love walker ロゴ

  • Xアイコン

元気にすくすく成長中♡ この夏1歳を迎えたバンドウイルカのこどもたち!

2025年10月31日 17時30分更新

みなさん、こんにちは!

横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。

第53回は、「ふれあいラグーン」で、バンドウイルカたちの飼育を担当する西川弥緒がお伝えします。

前回の記事はこちら:

SDGsシアターで出会える動物たちとシーパラでの取り組みを紹介!

過去の連載記事はこちら

 水族館「ふれあいラグーン」で2024年に誕生したバンドウイルカのこども3頭が、この夏、1歳を迎えました。
今回はバンドウイルカのこどもたちの成長についてお伝えします。
それぞれの成長を伝えたいあまりにかなり長文になってしまったのですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
誕生や愛称発表については、第43回と第47回の記事をご覧ください。

第43回

第47回

 この1年でこどもたちはさまざまな部分で成長を見せてくれました。
まずは体の大きさ。過去の記事でもご紹介しましたが、バンドウイルカの赤ちゃんは、体長約120cm、体重約20kgで誕生します。
3頭は1歳を超えてどれくらい大きくなったでしょうか。

「わたげ」(「ラビン」のこども)

左が「わたげ」、右が母親「ラビン」です。
「わたげ」はカメラに興味深々でどんどん近づいてくるので、遠近法で「わたげ」の方が大きく見えますね。

2024年7月21日誕生
体重:誕生時27.5kg(11日齢時点) 現在128.5kg(451日齢時点)

「りおん」(「ループ」のこども)

左が母親「ループ」、右が「りおん」です。

2024年8月7日誕生
体重:誕生時21.5kg(8日齢時点) 現在123.5kg(420日齢時点)

「ぽぽね」(「アレカ」のこども)

左が「ぽぽね」、右が母親「アレカ」です。

2024年8月29日誕生
体重:誕生時19.0kg(4日齢時点) 現在119.0kg(407日齢時点)

3頭ともお母さんの半分程の大きさまで成長しました。

みんなで並んでいると一瞬どのイルカがこどもかわからないほど。
手前から「わたげ」「りおん」「ループ」「ぽぽね」「ラム」「アレカ」
左側でこちらにお顔を向けているのが「ラビン」です。

成長したのは体だけではありません。
できることもたくさん増えました。

こどもたちはお母さんの真似をしてさまざまなことを覚えます。
大人のイルカたちは飼育員とのコミュニケーションツールの1つとして、飼育員のサインでジャンプをしたり、鳴き声を出したりとたくさんの行動を見せてくれますが、こどもたちもそれを真似てサインに応えてくれるようになりました。

得意なサインはそれぞれで違います。
「わたげ」はジャンプが大得意。大人のイルカに混ざって一緒にジャンプを見せてくれます。

左から「ラム」「ループ」「ラビン」「わたげ」です。
大人顔負けのジャンプの高さ!

「りおん」は鳴き声。

左が「ループ」、右が「りおん」です。
お母さんの「ループ」と似た高い音を出しますが、「りおん」は気合いが入りすぎて超音波のような超高音になることも。

「ぽぽね」は高速スイム。
ほかのイルカたちの高速スイムが始まると必ず合流。大人のイルカたちはすぐに飼育員の元に戻ってきますが、「ぽぽね」は周囲のさまざまなものが気になって少し冒険に出かけてから戻ってきます。好奇心旺盛な様子もこどもならではです。

飼育員とのコミュニケーションでは、サインに応えてくれるだけでなく、体もたくさん触らせてくれるようになりました。
親仔や仲の良いイルカ同士ではラビングといって胸鰭などで体を触りあってコミュニケーションを取ります。
飼育員にも体の色々な部分を触らせてくれるようになり、触ってほしい部分をアピールします。
イルカ同士のように飼育員にも心を開いてくれているのかなと感じられて、とても嬉しいです。

