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なぜ日本一の巨大ターミナル駅の待ち合わせ場所は銀色の鈴なのか? 東京駅「銀の鈴」をじっくり調べてみた!

2026年02月27日 12時00分更新

 丸の内エリアの古きよきレトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。今回は、JR東京駅にある有名な待ち合わせスポットに行ってきました。改めて見てみたら、知らなかった秘密をたくさん発見しましたよ!

青白い光を放ち、存在感抜群の鈴。細やかなレリーフにも注目!

 その待ち合わせスポットとは「銀の鈴」です。以前から名前だけは知っていましたが、実は訪れるのは初めて。ちょうど知人と東京駅で待ち合わせをすることになったので、ここを指定してみたのでした。

 JR東京駅のシンボルのひとつですが、東京駅はなにせ複雑な構造の巨大ターミナル駅。無事にたどり着けるか、ちょっぴりドキドキしながら向かってみました。

駅構内の案内板にも「銀の鈴」の方向が記されています

 「銀の鈴」があるのは、東京駅の地下1階。まずは電車のホームから地下1階を目指します。地下中央通路に並ぶお弁当屋さんやスイーツショップを横目に見ながら、八重洲地下中央口に向かって進むと…、鈴のオブジェが見えてきました。あら、もっと迷うかと思っていましたが、意外とあっさりたどり着けましたよ。

遠くからでもすぐわかるので、これは優秀な待ち合わせスポット!

 透明のケースの中に設置された「銀の鈴」は想像以上に大きくて、なかなかの重厚感。近寄ってみると、いわゆる「ザ・銀色」というよりメタリックな淡いブルー調にも見え、ところどころラメのような金色がちりばめられています。遠目に見ると、これがきれいな銀色に見えるのですね。

 下の切り込みの「鈴口」や帯も精工に造られていて、今にも美しい鈴の音が聞こえてきそうです。

アルミ合金製で、直径は80cm、重量は約70kg

 あれ、よく見ると、帯の部分に魚のようなモチーフが…。これ、何だろう? 答えは、クリアケースの下に置かれた作者名のプレートにありました。プレートによると、この「銀の鈴」の作者は、第9代東京藝術大学学長で、金工作家の宮田亮平さん。イルカをモチーフにした「シュプリンゲン」シリーズが代表作だそうなので、このモチーフはイルカですね! 海をイメージさせるような、青白く光る鈴のカラーにとてもよく合っています。

「シュプリンゲン」シリーズは、作者の宮田さんが故郷の新潟・佐渡島から上京する際、フェリーから見たイルカの群れをモチーフとしたシリーズだそう

鈴が釣られている部分「鈕(ちゅう)」のところにも、イルカの尾ビレが見えます

昭和から平成、令和まで多くの出会いと別れを見守ってきた「銀の鈴」

 この「銀の鈴」ですが、実は4代目だそうです。2007(平成19)年10月、東京駅地下1階の駅ナカ商業施設エリア「グランスタ」の開業に合わせて設置されましたが、現在の形の「銀の鈴」が置かれるまでには60年近い歴史がありました。

 初代の「銀の鈴」が誕生したのは、1968(昭和39)年6月。東海道新幹線の開業以降、駅の利用者が増え、待ち合わせに困る人が続出したことから、東海道新幹線の乗り換え改札口前に置かれたのが始まりだといいます。待ち合わせの苦労って“昭和あるある”ですよね(笑)。当時はスマートフォンなんてない時代なので、どんなに大変だったことか…。

 駅員さんの提案によって、昔から人を呼び、注意を促す道具だった神社の鈴をイメージして設置されたそうですが、当時の鈴は和紙と竹を使って手作りされた張子に銀紙が張られていたのだとか! きっと温もりあふれる素朴な「銀の鈴」だったんだろうな。

ケースの下からライトアップの演出も。ピンク、オレンジ、緑、青、紫…と色が変わります

 2代目は1969(昭和44)年に誕生。今度は鋳銅製で、1978(昭和53)年までは隠しスピーカーから実際に鈴の音が流れる仕掛けが施されていたそうです。へー、これは聞いてみたかった! 遠くからでも見つけやすかったかもしれませんね。

 現在の場所に置かれるようになったのは3代目から。1985(昭和60)年に新しい「銀の鈴」が八重洲中央改札前に設置されましたが、1994(平成6)年に東北・北陸新幹線の東京駅乗り入れの整備に併せて、現在の地下1階に移設されました。

改札の外からアクセスする場合は、八重洲地下中央口の改札を入るとわかりやすいです

 「銀の鈴」にこんな歴史があったのですねー。設置されたきっかけはもちろん、ずっと同じオブジェかと思っていたので、現在のものが4代目だったことにも驚きました!

 少し意外だったのが、待ち合わせ場所として立っている人が少ないことでした。日曜の午後に訪れたので、人混みをかき分けないと鈴も見られないかな…と覚悟して行ったのですが、思いのほか空いていて知人ともすぐに合流することができました。実は案外、穴場だったりして⁉(笑) 最近はスマートフォンで簡単に連絡を取れるので、ここで待ち合わせする人も少なくなってきたのかもしれませんね。

「銀の鈴」周辺は広場のようになっていて、ベンチがあるほか、老舗や名店が集まる「グランスタ東京」も隣接

 でも、この鈴がJR東京駅を行き交う人々を長く見守り続けてきたエピソードを知って、長い間大事な役割を果たしてきた駅のシンボルなんだな、と感じました。便利なスマホ時代になっても、これからも王道の待ち合わせ場所として、ずっとここにあってほしいです。

おみやげは「銀の鈴」をイメージしたかわいい和菓子に即決!

 待ち合わせしている間、すぐ目の前にある「グランスタ東京」のスイーツショップをのぞいてみました。「銀の鈴」をモチーフにしたお菓子がいくつかあると聞いていたところ、キュートな和菓子を見つけました! 創作和菓子の人気店「香炉庵 KOURO-AN」の「東京鈴もなか」です。

 「銀の鈴」をかたどった形がかわいい~。食べるのがもったいないくらいです。ひと口サイズのサクサクした最中には、上品な甘さのこしあんとモチモチの求肥が詰まっていました。ここ「グランスタ東京店」の限定品なので、丸の内散策のおみやげにぴったりですね!

「香炉庵 KOURO-AN」(グランスタ東京B1 銀の鈴エリア)の「東京鈴もなか」1,350円(4袋入)。1袋に2玉入り。箱にも小さな鈴が付いています!

 ということで、第34回の「銀の鈴」のレポートはおしまい! 今まで名前しか知らなかった「銀の鈴」で実際に待ち合わせしてみて、昭和、平成、令和の東京駅の歴史も感じることができました。次はどんな「レトロ」に出合いに行こうかな~。

横浜生まれ、横浜育ち。おいしいものと旅が大好きなオカダです!

銀の鈴
住所:東京都千代田区丸の内一丁目9-1 JR東京駅改札内B1
時間:始発~終電時間まで

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