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スケッチブックを片手に切り取ったヨーロッパ「五十嵐吉彦 水彩スケッチ画展」開催中

2025年05月23日 18時00分更新

 丸善 丸の内本店4Fギャラリーにて、日本スケッチ画会会長や日本ペン彩画会会長などを務める五十嵐吉彦氏の「水彩スケッチ画展」が5月27日まで開催されている。本展示会ではヨーロッパの歴史風景を描いたスケッチ画から世界遺産を主体にして選別して展示。さらに国内風景の近作など約90点が展示されている。

会場の様子

 五十嵐氏は水彩スケッチ画の講師を2000年から務め、本展示会は講師生活25周年記念として開催している。五十嵐氏はこれまでヨーロッパ各国を訪問し、その歴史風景をスケッチ画に収めている。普段から小さな手引きトランクに入ったスケッチブックに目の前の風景をスケッチし、その場で景色を切り取っている。

・ヨーロッパの風景スケッチ

 ペンは耐水性インクを用い、その上から透明水彩で着色する。透明水彩は水を多めに使い、ぼかしたりにじませたりして重ねて描いていき、ハイライトなどは紙の白を残すようにする。小学校などで使われる不透明水彩と違い、透明感のある絵となる。

 透明水彩のもう一つの利点は、パレット上の絵の具を固めておけること。絵を描く際には固まった絵の具を水で湿らせた筆でなぞってとき、色をつけることができる。スケッチなどで遠くへ行くときにはパレットに絵の具を固めておくだけで絵の具自体を持ち歩く必要がない。風景をスケッチする際、荷物が少なく済むので身軽に動くことができる。

 油絵を描いていた者としては、この手軽さはとてもうらやましい。油絵の場合は木箱に絵の具、パレット、筆、油、それからキャンパスにイーゼルなど、わりと重装備になるので、写生するのに外に出るのをためらってしまうこともある。透明水彩ではその身軽さが機動力となる。

五十嵐氏が訪れたヨーロッパ各地。大きな赤丸が今回展示している作品の場所

 国内のスケッチ画は最近の作品から選出された。季節に合わせて切り取られた風景は、その季節に合わせた色をベースに、鮮やかに、そして透明感を持って旅情あふれる光景を描き出している。

・国内のスケッチ

 絵はスケッチブックの大きさF4(24×33cm)が基準となっているが、小さな額装でちょっとした場所に飾れる作品も展示。また、4冊目の新刊画集も販売している。

小さな額装の作品

画集も販売。見本を見ることができるのもうれしい

ポストカードは来場の記念の手軽に購入できるアイテム

 スケッチブックを小脇に抱え、あとはペンとパレットと筆。水さえあればどこでも心の赴くままに風景を絵として切り抜くことができる水彩スケッチ画。絵描きとしてはこういう生活は理想として未来像の一つだ。うん。老後の楽しみの一つとして考えてみよう。

五十嵐吉彦 水彩スケッチ画展
会期:5月21日~5月27日
時間:9時~21時(最終日は16時閉場)
会場:丸善 丸の内本店 4FギャラリーA
住所:東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ4階
入場料:無料


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