love walker ロゴ

  • Xアイコン

大丸有エリアを「楽しいSDGs」に巻き込む仕掛人の丸の内びと―― 大林悟郎さん、天野友貴さん

今回の丸の内びと/三菱地所 サステナビリティ推進部 プロモーションユニット 大林悟郎(写真左)、天野友貴(写真右)

 丸の内LOVEWalker総編集長の玉置泰紀が、丸の内エリアのキーパーソンに会いに行き、現在のプロジェクトや取り組みなどのエピソードを聞く本連載。第29回は、大丸有SDGs ACT5」プロジェクトに関わる三菱地所の大林さんと天野さんにインタビューした。

大丸有エリアはリアルな「持続可能な社会」

 2015年に国連サミットで採択されて以来、国内でも企業や自治体による取り組みが活発化しているSDGs。東京・丸の内でも街全体でSDGsの実践を目指そうと、「大丸有SDGs ACT5」プロジェクトが行われている(以下「ACT5」)。2020年の始動以来、「サステナブルフード」「環境」「ひとと社会のWELL」「ダイバーシティ&インクルージョン」「コミュニケーション」という5つのテーマを軸に、街と人を巻き込んだ活動を続けているプロジェクトだ。

 立ち上げの背景には、企業や団体、そして街を訪れる人々が協働しながら、持続可能な社会を“リアルな街の中”で実現していくという思いがあった。

――ACT5は今年で6年目になるんですよね? 『SDGsの17項目のうち5つを実行するプロジェクト』と理解しているんですが、どういう経緯で立ち上がって、どんな活動をされているのか、教えていただけますか?

大林「大丸有エリアを起点に様々な社会課題に関心を持ち、SDGs達成に向けて企業や個人単位の行動変容をパートナーシップで推進していこう』という思いから発足しました。“食と農を通じて社会を元気にしていく”という考えでSDGsに関心を持っていた農林中央金庫さんと、ビジネスマン向けの『日経SDGsフェスティバル』を開催したいという思いがあった日経新聞グループさんと、『コンソーシアム形式で一緒にSDGs活動を推進していこう』と3社が発起人となりました。現在ではエリアの企業や東京国際フォーラム様なども加盟しています。活動としては主にイベントやセミナーの企画運営ですね。環境にまつわるものやダイバーシティ関連のものなど、就業者や来街者にとって身近で気軽に参加できるようなイベントを行っています」

大林さん

――17のテーマの中から、なぜこの5つに重点を置いたのでしょうか?

大林「このエリアの就業者・来街者をターゲットにする中で、一番関心を持ってもらえそうなテーマを優先して選びました。具体的には『サステナブルフード』『環境』『ひとと社会のWell』『ダイバーシティ&インクルージョン』『コミュニケーション』。最後のコミュニケーションは17ゴールにはありませんが、エリアならではのコミュニティに育っていく姿も目指して入れました」

――これは2020年から中断なく、毎年続いているんですよね。

大林「はい、毎年5月から11月までをコア期間として活動しています。5つのテーマも大きくは変えていませんが、より馴染みやすく本質的なワーディングを心がけています」

イベントを通して気負わずにSDGsの取り組みを伝える

 年々広がりを見せるACT5。参加者数や企業協賛も増加し、街ぐるみのSDGs活動として定着しつつある。その裏では、5つのテーマを支える事務局メンバーによる細やかな運営体制があるという。

――運営体制はどのようになっているのでしょうか? おふたりの担当領域も教えてください。

大林「ACT1〜5にそれぞれ主担当がいます。私は『コミュニケーション』をメインに、全体の事務局長を務めています」

天野「私は『ダイバーシティ&インクルージョン』(以下D&I/多様性と包摂)を担当しています。企業の人事・D&I担当者向けセミナーを行ったり、就業者や来街者を対象にD&Iについて気軽に参加し、体験しながら理解を深めてもらえるイベントを運営したりしています」

天野さん

――2024年からは丸の内ポイントアプリとの連動もスタートして、マイボトルの利用やショッパーの辞退などでもポイントが貯まるようになったんですよね。それによって行動変容も促しているとのことですが、ポイント施策は参加拡大に効果を感じますか?

大林「そうですね。エリア内で最大のユーザー数を所持している丸の内ポイントアプリとの連動はACT5活動参加のきっかけに効果的です。活動参加のインセンティブとして今はポイントやクーポンの付与を導入していますが、将来的には“自発的にエシカルな購買・消費行動等が行われている状態”が理想です」

この記事をシェアしよう

丸の内LOVE WALKERの最新情報を購読しよう

この連載の記事