なぜ呂后は戚夫人を切り刻んだのか?「背筋も凍る」温かいブランケットから学ぶ、中国史の闇が深すぎた
2025年10月08日 12時00分更新
美術館の楽しみの一つがミュージアムグッズ。私もよく美術館へ行くのですが、最後にショップでグッズをいろいろと購入することも欠かせません。
静嘉堂文庫美術館はグッズにこだわりを持って、たくさんの商品を展開している美術館としても知られています。現在開催中の「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」でも個性豊かなグッズが登場しています。なかでも注目は、静嘉堂文庫美術館が未来の国宝に推す、菊池容斎による2m級の巨大絵画をモチーフにしたグッズたち。
「呂后斬戚夫人図」。この絵がなぜこれほど恐ろしいのか? その背景には、漢王朝を揺るがした嫉妬と権力闘争、そして残虐な復讐劇がありました。
菊池容斎の巨大絵画をオリジナルグッズに
読売新聞社が運営するアート情報サイト「美術展ナビ」と、東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)は、同館で10月4日(土)に開幕した展覧会「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」において、共同開発したオリジナルグッズを販売開始します。
「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」展は、大阪・関西万博2025の開催にちなみ、同館が所蔵する国宝3件、重要文化財17件、重要美術品10件に加えて、20世紀初頭の博覧会出品作20件余りを一挙公開する展覧会です。同館が未来の国宝に推す、菊池容斎による2m級の巨大絵画も、丸の内で初めて公開されます。
その菊池容斎の巨大絵画をオリジナルグッズ構想の中心に据えて、ブランケットとチケットファイルの2点を開発。加えて、本展で公開される国宝にも注目し、静嘉堂所蔵の東洋絵画の筆墨の美を目だけでなく舌でも味わえるオリジナルドリップコーヒーも用意しています。
菊池容斎「呂后斬戚夫人図」/「馮昭儀当逸熊図」等身大ブランケット
価格:各¥33,000(税込)
静嘉堂@丸の内が未来の国宝として推す、菊池容斎の2×1.5メートルの巨大掛軸2点を、大きさをほぼそのままにそれぞれブランケットにしました。手触りが良く高級感のあるブランケットに、高精細に作品を印刷しています。本作品の圧倒的なスケール感と、菊池容斎の精密な描写、鮮やかな色使いを間近に感じられる逸品です。
特に、「呂后斬戚夫人図(りょこうざんせきふじんず)」に描かれた、漢の高祖の皇后・呂后(りょこう)の恨みのこもる冷徹な表情と、怨念の対象となった戚夫人(せきふじん)に起こる悲劇と残虐のシーンは、ほぼ等身大だからこそ、その恐ろしさが真に迫ります。冬に大活躍の温かいブランケットですが、デザインは背筋も凍るような〝冷たさ〟を併せ持っています。
菊池容斎「呂后斬戚夫人図」/「馮昭儀当逸熊図」チケットファイル
価格:¥550(税込)
チケットファイルに、菊池容斎「呂后斬戚夫人図」と「馮昭儀当逸熊図」をデザインしました。精緻で美しい風景や人物像は表面に、「呂后斬戚夫人図」の悲劇のシーンや「馮昭儀当逸熊図」に描かれた熊の姿は、ファイルの内ポケット側に忍ばせています。
オリジナルドリップコーヒー 国宝「風雨山水図」/「与中峰明本尺牘」
価格:¥1,980(税込)
国宝作品の鑑賞の余韻を楽しめるコーヒーが誕生。担当学芸員が、複数のテイストを試飲して、作品のイメージに合うブレンドを厳選しています。巾着に、2種類のドリップコーヒーが2杯ずつ計4杯分入っていて、巾着のデザインは2種類から好みの作品を選べます。
ブランケットとドリップコーヒーは、静嘉堂文庫美術館のミュージアムショップで10月4日から販売を開始。チケットファイルは10月中旬から取り扱う予定です。
展覧会「修理後大公開!静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」
会期:2025年10月4日(土)~12月21日(日)
[前期]10月4日(土)~11月9日(日)
[後期]11月11日(火)~12月21日(日)
※作品は前後期でほぼ総入れ替え
10:00~17:00(入館は16:30まで)
※ 毎月第4水曜日は20:00まで、12月19日(金)・20日(土)は19:00まで開館
休館日:毎週月曜日(ただし10月13日、11月3日、24日は開館)、10月14日(火)、11月4日(火)、25日(火)
会場:静嘉堂文庫美術館(東京・丸の内)
観覧料:一般1500円、大高生1000円、障がい者手帳をお持ちの方(同伴者1名〈無料〉を含む)700円、中学生以下無料
文 / オシミリン(LoveWalker編集部)
大阪生まれ。
趣味は読書と写真を撮ること、おいしいものを食べておいしいお酒を飲むこと。
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