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「ちゃんと儲かってますか?」丸の内でこの価格はうれしい! 50年以上愛される「ザ・町中華」の肉が多すぎる肉野菜炒めが大正解!

2024年10月18日 12時00分更新

 丸の内エリアの古き良き昭和レトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。17回目となる今回は、東京駅からすぐのところにある「中華 三富(さんとみ)」におじゃましました!

 お店があるのは、東京駅南口の高架下。煉瓦造りのアーチがなんともレトロな雰囲気を醸し出しています。「はとバス」の黄色いバスが何台も並んでいて、「ここに乗り場があるんだー」なんて思っていたら、そのすぐ目の前にお店を発見しました!

「はとバス」の待合室を過ぎると、すぐ左手にお店が見えてきます

 こじんまりとした外観は「ザ・町中華!」といった趣です。丸の内で個人店の中華料理屋さんって珍しいですよね。調理中は暑くなるからか、厨房のドアは開けっ放し、入口にはビール瓶も置きっぱなしですが、その飾らない雰囲気にたまらなく惹かれちゃうんですよね~。

「はとバス」の運転手さんやガイドさんもよく訪れるそうです

 カウンターに座って、さっそくメニューを見てみます。16時30分過ぎだったので、夜のメニューでしたが、麺類をはじめ、ご飯もの、一品料理、冷菜など60種類以上がそろっていて、これは悩む…。しかも、どれもリーズナブルな値段にびっくり。丸の内のど真ん中にあって、ラーメン750円、レバニラ炒め800円だなんて、「ちゃんと儲かってますか?」と心配になってしまうレベルです(笑)。

店内にはカウンターとテーブルがあり、「町中華」の王道スタイル

 メニューの数と値段に驚いて迷いまくってしまったので、店主の平田浩一さんにおすすめを聞いてみました。一番人気は「肉野菜炒め」で、一品料理はプラス200円で全品定食にできるとのこと。いいですね! そして、やはり町中華といえば、餃子も外せませんよね~。一緒に注文しました。

 まだ17時だというのに、お料理を待っている間にもお客さんが続々と入ってきます。常連さんでしょうか、みなさん、慣れた感じでさっと注文し、夕方の1杯を手にしています。お手頃なメニューがそろっているので、お昼どきは近隣で働く人たちで行列ができると聞いていましたが、夜はお酒と一緒に楽しむ人が多いんですね。

昼のメニューは、定食・ご飯類、麺・スープ類。夜はそれに一品料理や冷菜が加わります

 カウンター越しにシェフが軽快に鍋を振る様子を眺めていたら、「肉野菜炒め」が運ばれてきました。野菜たっぷり、お肉もたっぷり、照りっ照りでおいしそう~。

肉野菜炒め800円(夜・単品)+定食セット200円(ご飯、スープ、漬物)。昼は肉野菜定食1000円となり、大盛りは150円増し

 野菜はキャベツ、小松菜、もやし、にんじん…と、ここまでは王道の野菜炒めですが、他のお店とひと味違うのが、とろみをつけた豚肉あんが上にかかっていること。シャキシャキの野菜にあんがよく絡んで、ほんのりとした甘辛味でとろみがあるので、白いご飯にかけても最高! これはありそうでなかった一品です。定食にして大正解でした♪ 「あんかけ風なので冷めづらいし、お酒のおつまみにも合うんですよ」と、平田さん。がっつり食べたい派にも、飲みたい派にも、絶対おすすめしたい一品です。実は某人気テレビ番組の「野菜炒め特集」でも紹介されたことがあるんですって!

 一緒に運ばれてきた「餃子」は、大きめサイズが6個。特別に注文して作ってもらっているという皮はもっちもちで、中には合いびき肉、キャベツ、ニラがたっぷり詰まっています。うん、これは間違いない味です! ビールにもぴったりですね。

餃子は昼夜とも、単品500円、定食700円

パリパリもちもちの皮からジューシーなあんのうまみが弾けます

 こちらのお店には、麺類も大充実しています。その数なんと20種以上! 昼と夜で少しだけ品ぞろえが異なりますが、昼夜共通のメニューは値段も同じです。数ある麺類の中でも特におすすめだという「タンメン」も、追加で注文してしまいました。

タンメン950円(昼・夜同じ)。大盛りは150円増し。麺は製麺所に特注したもの

 塩味のスープに、もやし、キャベツ、ニンジン、小松菜、きくらげ、豚こまがどっさり。軽く炒めた野菜にスープを注ぎ、さっと煮込んでから麺と合わせているので、スープには野菜のうまみが溶け込んでいます。さっぱり優しい味わいで、ひと口飲んで思わず「しみる~」とつぶやいてしまいました。野菜もたくさん食べられるのがうれしいですね!

透き通ったスープはあっさりしていて飲み干したくなるほど!

 平田さんによると、「中華 三富」が開店したのは1971(昭和46)年。平田さんの叔父さんが始めたお店で、約40年ここで働いていた平田さんが10年ほど前にその跡を継いで2代目となったそうです。メニューのラインナップは創業時からほとんど変わらず、20年、30年とここで腕を振るうベテランのシェフたちが先代のレシピを守り継いでいるので、味もほとんど変わっていません。

長く働くシェフたちがお店の味を守っています

 「丸の内に都庁があったころは、都庁や都議会などに出前をすることもあって大忙しでした。退職した方が久しぶりに来店して、変わらぬ味に喜んでくださることも多いんですよ」と、平田さん。「8~9割のお客さんが長く通ってくれる常連さんなので、値上げしたくてもなかなかできないんですよねー」と、笑って話してくれました。

 ボリュームたっぷりのこだわりの味をお手頃に味わえて、がっつり1人ごはんにも、グループ飲みにもOK。ふらりと入れて、お店を出るときにはおなかいっぱい、心も満たされてしまう「中華 三富」。これは、50年以上愛され続けているのもナットクです。丸の内で中華を食べたくなったら、真っ先に思い出してくださいね!

 ということで、第17回の「中華 三富」のレポートはおしまい! 次はどんな「昭和レトロ」に出合いに行こうかな~。

横浜生まれ、横浜育ち。おいしいものと旅が大好きなオカダです!

中華 三富

住所 東京都千代田区丸の内1-10-10

営業時間 11:00~15:00(LO14:40)、16:30~22:00(LO21:40)、土曜11:00~15:00(LO14:40)

定休日 日曜、祝日

電話 03-3214-3595

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