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なぜここに? 有楽町のビルの合間の小さな神社、そのものスゴイご利益とは⁉

2025年09月05日 12時00分更新

 丸の内エリアの古き良きレトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。今回は、ずっと気になっていた神社に行ってみました。この丸の内・有楽町界隈に神社があるイメージってあまりないですよね? でも実は、すごいご利益をもつ神社があるんですよ!

5歩で社殿にたどり着く小さな神社におキツネさんが鎮座

 JR有楽町駅日比谷駅を出てすぐ目の前に立つ有楽町電気ビルの入口。ここに小さな赤い鳥居が立っているのを知っていますか? 私もよくこのあたりを通っていて、「あの赤い鳥居、なんだろう~?」とは思っていたのですが、きちんと訪れるのは今回が初めて! 

高架に沿って駅から1分ほど歩くと、高層ビルと緑の木々に囲まれた赤い鳥居が見えてきます

 ビルの陰に隠れるように、ぽつんというか、ひっそりというか、かなり控えめに立っている神社ですが、境内の前まで行ってみると、この周囲だけどこか神聖な空気が流れているのを感じます。木々の葉っぱがそよそよと静かに揺れて、ここだけ大都会の中の別世界のよう。周囲の人通りは多いですが、あまり気づかないのか、みんな足早に通り過ぎ、気に留める人はほとんどいませんでした。

時折、買い物帰りの女性や、赤い鳥居に興味を持ったらしい子供を連れた家族が参拝に立ち寄っていました

 神社の名前は「有楽稲荷神社」というそうです。今回、初めて知りましたが、なかなか立派な名前ですね! 境内は、といっても、5つの飛び石を進むともう社殿にたどり着いてしまうくらい、とても小さな境内で、歩き回って参拝するような神社ではありません。

鳥居の上に神社の名前が書かれた扁額が掲げられています

 でも、石造りの手水鉢も置かれていますし、榊やお神酒もお供えされていて、大事に祀られているのがわかります。賽銭箱や大きな鈴などもあって、これはもうれっきとした神社ですね。社殿の両脇には、稲荷神社で神の使いとされるキツネ2体もちゃんと鎮座していましたよ!

向かって左のキツネは玉、右のキツネは巻物をくわえています

石造りのキツネがりりしい表情で境内を守っています

江戸時代創建の神社は火災を免れた火伏せの神社でもあった!

 鳥居の左側には、神社の由来記も置かれていました。建立されたのは1859(安政6)年。高槻藩(現在の大阪府高槻市)の第11代藩主で、永井飛騨守(ながいひだのかみ)という役職に就いていた永井直輝が、天下泰平と子孫繁栄を願って藩邸内に建てた屋敷神だったと伝えられているそうです。なんと、江戸時代からある由緒正しい神社だったんですねー! 今まで素通りしていてごめんなさい…。

1973(昭和48)年、有楽町電気ビルの新築に伴い、一時は赤坂山王日枝神社に移されましたが、1979(昭和53)年に再びこの地に

 1908(明治41)年、「東京市電気局有楽町変電所」の建設に合わせて祠堂が改修されましたが、この後、この神社の御利益を知らしめる出来事が! 1923(大正12)年に起こった関東大震災の際、周辺はすべて延焼してしまいましたが、ここだけは災害を免れたそうなんです。そんな歴史から、今では火伏せの御利益もあるといわれているんですって。

 最近、地震や自然災害も多いですから、これはしっかり参拝しておかないと! 社殿に吊り下がっている鈴を鳴らし、お賽銭を入れて、平穏な毎日を祈って参拝してきました。

境内の手水鉢は、1860(萬延元庚申)年に8名が奉納したもの。当時の信仰の篤さを物語っています

参拝みやげは名店のいなり寿司!新感覚の「餅いなり」も感動モノ

 稲荷神社といえばキツネ、キツネといえば油揚げ…を思い浮かべますが、これは、稲荷神の使いであるキツネが油揚げを好むという信仰に由来しているそうです。

 今回は「有楽稲荷神社」参拝の思い出に、いなり寿司を買って帰ることにしました! 「いなり寿司 相模屋 丸ビル店」(東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディングB1)です。1869(明治2)年創業の専門店で、ひいおばあさんの味を今も受け継いでいるというから、これは期待が膨らみます。

いなり寿司(5個)850円~。蓋のキツネのあしらいがかわいい~! 2個340円でイートインもできます

 名物の「いなり寿司」は、自家製の豆腐から作っているという油揚げがまずおいしい~! 大豆の風味がきちんとして、油っこさは全くありません。濃いめですが、優しい甘さのダシで絶妙に煮つけてあり、中に詰められた酢飯と相性抜群。口の中でじゅわーっと広がっていく甘辛い味わいがたまりません! シンプルながら後を引く味わいで、2個め、3個めもあっという間でした(笑)。店員さんによると、酢飯がなくなり次第終了となるようなので、早めに買い行くか、予約しておくと安心です。

 そして、もう一つ、気になる一品を発見しました。「餅いなり」なる食べ物で、いなり寿司の油揚げの中にお餅が入っているようですが、これは初めて見ましたよ! 「いなり寿司」よりほんのひと回りほど大きく見えるので、お餅がパンパンに詰まっているようです。

餅いなり(プレーン)4個1,000円。見てください、この柔らか~なお餅! 500Wの電子レンジで約20秒温めると、つきたての食感に。イートインは2個540円で、おためし2個(いなり寿司1個+餅いなり1個)440円も

 さっそく食べてみると、これは!! 甘辛いダシが染みた油揚げとお餅って、こんなに相性がいいんですね。これは大発明です! 濃いめのダシと油がお餅によく絡まって、ジュワッ、モチッの新食感もたまりません。お餅なのでちょっと重いかな、と思っていましたが、ペロリでした。これ、今のところ、2025年に食べたものの中でナンバー1かも!

 ちなみに、いなり寿司と餅いなりはセットで購入すると50~120円の割引になるので、ぜひ一緒に買うのがおすすめ。私もすぐまた買いに行きたいです!

 ということで、第27回の「有楽稲荷神社」のレポートはおしまい! 今回も新しい発見がたくさんあった“おキツネさんツアー”でした。次はどんな「レトロ」に出合いに行こうかな~。

横浜生まれ、横浜育ち。おいしいものと旅が大好きなオカダです!

有楽稲荷神社
住所:東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル前
時間:6:00頃~19:00頃
料金:参拝無料

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