今回は、東京都が行った小笠原村への海底光ファイバーケーブル整備について紹介します!【準備編】
2022年03月09日 14時00分更新
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東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部です。(旧 次世代通信推進課note)。デジタルサービス局は、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進し、都政のQOSを飛躍的に向上させるため、新たに設置した組織です。その中で、ネットワーク推進課は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。
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■前回の紹介記事はこちら。
東京データプラットフォーム協議会とは!? ―推進会議やワーキンググループの活動について―
※過去の連載記事はこちら:東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部ネットワーク推進室(旧 次世代通信推進課note)連動企画
突然ですがまたまた問題です。
Q1 小笠原諸島は、大陸と一度も陸続きになったことがないため、海を越えて辿り着いた生きものは、独自の進化を遂げています。小笠原の固有の植物(維管束植物)は36%、昆虫類では28%となっています。では、陸産貝類の割合は次のうちどれでしょう。
[ ヒント💡小笠原にしかいない固有の生きものの割合はとても高くなっています。]
Ⅰ.70% Ⅱ.94% Ⅲ.82%
Q2 東京都では、平成23年3月に八丈島から小笠原諸島までの海底光ファイバーケーブルの整備が完了しました。さて、八丈島から小笠原諸島まで敷設した海底光ファイバーケーブルの長さは次のうちどれでしょう。
[ ヒント💡小笠原諸島は都心から南に約1,000㎞離れています。]
Ⅰ.約800km Ⅱ.約900km Ⅲ.約1,000㎞
(解答は一番下に)
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東京から南に約1,000km離れた小笠原村の情報通信は、テレビ、電話及びインターネット等、すべてが衛星回線経由で接続されているため、次のような課題を抱えていました。
〇テレビ視聴などの情報通信が荒天時に不通となる
〇インターネットがISDN レベルで大容量の画像や動画の送受信が困難
〇地デジ化への移行後もフルハイビジョンによる放送を視聴できない
これらのことから、東京都は小笠原村の情報格差の解消と平成23年からの地上デジタル放送化に伴う代替受信手段を確保するため、平成21年に海底光ファイバーケーブル整備を開始し、平成23年7月には通信事業者が超高速ブロードバンドのサービス提供を開始しました。
今回はこの小笠原村への海底光ファイバーケーブルの整備についてご紹介します。
🚢八丈島から小笠原父島・母島まで海底光ファイバーケーブルを敷設
小笠原海底光ファイバーケーブル整備事業では、八丈島(当時、既に本土と海底ケーブルを接続済)から小笠原父島及び母島までの海底部のケーブル整備と、各島の陸揚部から通信施設(通信業者の局舎)までの陸上のケーブル敷設を行いました。
海底ケーブルの整備にあたっては、ケーブル障害のリスク軽減をするために、図1のように各島の沿岸部においてケーブルの2ルート化を図りました。これにより、万が一、一方のケーブルに障害が発生した際にも瞬時にもう一方のケーブルに切り替えることが可能となり、安定した通信状況を確保しています。(図1「敷設概要図」)
また、海底ケーブルは、浅海部ほど波などの外的要因による切断リスクが高いため、海底の深度により図2のように4種類の外装被覆を施したケーブルを使用しました。(図2「海底ケーブルの種類」)
🚢海底ケーブル整備事業の開始当時
平成21年に整備を開始しましたが、東京都においては海底ケーブルの整備をそれまでに実施した経験が無く、まず何から始めて良いのか分かりませんでした。このため、他の地域でに実施している海底ケーブル事業等の調査から始めました。しかし、海底ケーブルの事業自体、事例が多く見つかる事業ではなく、ケーブルを敷設するための専用船がなければ海底ケーブルの敷設ができないことや、当時その専用船が国内に2隻しかないことなどが判明しました。
🚢海底ケーブル整備の実施にあたって
本整備事業の工事内容は、大きく分けると、「ケーブル敷設船による海洋部ケーブル敷設工事」、「海底ケーブルを海から陸に上げる陸揚工事」、「陸揚げ後の陸上部管路工事」、「通信業者局舎内の設備工事」の4つとなっています。
陸揚工事のうち、ケーブルの陸揚地については次の条件を満たすことを前提に、現地の候補地を詳細に確認及び調査を行いました。
〇ケーブル切断リスクを減らすため、大型船舶の投錨区域を避けること
〇ケーブルの磨耗・損傷リスクを減らすため、浅瀬や岩礁帯区域を避けること
〇当時、世界自然遺産登録を目指していた小笠原において、出来るだけ自然を保護するため、自然公園法に基づく保護地域を避けること
〇出来るだけ陸揚地から局舎まで近いこと
陸揚地について、もう一つ重要な調整案件がありました。海底ケーブルを敷設すると、ケーブルの損傷を防ぐために、ケーブルの両側50mの範囲で、漁業の一部が制限されるとともに船舶の錨泊が出来なくなることから、各島陸揚地の海上約2㎞程度の範囲で漁業権を設定している漁業協同組合と入念な調整を行いました。
【次回に続く】
次回は、敷設工事についてご紹介します。
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🐟問題の答え
Q1: Ⅱ.94%
Q2: Ⅰ.約800km
◆この記事は、下記より転載しています https://note.com/smart_tokyo
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