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ただの「贅沢な宿泊」で終わらせちゃダメ! 東京ステーションホテルの「泊まれる博物館」体験が最高過ぎた

 国指定重要文化財の東京駅・丸の内駅舎の中にある「東京ステーションホテル」。実は、不定期でホテル館内を案内してくれるツアー付きの宿泊プランやレストランランチプランを展開しています。

 私自身、何度も駅を利用しているのに、ホテルにはなかなか行く機会がなくて「中はどんな感じなんだろう」と思っていました。今回、宿泊してホテルツアーに参加したらまるで美術館、博物館のようでおもしろかったのでレポートします。

ボーッと通り過ぎるだけじゃもったいない!歴史が刻まれた丸の内駅舎

 東京駅開業翌年の1915年に開業し、今年で110周年を迎えた「東京ステーションホテル」。以来東京駅と一緒に歴史を歩み、現在は駅舎のほとんどがホテルになっています。

 ツアーでは、ホテルスタッフの方がホテルそのものや東京駅についてガイドしてくれます。ほかのスタッフさんによると、今回ガイドしてくれた平岩さんは「ホテルと東京駅の知識なら誰にも負けない」という知識を持つ丸の内博士です。

軽快なトークで楽しませてくれた平岩さん。余談ですがとても身長が高い

・階によって異なる色の赤レンガ

 東京ステーションホテルは、国内外の賓客を迎えるために駅舎内に作られました。日本各地への交通の玄関口でもある東京駅直結ということで、こんなにスマートにアクセスできる場所もほかにはありません。いかにもVIP向けに作られたという感じがします。

 しかし第二次世界大戦時、投下された焼夷弾で東京駅すなわち東京ステーションホテルの3階部分が焼けてしまいます。2005年に駅舎の保存・復原工事が始まるまでは2階建てのホテルとして運営していて、その名残を今も見ることができます。

「2階と3階で赤レンガの壁の色が違うのが分かるでしょうか。2階部分までは創業当時のレンガ、3階から上は復原されたものなんです」と平岩さん。確かに色が違う!

よく見ると境目がちゃんと分かる

建物の中央部分も復原されているため、左右でレンガと目地の色が異なる箇所がある

・昔使われていたメインエントランス

 実はホテルのメインエントランスの位置も少し変わっているそうで、平岩さんによるクエスチョンタイムが。「昔のメインエントランスは、今の位置より少し左側にありました。どこか分かりますか?」

 一瞬どこだろうと思いましたが、すぐに発見。メインエントランスすぐ横の、薄い緑色のガラス張りになっているところです。言われなければ特に疑問もありませんでしたが、扉になっているということはここから出入りしていたということですもんね。

よく見るとガラス戸の上にアーチ状の屋根の跡がある気がする

・天皇陛下専用入口

 ホテルの真正面は天皇陛下が東京駅を利用する際に使われる専用入口で、改札を通らずに駅構内に入ることができるのだそう。平岩さんによると「こちらは皇室の方しか使うことができません」とのこと。そんな貴重な入口、中に入れないとはいえ無料で見ていいんでしょうか。

普段は御車寄せ前にチェーンがかかっています

・東京の出発点・ゼロキロポスト

 今まで全然気が付かなかったのですが、丸の内側にはJR東日本の駅長室への入口もあります。「駅長室をまっすぐ進むと、さまざまな路線の営業キロの起点となるゼロキロポストがあります。運賃を計算する際の起点にもなるところですね」(平岩さん)。

ということは、この先が日本の鉄道の起点ということだ

あの文豪が泊まった部屋や間近で見るドームレリーフに心打たれる

 今度は場所を移していよいよホテルの中へ。ここでも平岩さんのトークが光ります。「東京ステーションホテルの客室廊下はとても長いんです。なぜかというと、丸の内駅舎の全長が335メートルもあるからなんですね。東京タワーを横倒しにしてプラス2メートルしたくらい、と言うと分かりやすいでしょうか」(平岩さん)。例えに東京タワーが出てくるとは! でも想像しやすい!(笑)

永遠に続きそうな廊下。なるほどここに東京タワーが収まるんですね

・松本清張が『点と線』を執筆した部屋

 と、突然とある部屋の前で平岩さんが立ち止まり、「ここは2033号室となっていますが、昔は209号室でした。このお部屋に作家の松本清張さんが宿泊して執筆活動をしていたんです。推理小説『点と線』という作品の中には『空白の4分間』というトリックが出てくるのですが、それはこのお部屋に泊まっていたから生まれたのかもしれません」というお話をしてくれました。