「わたげ」はとにかく触ってもらうのが大好き。飼育員が他のこどもとふれあっていると割り込んでアピール。

「りおん」は背鰭の前を触ってもらうのが好きなようです。

「ぽぽね」は尾鰭を引っ張られるのが楽しいようで何度も尾鰭をアピールしてきます。

そしてなんといってもこの1年での大きな成長といったら、お魚を食べるようになったこと。

イルカたちは哺乳類なので、赤ちゃんの頃はお母さんのおっぱいを飲んで成長します。
一般的に1~2年程はおっぱいを飲むと言われていますが、「わたげ」が生後4ヶ月の頃からお母さんの「ラビン」が「わたげ」に自分のごはんの魚を見せ始め、「わたげ」がその魚に興味を持ち、咥えて噛んで遊ぶようになりました。「ラビン」に続いて「ループ」と「アレカ」も同様の行動をして、こども3頭とも魚に興味を持つようになりました。お母さんたちも、こどもたちもほかのイルカの行動を真似てさまざまなことを学習している姿に、バンドウイルカの社会性の高さを感じます。

お母さんからもらった魚で遊ぶようになると、飼育員が用意した魚にも興味を持つようになり、シシャモなどの柔らかく小さな魚やイカのゲソなどから1日に数グラム、徐々に飲み込む姿が見られるようになりました。
生後9ヶ月頃になると少し大きなサイズの魚の切り身が飲み込めるようになり、飲み込むことを覚えると日に日に食べられる量が増えました。

3頭のうち最初にたくさんの量の魚を食べられるようになったのは「りおん」です。
大きなサバにはまだまだ苦戦中。
今では一日に4.4kgの魚を食べています。

「わたげ」は大きなサバの切り身は苦手ですが、丸ごとのサバはうまく飲み込みます。
イルカにとっては、同じサバでも切り方や形によって好みが異なるようです。

「りおん」と「わたげ」が魚を食べるようになった中で、「ぽぽね」はなかなかたくさんの量が食べられずにいました。
最初はなぜかアジの尾鰭側の小さな切り身しか食べてくれず、食べる量も毎日数十~数百グラム程度。
ところが先月突然、人が?イルカが?変わったようにどんな形の魚でも食べ始め、この1ヶ月で3kgの魚を食べられるようになりました。

この1年で体も心も大きく成長をしたこどもたち。

左から「りおん」「ぽぽね」「わたげ」です。
毎日のようにできることや食べられる魚の量が増え、新しい一面を見せてくれますので、ぜひたくさん会いに来ていただき、私たちと一緒に日々の成長を見守っていただければと思います。

最後にふれあいラグーンでこどもたちを観察する時の注意点をひとつだけ。

水を吹いて遊ぶ「わたげ」
アクリル側で観察していると水を吹いて「遊ぼうよ」と誘ってきます。
とっても可愛いのですが濡れないようご注意を!

横浜・八景島シーパラダイス公式ウェブサイト:https://www.seaparadise.co.jp/index.html

X:https://twitter.com/_seaparadise_

Instagram:https://www.instagram.com/seaparadise_official/

Facebook:https://www.facebook.com/hakkeijima.seaparadise/

①アキパラ!

https://www.seaparadise.co.jp/event/akipara2025autumn/index.html

②ナイトパフォーマンス「LIGHTIA~七色のキセキ~」
11月15日(土)~3月1日(日)は毎日開催!

https://www.seaparadise.co.jp/event/paradise_nightlive_lightia7.html

③学園アイドルマスター 初星パラダイス

https://atfes.com/contents/hatsuboshi_paradise

文/西川弥緒

2016年入社。飼育歴10年目。ふれあいラグーンで鰭脚類やケープペンギンの飼育担当を経て、現在はバンドウイルカを担当しています。休日は愛犬たちと過ごすことがほとんどです。

この記事をシェアしよう

横浜LOVE WALKERの最新情報を購読しよう