丸の内LOVEWalker総編集長・玉置泰紀の「丸の内びとに会ってみた」 第9回
ディズニー創立100周年のクリスマスイベントが丸の内にやってくる!「三菱地所」の村瀬さんに会ってみた
2023年10月31日 15時00分更新
丸の内LOVEWalker総編集長の玉置泰紀が、丸の内エリアのキーパーソンに丸の内という地への思い、今そこで実現しようとしていること、それらを通じて得た貴重なエピソードなどを聞いていく本連載。第9回は、2023年11月16日(木)から丸の内エリアで開催される、創立100周年のディズニーとのクリスマス連動イベント“Marunouchi Bright Christmas 2023「Disney DREAMS & WISHES」”の企画運営担当、三菱地所の村瀬結衣子氏が登場。このイベントの注目ポイントや、自身の所属するコンテンツビジネス創造部の仕事とやりがい、いつか丸の内で手掛けてみたいビッグなイベントなど、その胸の内に玉置が迫った。
丸の内がクリスマス一色に! “Marunouchi Bright Christmas 2023「Disney DREAMS & WISHES」”開催
11月16日(木)〜 12月25日(月)の期間中、大手町・丸の内・有楽町(以下「丸の内エリア」)にて、“Marunouchi Bright Christmas 2023「Disney DREAMS & WISHES」”と題し、 今年で創立 100 周年を迎えるディズニーとともに、ディズニー・アニメーションをテーマにしたクリスマスイベントが開催される。
ディズニー100周年の集大成として 、12月15日(金)に公開される新作映画「ウィッシュ」をはじめ、「アナと雪の女王」「美女と野獣」など、大人気ディズニー作品との連動を通じて、丸の内エリア 全体が”夢“と”願い“に包まれ、クリスマスムード一色に染まるというものだ。
ディズニー映画にちなんだモニュメント&ツリーが
丸の内エリアの各拠点に出現!
――開催発表以来、期待の高まる“Marunouchi Bright Christmas 2023「Disney DREAMS & WISHES」”の見どころは?
村瀬「今回の目玉は、丸ビル1階マルキューブに設置される映画『ウィッシュ』 からインスパイアされた、巨大クリスマスモニュメントですね。“願いの力”を表現したモニュメントは、夜になるとライティングショーが15分間隔で行われ、作品の世界観を光と音で表現します。
この『ウィッシュ』のモニュメントをメインに、新丸ビル、丸の内オアゾ、丸の内ブリックスクエア、国際ビルなどエリア内の各拠点に、キャラクターにちなんだツリーが置かれるほか、作品のツリー、モニュメント、フォトスポットも設置する予定です。スタンプラリー企画も行いますので、ぜひ全スポットを制覇してほしいですね」
丸ビル 「WISH」
新丸ビル 「THE Sorcerer’s HAT」
丸の内オアゾ 「FROZEN TREE」
丸の内ブリックスクエア 「Something There」
国際ビル 「Disney DREAMS & WISHES」 特設フォトウォール
――限定グッズやスペシャルメニューなども?
村瀬「もちろんございます。期間限定で丸の内エリアでしか手に入らない、限定商品が買えるPOP-UP SHOPが出店して、それぞれの作品からインスパイアされた特別フードメニューも展開しますよ」
丸の内をイベントで活性化&利益創出
コンテンツビジネス創造部の仕事とは?
――今回のイベントご担当の村瀬さんですが、コンテンツビジネス創造部ではどんな仕事をされていますか?
村瀬「私は勤続4年目で、今年からこの部署に配属になったばかりですが、その名の通り、コンテンツでビジネスを生み出す、という部署なんです。かつて弊社で行っていたイベントは、マネタイズ化することよりも、街のにぎわい創出のために実施しているイメージが強かったんですね。
それはそれで、街づくりを行う会社としては良かったんですけど、今後も長期的にイベントを継続していくためには、やはりリターンを意識する必要がある、ということになりまして。」
――いわゆる、ただ人を集めるだけではなく、利益の創出も
村瀬「そうですね。私は、丸の内エリアのイベントをメインに担当していますが、隣のチームは、横浜ランドマークタワーでアニメや漫画、映画と連動するコラボカフェ『Cafe Fun Base』を実施したり、体験型企画展『ポケモンカラーズ』も開催しましたね。
また、当部は出資協賛も行っているので、帝国劇場の『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』や、『東京国際映画祭』の協賛などもです」
――レゴ®フェスティバルなども夏の期間に実施されていましたね
――コンテンツビジネス創造部で、これまで携わったイベントは?
村瀬「まず4月の『大丸有 仲通り綱引き大会』から始まり、5月の『ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2023』、7月には『AATM/アートアワードトーキョー丸の内』や『丸の内納涼まつり』。8月は『レゴ®フェスティバル』や『大手町縁日』、9月は『LIVE STOCK MARKET』、10月は『GEIDAI ARTS in MARUNOUCHI 2023』、11月は今回ご紹介している『Marunouchi Bright Christmas 2023「Disney DREAMS & WISHES」』や『丸の内イルミネーション』。そして、来年3月には『東京クリエイティブサロン』を開催予定です」
――外部のIPと丸の内エリアのマッチングは面白いですか?
