【丸の内MEMO】2026年GWの丸の内は「音楽の大河」に飲み込まれる!「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2026」記者会見レポート
2026年02月21日 12時00分更新
東京のゴールデンウィークの風物詩になった音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2026」(以下LFJ)。その全貌を明らかにする記者会見が、2026年2月18日に東京国際フォーラムで開催された。19回目となる2026年のイベントのテーマは、フランス語で河を意味する「LES FLEUVES(レ・フルーヴ)―大河」。壮大なテーマの全貌から、注目のアーティスト、街歩きが楽しくなる関連プログラムまで、見ていこう。
「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2026」は、5月3日(日・祝)から5月5日(火・祝)までを会期とし、東京国際フォーラムを中心に90の有料公演が開催される(周辺エリアでは無料公演も多数予定)。 毎年注目を集めるテーマは「LES FLEUVES(レ・フルーヴ)―大河」。 諸大陸を潤す大河をモチーフに、ヨーロッパからロシア、アメリカ、インド、さらにはアフリカへと広がる“音の世界旅行”を展開する。
2005年の第1回から取材し、長くかかわってきた筆者も記者会見に駆け付けた。
【ラ・フォル・ジュルネ(LFJ)とは】
「ラ・フォル・ジュルネ」は、1995年フランス西部の港町ナントで「クラシックの民主化」を掲げて誕生したクラシック音楽祭。会期中は、世界中からアーティストが集い、一流の演奏を、1公演約45分、低料金で、朝から晩まで繰り広げる。日本では、フランス版のコンセプトをそのままに、2005年から毎年ゴールデンウィークに東京・丸の内周辺で開催。有料公演のほか、誰でも気軽に演奏を楽しめる地上広場でのコンサートなどのオープンプログラム、マスタークラス、有料公演チケット(及び半券)の提示で参加できる数々のイベント(コンサート、子ども向けプログラム、講演会など)が行われ、子どもから大人まで楽しめる。また、音楽祭期間中は、丸の内などの周辺エリアでもミニコンサートが行われ、街中が音楽一色に包まれる。
記者会見に出席したラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2026運営委員会のメンバー。写真左から、近藤慶太氏(株式会社東京国際フォーラム)、梶本眞秀氏(株式会社KAJIMOTO)、榑林康治氏(三菱地所株式会社)、長谷川真氏(三菱地所株式会社)
2026年のテーマは「LES FLEUVES(レ・フルーヴ)―大河」。悠久の大河をめぐる名曲の数々
2026年のLFJが描き出すのは、悠久の時を経て流れる「大河」をめぐる物語。古来、大河は文明を育み、人や物資とともに「文化」を運ぶ大動脈だった。作曲家たちはその流れに故郷への想いや自然の驚異を重ね、数々の名曲を書き残してきた。
今回のテーマでは、ドナウ、ライン、モルダウといったヨーロッパの伝統的な河川はもちろん、ミシシッピ、ガンジス、そしてアフリカの大地を流れる河まで、世界中の大河にスポットを当てる。
モーツァルトやベートーベン、リスト、バルトークらの活動拠点であった楽都ウィーンおよびブダペストと特に強く結びついているヨーロッパ最長のドナウ川。スタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」でも印象的だった、ヨハン・シュトラウス2世のワルツ《美しく青きドナウ》はストレートに川を描いた名曲。
スメタナは、チェコ共和国内で最長の川モルダウ(ヴルタヴァ)川からインスピレーションを得て、交響詩〈モルダウ〉(《我が祖国》)を作曲した。フランス最長の川ロワール川のあるロワール渓谷に王侯貴族たちの住居として建つ城々は、その文化的な活気によって、ジョスカン・デ・プレ、クレマン・ジャヌカン、クロード・ル・ジュヌといった作曲家たちに影響を与え、新たな音楽様式の出現を後押しした。
さらにヨーロッパでは、スイス、ドイツ、オランダを流れるライン川から、沢山の名曲が生まれた。シューマンの交響曲第3番《ライン》はもとより、この大河を舞台とする「ローレライ伝説」も、ワーグナー(《ラインの黄金》)やリストら、数々の作曲家たちの創作意欲を刺激した。ロシアの「母なる川」と呼ばれるヴォルガ川は、有名な《ヴォルガ川の舟歌》をはじめとする多くの民謡の題材となっている。
古代都市バビロンの象徴でもあった名高いユーフラテス川は、旧約聖書『詩篇』の「シオン讃歌」など、数多くの聖なるテクストにもとづく音楽に登場する。ヨルダン川は、イエス・キリストが洗礼を授けられた場所として知られ、クラシック音楽の重要なレパートリーに幾度もインスピレーションを与えてきた。
