍子を打ち、彼らの演奏に心を奪われてしまいました。昨年は彼らの有料公演を観ることはかなわなかったのですが、今年のLFJにも出演すると知り、「これは絶対聴きに行かなくては!」とチケットをゲット。今年はエリプソス四重奏団の演奏を、有料公演でじっくり楽しもうと思ってます。
このように、キオスクステージのサプライズコンサートで、好みのアーティストに出会えることも。好きなアーティストを見つけられれば、LFJをもっと楽しめるはず!
LFJってホントに子連れ大歓迎なんだ!
私がLFJを初めて訪れたのは2023年。そのとき最初に感じたのは「子連れ率、高っ!」ということでした。
私は東京国際フォーラムへ向かう際、地下鉄を利用して、地下でつながっている入り口から館内へ入るのですが、電車のなかですでに「小さい子連れの家族が多いなあ…」と思っていました。ゴールデンウィークだし、家族そろってお出かけかな、と思っていたのですが、降りる駅がみんな私と一緒。そしてみんな東京国際フォーラムへ向かっていくのです。「え、みんなラ・フォル・ジュルネへ行くの…!?」と驚きました。
LFJが子供も大歓迎のクラシック音楽祭を謳っていることは知っていました。ですが、子供と一緒に家族そろってクラシックを聴きに行く…ってなんだかかなりハイレベルなご家庭な感じがしませんか? なので、実際にこんなにたくさんの家族連れがいるとは思っていなかったんです。
3歳以上から入場できるコンサートが用意されているほか、「キッズのためのオーケストラ・コンサート」というプログラムや、なんと0歳から入場できる「0歳からのコンサート」というプログラムまであるLFJ。この「キッズのためのオーケストラ・コンサート」と「0歳からのコンサート」は、皆で音楽に合わせて体を動かしたり、司会者によるわかりやすい解説があったり、子供たちが楽しめる仕掛けがたっぷり。
私も昨年や一昨年、これらのコンサートを鑑賞したことがあるのですが、大人も子供も一緒に体を揺らしながら全身で音楽を楽しんでいるのが印象的でした。演奏はもちろん一流で、ホールに響く楽器の音色も迫力があるのですが、全く堅苦しくなく、これがクラシックのコンサートだということを忘れてしまいそうなほど! 子供たちも自然と笑顔になり、これだけ多くの子連れファミリーにLFJが支持されている理由が分かりました。
家族みんなでLFJをきっかけにクラシックに触れて、毎年みんなで訪れる…なんていうのもすてきですよね。お子さんが大きくなったら6歳以上しか入場できないコンサートへも行けますし、その頃にはみんなクラシックマニアかも。
ゴールデンウィークに子供とどこへ出かけるか迷っている方、たとえクラシック初心者でもLFJは絶対おすすめしたいイベントです!
というわけで私と同じような、クラシック初心者の皆さんでも楽しめちゃうLFJの魅力をお伝えしてきました。
今年のLFJは、2025年5月3日(土・祝)から5月5日(月・祝)の3日間の開催。東京国際フォーラムを中心に、大手町・丸の内・有楽町、そして東京駅、京橋、銀座、八重洲、日比谷、みなとみらいで開催されます。
ぜひ東京国際フォーラムへ足を運び、クラシック音楽という新たな扉を開きましょう!
ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2025
開催日:2025年5月3日(土・祝)・4日(日・祝)・5日(月・祝)
会場:東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町、東京駅、京橋、銀座、八重洲、日比谷、みなとみらい
文 / オシミリン(LoveWalker編集部)
大阪生まれ。
趣味は読書と写真を撮ること、おいしいものを食べておいしいお酒を飲むこと。
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