【連載】都市OSって何だ? ~西新宿スマートシティ協議会 勉強会レポート~
2022年01月12日 11時00分更新
※新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
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東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部です。(旧 次世代通信推進課note)。デジタルサービス局は、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進し、都政のQOSを飛躍的に向上させるため、新たに設置した組織です。その中で、ネットワーク推進課は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。
都民の皆様がどこにいてもサクサクつながる環境を構築するため、全国初となる5Gアンテナ基地局を搭載するスマートポールの試行設置や通信事業者が5Gアンテナ基地局を設置しやすいように、行政財産を開放するなど様々な取組みを展開しています。こうした日々の取組みを都民の皆様に情報発信していきます。
■前回の紹介記事はこちら。
東京都の誇るKing Salmonたちをご紹介します!
※過去の連載記事はこちら:東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部ネットワーク推進室(旧 次世代通信推進課note)連動企画
みなさんこんにちは。東京都では2020年度から、地元のエリアマネジメント団体である(一社)新宿副都心エリア環境改善委員会と西新宿スマートシティ協議会を運営し、地元企業をはじめとする様々なステークホルダーと連携し、都庁のお膝元の西新宿の街をスマートシティにしていく取組を推進しています。
勉強会について
協議会では、2021年度から新しい取組として、スマートシティに関連するテーマについて協議会PTメンバーの理解を深めるため、勉強会を実施しています。勉強会は持ち回りで実施しており、担当するメンバーがテーマを定め、講師役を務めています。これまでに2回の勉強会を開催しており、第1回目が「都市OS/エリアOSの在り方について」というテーマで、第2回目が「インターネットとスマートシティ」というテーマで行なわれました。本当はメンバー同士の交流も兼ねて対面で行ないたいところですが、こういうご時世ですのでオンラインで開催しています。毎回数十人参加しオンラインならではのチャットや投票機能なども活用しながら、活発に意見交換しています。
協議会ではメンバー同士の交流やコミュニティーへの参画促進に向けて、勉強会だけでなく様々な広報・巻き込み活動を実施していく予定です。西新宿で行なわれるプロジェクトについて地域のコミュニティーメンバーが意見交換を行なう会や著名人によるスマートシティに関する講演会などの新たな参加や交流の機会を通じ、西新宿のスマートシティの取組に関心を持ち一緒に関わっていただける方をどんどん増やし、熱量の高いコミュニティーを作っていきたいと思います。
都市OSとは
さて、勉強会のテーマに「都市OS」という言葉が出てきましたが皆さんご存知でしょうか?簡単に説明すると、都市やエリアに関する様々なデータを集積し流通させる土台のようなものです。
各地で実施されてきたスマートシティの取組では、防災や交通、エネルギー、観光、ヘルスケアなど様々な分野で取組が行なわれてきたものの、それぞれの分野を横断したデータの連携や活用がなかなか進んできませんでした。データが連携されないと、各々のサービスが個別に提供され住民の利便性の向上が進まなかったり、データを活用してサービスを提供したい事業者が個別に連携の仕組みを作らなければならずコストが上がってしまったりするといった課題がありました。
そんな中、分野を越えてデータを集積・流通させる仕組みであるIoT platformsがスマートシティの取組でも使われるようになり、都市オペレーティングシステム(都市OS)と呼ばれたりするようになってきました。IoT platformsは2016年の欧州委員会の報告書によると、世界に360以上あるとされており、商用かオープンソースか、主にどの様な用途で使われるかなどにより分類されています。アメリカのマイクロソフト「Azure」やアマゾン「AWS」が有名ですが、誰でも無償で使えるオープンソースの「FIWARE」というIoT platformもヨーロッパのスマートシティで多く活用されています。
IoT platformsの分類
日本でも、内閣府がスマートシティ実現に必要な構成要素や実装指針を体系的に整理したリファレンスアーキテクチャーを整備しており、その中でも都市OSを整備していくことが推奨されています。
スマートシティリファレンスアーキテクチャー全体像
概念的なことを色々と書きましたが、要は様々なデータを集積し流通させる基盤を整備することで、多様なステークホルダーが必要な情報にアクセスしやすくなり、街にデータを活用した様々なサービスが提供されるようになるといいなぁということを目指しています。
西新宿における都市OSの構築に向けて
西新宿スマートシティ協議会でも、様々なデータを連携したサービスの創出を目指し、今年度に都市OSの実証を予定しています。具体的には、西新宿エリアでは各ビルの敷地に有効空地と呼ばれるオープンスペースが多いという特徴を活かし、利用可能なスペースの情報と人流などの情報をダッシュボードと呼ばれる地図上に表示することで、スペースを活用したい事業者が情報にアクセスしやすくし、どの場所を活用するか検討するのに資する仕組みを作ろうとしています。また、そのダッシュボード上でスペースの利用などがワンストップで申請できるようにもしたいと考えています。
おわりに
今回は、西新宿スマートシティ協議会の取組のうち、勉強会と都市OSの2つの取組をご紹介いたしました。勉強会などの活動で協議会PTメンバー間の学びや交流を促進しつつ、新たにコミュニティーに参加する方々へのアプローチも進め、西新宿エリアの取組を熱量の高いものにしていきたいと思います。
この記事を読んでいただいた皆様も西新宿スマートシティ協議会のウェブサイトをごらんいただいたり、西新宿の取組を配信しているLINEコミュニティーに登録いただいたりして、是非とも熱量の高いコミュニティーの仲間に加わっていただければと思います。
また、集まっていただいた多くのステークホルダーの方が利便性を感じていただき、様々な取組を進めていただけるよう、都市OSの実証のような取組も合わせて行なっていきます。
多様な人が集まり、先端技術を活用した様々なスマートシティの取組が西新宿で行なわれ、多くの方々に西新宿を魅力ある都市だなと感じていただけるように、取組を進めていきたいと思います。
◆この記事は、下記より転載しています
https://note.com/smart_tokyo
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