そして北アメリカ大陸のミシシッピ川は、ブルースおよびジャズの誕生と切っても切り離せない。この大河の流域、特にニューオーリンズで生まれた音楽ジャンルは、アメリカのみならず世界中の音楽に深い影響を与えた。南アメリカ大陸のアマゾン川も、ブラジル出身のヴィラ=ロボスや、コロンビア、ペルー、ベネズエラ、ボリビア出身の作曲家たちの手を介して、クラシック音楽のレパートリーに鮮明な刻印を残してきた。
梶本眞秀氏(株式会社KAJIMOTO)の挨拶は以下の通り。
「カタログ(資料)を見ていると"26”なんて書いてあって、もう2005年から随分長くやってきたなと感じています。途中には、コロナ禍もありましたし、続けてこられたのを非常に嬉しく思っております。
ちょうど、ヨーロッパから帰ってきたところなのですが、ヨーロッパでも、国際間の対立、例えば、今いろいろ武力でよその国に入っていったりということが起きてて、良くない雰囲気が漂っております。
こういう時代に、ラ・フォル・ジュルネ、音楽、芸術に何ができるのか。私たち人間はやっぱり、こういう芸術を使い、芸術をやりながらいい時間を過ごす、いい世界を作っていく、ということをしなきゃいけない。 皆様と一緒に、こういった音楽祭を続けていくことで、世界をもっといいところにしたい、と思っています」
「LES FLEUVES(レ・フルーヴ) ―― 大河」のテーマビジュアルは、アーティスト、タイチ氏の作品「モナリザの休日」。
タイチ氏のコメントは以下の通り。
「僕は幼少期から気づけばいつも絵を描いていました。頭の中にある不思議でポップな幻想世界を、鮮やかな色彩を基調にキャンバスへ移すことで表現しています。日常の小さな幸せや不思議な物語をモチーフに、線用ペンで描き出す人物や動物たちは、明るい線とストーリー性を持ち、観るすべての人に温かさと想像力を届けたいと考えています。名画を現代風にアレンジするというスタイルは、僕の内なる世界を共有する手段です」
高橋太一(TAICHI/タイチ)●プロフィール
2005年生まれ。東京拠点。幼少期から絵を描くことを好み、自身の頭の中の不思議な世界観を作品化するスタイルで注目を集めている。優しく鮮やかな色彩と温かな物語のモチーフで描き出す作品は、日常のささやかな喜びやユーモアを、名画や歴史的モチーフの現代的再解釈として表現している。観る者に深い温もりと余韻を残す若き作家。
必聴!「大河」のうねりを体現する注目アーティスト
会見では、この壮大なテーマに挑む多彩な出演者たちが発表された。LFJならではの実力派から、今、最も旬な若手まで、バラエティ豊かな顔ぶれが集まった。
会場は、メイン会場が東京国際フォーラム。周辺エリアでは、大手町、丸の内、有楽町、東京駅、京橋、銀座、八重洲、日比谷などで開催される。有料公演は90公演。無料公演も多数予定されている。
有料公演の会場には、テーマにちなんだ世界各地の大河の名前が付けられている。今年も、日本各地からオーケストラが参戦し、大阪フィルハーモニー交響楽団 、仙台フィルハーモニー管弦楽団、千葉交響楽団が初登場する。
注目の演目は、以下の通り。
・シューマン・ナイト(公演114、以下公演番号): オリヴィエ・シャルリエ(Vn)とアリエル・ベック(Pf)による共演。
・スペシャル・セッション(公演115): 管楽器のレジェンド「スーパー・ブラス・スターズ」とジャズピアニスト・壷阪健登の共演。
・18歳の新星(公演212):ロン=ティボー国際音楽コンクール覇者、キム・セヒョンが初登場。
・チェロの祭典(公演312):ジュネーヴ国際音楽コンクール日本人初優勝の上野通明が初登場。
・合唱と合奏(公演313):聴衆も楽器を持参して参加できる「星条旗よ永遠なれ」を予定。
• ファイナル・コンサート(公演315): ピアニストとオーケストラが交互に演奏する熱狂のフィナーレ。 室内楽・独自企画 • 2台ピアノ
・連弾: ドビュッシーやストラヴィンスキーの衝撃作を披露(伊藤恵、北村朋也など)。
• 古楽アンサンブル: フランスの「レ・ミュジシャン・ド・サン=ジュリアン」が初来日し、バロックから伝統音楽まで幅広く演奏。
• ジャズ: 中川英二郎らがニューオーリンズのディキシーランド・ジャズを披露。
• 独自のパフォーマンス: 渋さ知らズ(公演126)や、38年ぶりに東京で蘇る「流響」(石井眞木作曲)など、多彩なジャンルが揃う。
■ 時代を拓く名手たちが集結
アリエル・ベック(ピアノ): 今、世界が熱視線を送る俊英。瑞々しいタッチで、河面に反射する光のような繊細な音色を響かせます。
北村 朋也(ピアノ): ワーグナーの超大作《ニーベルングの指環》をピアノ1台で描き出す挑戦的なプログラムを披露。ライン河の黄金が輝く冒頭は必聴です。
