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丸の内に盆栽専門店!? 意外な組み合わせだけど行ってみたら魅力がビシバシ感じられてとてもイイ!

盆栽専門店「TRADMAN'S BONSAI」の盆栽

 この春に4店舗がニューオープンした丸の内の新東京ビル。その中でも特に気になっていたのが、5月にオープンしたばかりの盆栽専門店「TRADMAN'S BONSAI(トラッドマンズ盆栽)」です。

 以前友人が「BEAMSで扱っている盆栽がカッコいい」と見せてくれた写真がとてもすてきだったんです。BEAMSはいろいろな民芸品ともコラボしているので、「BEAMSに盆栽がある」こともスッと入ってきました。その盆栽を手掛けていたのが「TRADMAN'S BONSAI」です。

 そもそも、私の中で丸の内はビジネス街とおしゃれな散歩街のイメージ。平日はスーツを着たビジネスマンたちが闊歩し、休日にはさまざまな世代の人がのんびりと通りを散策しているという、オンオフの顔がある街のように感じています。そこに、趣味全開の、しかも渋めの趣味の「盆栽」専門店がオープンするということは、休日のお客さんをターゲットにしているんだろうか。じゃあ平日は? いろいろ気になったので、さっそく行ってきました。

初めて盆栽から「世界観」が見えた気がする

 主に盆栽の育成や手入れ、盆栽を使った空間プロデュースを行っている「TRADMAN'S BONSAI」。5月5日、初のフラッグシップショップを新東京ビルにオープンしました。

盆栽専門店「TRADMAN'S BONSAI」

入口両サイドの大きな盆栽が目を引きます。フラッと入ってくるお客さんも多いそう

 ちなみに私は「盆栽って難しそう」と思っている完全初心者。盆栽園や園芸店に行かないとなかなか目にする機会がありませんが、こちらは仲通りに面していることもあって、若い人でもとても入りやすい雰囲気です。私が訪れた時は若い外国人の男性客がスタッフの方と話していました。そういえば、YouTubeやインスタグラムで「BONSAI」を検索するとたくさん動画や画像がヒットするくらい、世界中で人気なんですよね。日本では「年配の方の趣味」というイメージが強いですが、海外では若者から年配の方まで幅広い世代のファンがいます。

 肝心の盆栽ですが、これがまたすごくカッコいいんですよ。根は鉢の中に収まりながら、枝は鉢から大きくはみ出していて葉っぱは深い緑に色付いていて、生命力を感じます。静かなたたずまいなのに、力がある、みたいな感じ。

盆栽専門店「TRADMAN'S BONSAI」の盆栽

「五葉松」(¥1,200,000)。推定樹齢100年ならではの鉢からこぼれそうな枝ぶりにしびれる

 「なんかいいな」と思ってしばらくいろいろな鉢を見ていました。マツやモミジなど、大きなものから小さなものまでバラエティ豊か。

盆栽専門店「TRADMAN'S BONSAI」の盆栽

推定樹齢20年の「黒松」(¥30,000)。こうして見ると上の「五葉松」より葉っぱが太くて密度が低めの印象です。片手でも持てそうな大きさで、部屋のインテリアとして使いやすそう

 盆栽にはサクラやモミジのように葉が色付いたり実を付けたりする「雑木類」と、マツやヒノキのように幹や枝の白い部分を楽しむ「松柏類」があるそう。幹や枝の白い部分は、枯れて白骨化したものだそうで、本当に骨っぽい。一鉢の中で生と死が共存しているみたいに見えます。取材当日は店舗入り口の両サイドに「松柏類」が飾られていて、しばらく眺めていました。

「盆栽はビンテージ。ストーリーがあって持ち主の味が出るから面白い」

 代表の小島鉄平さんにも話を聞きました。

「もともとリーバイスなどビンテージの服が好きだったんですよね。ビンテージ品には“この服が作られた時代には◎◎戦争があって”という時代背景があって、それを着るうちに“味”が出てきますが、盆栽にも通じるところだなと思っていて。盆栽も何十年、何百年とオーナーが手入れをし続けてきたから今の姿があるんです。そういう“過去からの手紙”感がとても好きです。

 世界で盆栽が注目されているとはいえ、若い日本人にとっては“年配の人たちの趣味”というイメージが根強くあります。BEAMSやカルティエ、レンジローバーといった、セレクトショップやハイブランド、カーディーラーとコラボすることで、盆栽のことをもっと知ってもらって、その魅力に気付いてもらえたらと思っています」

盆栽専門店「TRADMAN'S BONSAI」のTシャツ

店舗ではアパレルも扱っています。小島さんが持っているのは店舗限定のTシャツ(¥7,700)。小島さん曰く「もとは自分たちが着る用に作っていたんですよ」とのことで、アパレル系の商品は「ユニフォーム」と呼んでいるそうです

丸の内と盆栽と私たちをつなぐ「縁」

 最後に、出店エリアとして丸の内を選んだ理由についても尋ねました。

「たまたま丸の内開発事業をしている方と知り合って、声を掛けていただきました。でもそれだけではなくて。

 江戸時代、歌舞伎の演目に“盆栽”をテーマにしたものがあって、そこから庶民の趣味としても広まったといわれています。江戸時代の城といえば江戸城、つまり皇居です。かつての江戸城近くのエリアにショップをオープンできて、人の縁、歴史的な縁を感じますね」

 店内の盆栽は定期的に入れ替えているとのことなので、お気に入りの一鉢との出会いもご縁。縁を感じた盆栽を購入すると、ショップでアフターケアとしてメンテナンスもしてくれます。詳しいことは分からなくても、盆栽の持つ雰囲気やたたずまいがとても良いので、ぜひみなさんにも立ち寄ってほしい! 近くで見るだけで、今までよく知らなかった盆栽の芸術性がなんとなく伝わるんじゃないかと思います。盆栽、想像以上にクールですよ。

■公式サイト

ファッションや靴のブランドもオープン!

 また、新東京ビルにはほかにも3店舗が新たにオープンしています。

kolor(カラー)

 南青山に次ぐ国内2店舗目。シルエットや素材、ディティールなどの要素を、心地よい違和感を残しつつ絶妙なバランスで組み合わせています。

kolor(カラー)

■公式サイト

ジョンロブ 丸の内店

 150年以上続くブーツメーカー「ジョンロブ」が移転してリニューアルオープン。定番品から新作コレクションを取り揃える他、バイリクエストやビスポークオーダーで自分だけの1足を作ることもできます。

ジョンロブ 丸の内店

■公式サイト

THE PEARLY GATES FLAG(パーリーゲイツ フラッグ)

  「もっと気軽にもっと楽しくゴルフをしよう」というコンセプトのもと、新しいゴルフウエアとゴルフ本来の素晴らしさを提案。

THE PEARLY GATES FLAG

■公式サイト

 ますますファッション感度が高まりそうな丸の内エリア。訪れるたびに新しい発見があったり感性が磨かれる気がして、歩くのが楽しい! みなさんも仲通りをお散歩がてら、リニューアルした新東京ビルに足を運んでみてくださいね。


新東京ビル
住所:東京都千代田区丸の内3-3-1
営業時間:店舗により異なる
 ※TRADMAN'S BONSAI 10:00~18:00
 ※kolor 11:00~20:00
 ※ジョンロブ 丸の内店 11:00~19:30 日祝11:00~19:00
 ※THE PEARLY GATES FLAG 11:00~20:00


文 / 風都ナツメ(LoveWalker編集部)

東北出身。
居酒屋や旅先では初めて見る郷土料理や海外メニューを頼みがち。


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