【連載】5Gや未来の通信を支えるインフラ ~光ファイバーの役割~
2021年02月17日 10時00分更新
東京都 戦略政策情報推進本部 次世代通信推進課です。
戦略政策情報推進本部は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。
都民の皆様がどこにいてもサクサクつながる環境を構築するため、全国初となる5Gアンテナ基地局を搭載するスマートポールの試行設置や通信事業者が5Gアンテナ基地局を設置しやすいように、行政財産を開放するなど様々な取組みを展開しています。こうした日々の取組みを都民の皆様に情報発信していきます。
これまで、5Gを使ったサービスとしてARやVR、他にもキックボードなどを以前の記事で取り上げていましたが、今回は通信を支えているインフラについて、紹介します。
1. 高速ブロードバンド回線について
高速ブロードバンド回線といわれても、あまりピンとこないですよね…
一般的な使い方としては、インターネット上の様々なサービス、例えばInstagramやTwitterなどを利用するための回線で光サービスや携帯の4G/5Gなどが、高速ブロードバンド回線です。
高速ブロードバンドはどれくらいの速度から、というような定義や明確な基準は日本ではありません。
個人的な意見としては、ストレスなく動画等のリッチコンテンツが見ることができる15~30Mbps程度の帯域が利用できれば、高速といってもいいと思います。余談ですが、テレビのHDだと10~15Mbps程度、4Kだと30~40Mbps程度、8Kだと100Mbps以上の帯域が必要になってきます。
光サービスと携帯の4G/5Gの違いは、利用者の通信データを送受信させるための媒体として、光ファイバー等の固定回線を使うか、電波を利用しているかになります。
2. 光ファイバーの役割
光ファイバーというと、国内ではNTTのフレッツ光などをイメージするかと思いますが、現在の通信を支える重要な土台になっています。 例えば、携帯の4G/5Gでも、端末と通信する電波はアンテナから出ていますが、アンテナを終端する機器から通信局まで光ファイバーでつないでいます。
そのため、光ファイバーは、5Gを整備するためにも必要なインフラであり、血管のようにデータを運ぶため、日本の至る場所に通信事業者が敷設しています(もちろん国外との通信でも、光ファイバーは必須で、海底ケーブルが太平洋を横断して敷設されていたりします)。
総務省の発表では2019年3月末で、日本全国でFTTH(Fiber To The Home)が、推計98.8%、東京都では99.9%の方が光ファイバーを利用できるくらい整備されているようです。
光ファイバーというとNTTが有名ですが、NTT以外にも様々な通信事業者や電力事業者、自治体等も整備しています。東京都でも島しょを繋ぐ光ファイバーを整備する事業を展開しています。
道路などの下には、ガス・上下水道・電気・通信等のインフラがあり、歩道などを歩いているとマンホール(丸い鉄の蓋)やハンドホール(四角い鉄の蓋)に、その事業者や自治体が設置したマークがあります。
マンホールとハンドホールの大きな違いは深さです。マンホールの蓋が丸いのは、万が一転がっても穴に落ちないようにという配慮がされています。
また、住宅街等でよく見る「電力柱(電柱)」とは電力事業者が設置し、電力ケーブルが敷設されています。通信事業者が設置し、通信用ケーブル等を配置するものは「電信柱」といい、両方の電力・通信に利用されるのが「共用柱」といいます。
光ファイバーやそれを支えるインフラは、通信に必要不可欠なものとなっています。
都庁職員も、西新宿のスマートポール整備を進める際、光ファイバーをどこから敷設するのかを考えるために、マンホールの場所を一つ一つ自分の足で確認しました。
身近にある通信設備として、マンホールや電柱/電信柱などを散策ついでに探してみてはいかがでしょうか?
◆この記事は、下記より転載しています
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