新倉 瞳 with 東京チェロアンサンブル: チェロの深い響きが重なり合い、大河の底流のような重厚なうねりを演出。
壷阪 健登(ピアノ): ジャズとクラシックを自由に行き来し、ミシシッピ河から広まったジャズの精神を現代に繋ぎます。
ポール・レイ・トリオ / エリプソス四重奏団: 河の流れのような即興性と、色彩豊かなハーモニーを丸の内の空気に溶け込ませます。
LFJの原点である「0歳からのコンサート」や「キッズのためのオーケストラコンサート」も勿論、開催。赤ちゃんからベテランのクラシックファンまで、文字通り全員が「大河」の流れに身を任せることができる。
街全体がステージ!充実の関連プログラムと「マルキューブ」の復活
LFJの醍醐味は、ホールの外にも音楽が溢れていること。今年は街歩きがさらに楽しくなる仕掛けが満載。
■ エリアコンサートと「マルキューブ」2年ぶりの復活
丸の内エリアファンに嬉しいニュース。丸ビル1Fの吹き抜け空間「マルキューブ」が、2年ぶりにLFJのステージとして復活。 そのほか、日比谷公園、東京ミッドタウン日比谷、JR東京駅など、約20カ所の特設会場で無料のエリアコンサートを開催。今年は新たにTokyo Innovation Baseなども加わる。
■ LFJ Strings EXPO 2026(ホールB7)
昨年1.2万人が来場した弦楽器の祭典が、さらにパワーアップして登場。国内外40社が集結し、名器を「見る・触れる・聴く」体験を提供する。今年は初心者が気軽に挑戦できる「弦楽器デビューコーナー」も新設。*写真は全て2025年に開催されたラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2025の様子。公式写真より。
アンバサダーに「古坂大魔王」が就任
人気お笑い芸人であり、ピコ太郎のプロデューサーとしても有名な古坂大魔王がLFJアンバサダーに就任した。
以下は古坂大魔王のコメント。
「子供の頃、幼馴染の兄が地方楽団のチェリストなので、生で演奏を聴いたり、CDをもらったり、コンサートには行っていたものの…電子音楽に傾倒した青春の日々…
クラシックから遠ざかっていた中で、テレビ朝日系『題名のない音楽会』でがっつりクラシックを再認識し『あ、これって常に最先端にいたから"クラシック"になったのか?』と気づいた古坂大魔王です。
自己紹介が長くなりましたが…このようにクラシックに熱狂できるフェス!があるとはつゆ知らず…アンバサダーになれてとても嬉しいです!
AI時代、やはり『触れ合う』が人間の最大のテーマ!音だってただの空気の波!その場に行かないと『触れ合えない』!さあ、触れて感じて『熱狂!』しましょ!」
チケット争奪戦に備えよ!スケジュールをチェック
人気の公演は発売と同時に完売することも。先行発売のスケジュールをしっかりメモしておきたい。*チケット詳細は公式サイトへ。https://www.lfj.jp/lfj_2026/ticket/
【チケット先行抽選販売】
・2/21(土) 11:00から3/1(日) 23:59まで
受付期間内に、一般発売に先駆けて、事前に申し込み、抽選でチケットを購入できる。先着順ではない。席の位置は、すべて抽選で決定する。座席番号は購入履歴で確認できる。
【チケット先行先着販売】
・LFJチケット販売サイトで購入の場合 3/7(土) 11:00から3/19(木) 17:00まで
・東京国際フォーラム ホールD1 チケットオフィス(窓口販売)で購入の場合 3/7(土) 12:00から17:00まで
一般発売に先駆けて、受付期間内、先着順にてチケットを購入できる。
【チケット一般発売】
・LFJチケット販売サイトで購入の場合 3/20(金・祝) 10:00から当日各公演の開演時間まで
・チケットぴあで購入の場合 3/20(金・祝) 10:00から当日各公演の開演時間まで
・東京国際フォーラム ホールD1 チケットオフィス(窓口販売)で購入の場合 3/20(金・祝) 11:00から17:00まで、公演当日8:30から21:30まで
一般発売日より公演当日まで先着順にてチケットを購入できる。
開催概要
催事名: ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2026
テーマ: LES FLEUVES(レ・フルーヴ)― 大河
日程: 2026年5月3日(日・祝)〜5日(火・祝)
会場: 東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町、東京駅、京橋、銀座、八重洲、日比谷
公演数: 有料90公演(ほか無料公演を多数予定)
公式サイト:https://www.lfj.jp/lfj_2026/
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