村瀬「そうですね。不動産業では、つながりが想像付きづらい企業様と、イベントをきっかけに弊社として関係性を築けるのは、とても貴重な機会だなと感じております。
以前の部署は、プロジェクト企画部というところで用地取得を手掛けており、コンテンツビジネス創造部でも業務内容は違えど、何かを一から生み出せるところが共通していて面白いと思っております。ただ生み出すだけでなく、利益を上げるのはもちろん最優先ですけど」
――三菱地所に入る前も、今のようなお仕事に就きたいと思っていましたか
村瀬「もともと私自身が幼い頃、アメリカに住んでいたことがありまして、現地では学校などでのイベント開催が多くて楽しかったんですね。例えば『パジャマデー』には、みんなパジャマで登校したり、『ツインデー』という2人組で双子の格好をする日もありました。『60年代の日』で、60年代風のファッションを着たりすると、歴史の勉強にもなりましたし。
アメリカ人は楽しむことが大好きなので、イベントには積極的に参加するし、一体感のあるものが多いんです。そういうイベントが日常的にあることによって、平凡な毎日も楽しくなることを実感していたので、生活が変わる、気持ちを上向かせる仕事に携われるのは、面白いですね」
――アメリカでは、どちらにどのくらい滞在を?
村瀬「7歳から13歳までの6年間のうち、ミズーリ州に5年、最後の1年は、ケンタッキー州で過ごしました。日本人があまりいないところなので、コテコテのアメリカ文化に触れられたなあと」
――そうした体験を経て帰国、そして入社されて街づくりやにぎわい創出に、実際に携わってみての手応えは?
村瀬「街を楽しくすることをずっとしたかったので、やりがいはありますね。ただ、日本はかなり規制が多いんですね。
例えば仲通りでは、アルコールが販売できないんです。すると、開催できるイベントが限られてしまうので、代理店からご提案をいただいても、実現不可なのが非常にもったいない。もう少し、こういうふうにやればできそうだ、と考えていかなければ。
弊社は、とても良い場所を『面』で持っていますので、イベントを盛り上げるやり方はまだいろいろあるんじゃないか、と。そのせっかくの利点を生かして、変えていきたいですね」
――規制と折り合いを付けるのは大変ですね
村瀬「そうですね。先日、下北沢で行われた『ムーンアートナイト下北沢2023』でも、巨大な月のバルーンを上げていましたし、丸の内でも工夫次第では、似たようなインパクトのあるものを「浮かばせる」ことができそうな気がしましたね。
丸の内では皇居がある関係上、テロと間違われる危険性もあるため、ドローンなどは飛行禁止区域となっているので低く上げるとか。そういったインパクトを狙っていかなきゃ、と考えています」
――丸の内は三菱地所という企業が、ひとつのエリア全体をマネジメントしていることで、かなり思い切ったこともできますよね
村瀬「私たちのイベントの特徴は回遊性があるということや、弊社の判断で同時に複数の施設で開催できることが大きなメリットです」
――エリアの『面』としての力も大きいですよね
村瀬「今回のクリスマスイベントもそうですが、『面』で持っているからこそ、エリア全体の複数のポイントで一斉に行えます。ツリーやスタンプラリーが目当てでも、丸の内エリアを回遊し、そのついでに食事や買い物をしてもらえる。そのような『面』のメリットを生かせるようにしたいですね」
丸の内はポジティブになれる
パワースポット!?
――村瀬さんご自身は、丸の内にどんな印象をお持ちですか?
村瀬「もちろん好きです。街の雰囲気に統一感があるので、洗練された気分というか、気持ちがピシッと引き締まるようなイメージがありますよね。また、何か大きな夢を思い描きやすい場所でもあるのかな、と。
就活時代にそう思ったのですが、自宅の近所よりも丸の内を歩いている時の方が、将来の大きなビジョンを自然と考えている気がします。何か新しいことをやってみたいとか、こんなふうにビッグになりたいとか。
丸の内に勤め出してからも、そのイメージは変わりませんね。海外から旅行に来られている方、お仕事の話をしている方、女性同士でベビーカーを押している方など、皆さんが明るい表情をしておられます。そんな丸の内には、自分から何かしたくなるような、ポジティブなパワーがあるのでしょうね」
海外のお祭りを風物詩に!
――丸の内でパワーチャージしている村瀬さんが抱く、これからの夢や開催してみたいイベントとは?
村瀬「海外発のイベントを大々的に日本でやって、風物詩になるようなものが丸の内にもあるといいなと思っています。
今でも冬期はイルミネーションがありますけど、例えば、ドイツのクリスマスマーケットぐらいの規模(※主に公園や広場で行われる)で、丸の内がガラッと変わるようなものが将来できたら、もっとたくさんの人に来ていただけるのではないでしょうか。
丸の内は、やはりまだビジネス街のイメージがあると思うので、何かシンボリックなものができないのかなと。海外のお祭りを、丸ごと日本に持ってくるようなこともやってみたいですね」
――インターナショナルな丸の内には、世界のお祭りも似合いますよ
村瀬「丸の内の強みや可能性を、今後も引き出しつつ、生かしていければと思っております」
幼い頃に、イベント好きなアメリカで暮らした経験からか、平凡な日常がどうすれば楽しくなるかを身に染みて知っている村瀬さん。現部署に異動して1年目ながら、丸の内をガラリと変えたい、世界のお祭りを持ち込みたい、と大きな野望も抱いている。近い将来きっと、みんなを驚かせるようなビッグイベントで、丸の内をさらに盛り上げてくれるに違いない。
村瀬結衣子(むらせ・ゆいこ)●1998年生まれ、愛知県出身。2020年、三菱地所株式会社に入社、2020年~2023年、プロジェクト企画部所属。現在はコンテンツビジネス創造部に所属(所属は取材当時)。
聞き手=玉置泰紀(たまき・やすのり)●1961年生まれ、大阪府出身。株式会社角川アスキー総合研究所・戦略推進室。丸の内LOVEWalker総編集長。国際大学GLOCOM客員研究員。一般社団法人メタ観光推進機構理事。京都市埋蔵文化財研究所理事。大阪府日本万国博覧会記念公園運営審議会会長代行。産経新聞〜福武書店〜角川4誌編集長。
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