廊下には『点と線』の初回連載ページと当時の国鉄の時刻表を展示

私も何冊か松本清張の小説を読んだので「ここに泊まっていたのか…」と感慨深い気持ちに

2033号室の隣の吹き抜けの向こうが駅のホームとのこと。平岩さんは「今電車がきましたね…これは京浜東北線ですね」と耳で聞き分けていてプロすぎる(笑)

・107点のアートワーク展示

 廊下には全部で107点のアートワークが展示されていて、まるで美術館のようでもあります。東京駅丸の内駅舎や東京ステーションホテルの工事の写真や、当時の様子を描いた絵葉書などどれも興味深いものばかりで、じっくり見て回る宿泊者の方も多いのだとか。

アートワークの一部には二次元コードが添付されていて、読み込むと音声ガイドが聞ける

・ドーム内レリーフを間近に望むアーカイブバルコニー

 ホテル宿泊者しか入ることのできないスペースもいくつかあり、そのうちの一つがアーカイブバルコニーというスペース。ホテル内からドームのレリーフを間近に見ることができるんです。

こりゃすごい

 ドームの色やレリーフは当時の白黒写真を参考に復原されています。干支のレリーフがあることは知っていましたが、それ以外にもものすごい数の意匠が隠されていて、それをしっかりと見ることができるんです。レリーフは以下。みなさんもぜひ探してみてください。

・ドーム天井の中心付近に「クレマチス」
・ドーム天井の八つ角に「大鷲」
・壁面頂部に「豊臣秀吉の兜」、柱部に「剣」、下部に「鳳凰」
・8ヵ所の角に「干支」

地上からだと落下防止ネットでちょっと見づらい天井も、バルコニーからはよく見える

ちなみに干支は東西南北(子、卯、午、酉)以外の動物がレリーフになっています。十二支を八角形に納める都合上、そうなったと思われるそう

・外観からは気付かない4階アトリウム

 もう一つがホテル4階にあるアトリウムです。3階建てのホテルだと思っていたのですが、客室があるのが3階までというだけで、4階も存在していたんですね。

 もともと使われていなかった屋根裏を改装し、宿泊者専用の朝食ラウンジとして使用しています。屋根裏というと「魔女の宅急便」や「アルプスの少女ハイジ」のようなちょっと狭くて暗いイメージですが、アトリウムは天井が高いうえに大きなガラス窓が外の光を取り込んでとても開放感があります。

雨の日だったのでちょっと暗いですが、天気が良ければとても明るくなりそう

創建時の赤レンガも残っていて、その頑丈さに驚く。ちなみにここは外から見ると丸窓の裏のあたり

隠れ家のような小部屋にも入らせてもらいました

小部屋からは駅舎の屋根を間近で見ることができます。この屋根裏感たまりませんね

・宿泊できなくても見学ならできるスイートルーム

 ツアーで巡る場所はその日によって異なりますが、今回は私は絶対に宿泊できないだろうスイートルームに入らせてもらうことができました。こんなところまで見せてくれるなんて、ホテルツアーおもしろすぎです。

どこにいたらいいか分からないくらい広い

行幸通りが真正面に見えてヤバー

ベッドルームには当時の赤レンガを生かした隠しスペースが!

 東京ステーションホテルの秘密が分かった気がした今回のツアー。ただ宿泊したり利用するだけではホテルの歴史もこんな特別な体験もできませんが、スタッフの方のおかげでここに刻まれたストーリーを感じながら過ごすことができました。

 東京駅を利用していても、併設のホテルに入ったことがないという方も多いと思います。だからこそ、誕生日や記念日などちょっと特別な日に利用してみてはいかがでしょうか。館内ツアー付きの宿泊プランやレストランのランチプランが不定期で開催されているので、みなさんにもぜひ体験してほしい!

今回宿泊した部屋からの眺めもすごかったです。大満喫!


東京ステーションホテル
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
HP:https://www.tokyostationhotel.jp/


文 / 風都ナツメ(LoveWalker編集部)

東北出身。
居酒屋や旅先では初めて見る郷土料理や海外メニューを頼みがち。


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