丸の内ダンジョンの南端を担う“夜遊びビル” 「東京ビルディング」
2025年07月11日 12時00分更新
高層ビルや歴史的建造物など、丸の内の建築群を現場のレポートを交えながら紹介する連載「丸の内建築ツアー」。今回は、東京駅丸の内南口・KITTEからJR京葉線東京駅へ至る間にあり、商業施設のTOKIAも入る「東京ビルディング」を紹介します。
東京ビルディングのデザイン
東京ビルディングは、東京駅丸の内口の南側、東京中央郵便局と東京国際フォーラムの間に建つ地上33階、地下4階、高さ164.1m、延床面積150,625㎡の超高層ビルで、旧東京ビルヂング(以降「旧ビル」と表記)の建て替えにより、2005年10月17日に竣工しました。
南北方向に約114m、東西方向に約33mの“板状”の超高層ビルとなっており、外観デザイン面では、広域の街角や鉄道の車窓からも瞬時に視認される斬新な複層ファサードにより、丸の内の建物が持つ歴史的風格と鋭敏な現代建築との重なりを表現しています。また、直射日光の影響を低減するため、南面外壁には水平フィン、東面外壁には縦リブを採用。南北方向が非常に長く、ガラスファサードと白の縦リブ、庇の積層など、変化のある外観が特徴となっています。
フロア構成は、地下1階から地上3階までが商業施設「TOKIA(トキア)」となっており、4階から33階がオフィスとなっています。商業ゾーン「TOKIA」は、丸の内にこれまでなかった“夜のシーン”を創出する拠点として開業しており、施設名は「TOKYO」「TOKIMEKI」「Amusement」を組み合わせた造語で、コピーライターの眞木準氏によって名付けられました。「ようこそ、丸の内の夜遊び」をキャッチコピーに掲げたTOKIAには、開業時、飲食24店舗、物販2店舗、サービス3店舗の計29店舗が集積。オフィスワーカーが深夜まで利用できる飲食店をはじめ、大人が肩の力を抜いて上質な時間を過ごせる空間を提供しています。
グルメでは、「お好み焼 きじ」「つるとんたん」「THE ROAST KOBE MEAT HOUSE」「VIRON」等、関西系・欧州系など多彩なジャンルの名店が軒を連ねています。また、音楽と食の融合を楽しめるエンターテインメントレストラン「COTTON CLUB」や、女性専用クリニック「イーク丸の内」、チャイルドケアセンター「キッズスクウェア」など、ライフスタイルを支えるサービス機能も備え、働く人々の“夜と日常”を豊かに支える複合商業ゾーンとなっています。ちなみに地下1階部分は、北側でJPタワーの商業施設「KITTE」と接続し、南側ではJR京葉線「東京」駅の改札口や東京国際フォーラム方面へとつながっています。このように、東京駅を中心とした地下歩行者ネットワーク、いわゆる「丸の内ダンジョン」の一部を形成しており、商業ゾーンは常に多くの人で賑わいを見せています。また、南側には地下と地上を結ぶ吹き抜け「地下プラザ」があり、地上と地下の都市空間を接続する役割も担っています。
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