ご近所の会社がこんなに凄かった!~「究極のジモト愛」特集・オンリーワンのジモト企業編~
2021年03月21日 12時00分更新
人々の世界を変えた! 「機械遺産」に認定された計量機
「ものづくり大国」として、伝統と歴史を誇ってきた日本は、高度な技術のDNAが受け継がれている。本誌の取材中、わが町、横浜市にもそんな遺伝子を継いだオンリーワンの技術を持つ企業があったことを知った。
横浜市栄区に工場を持つ「タツノ」は、機械技術に関わる歴史的遺産「機械遺産」に認定されたガソリン計量機を世に出した企業。
「機械遺産」とは、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、人々の生活や社会の発展に貢献したものが認定されているといういわば、機械版の世界遺産のことだ。
世界初の高速鉄道車両の東海道新幹線0系やグランドセイコーなども認定されている。「特許タツノ式ガソリン計量機型式25号」は、大正時代に製造が開始され流量計と計量表示部がまだ装備されてない機種だったそう。
地下タンク内のガソリンを手動ポンプで、本体上部のガラス容器に汲み上げ、容器内の摺動菅と基準菅の高低差により5リットルまたは1ガロンごとに任意で迅速な給油を実現できた機種だったのだ。
広報の森さんは、「認定を決めた日本機械学会からは、燃料をこぼさず、蒸散を抑え、さらに顧客の求める量を正確に供給するという機能を持つこの計量機が、危険物の計量と供給の技術を通じて、日本の産業の発展に貢献したというお言葉をいただきました」とのこと。
このガソリン計量機の発明により、人々の生活はこれまでよりグッと快適になったことは間違いない。その後、メーター電動式、時計式計量表示さらに電子化に進化することになるが、この発展の礎となったのが、このガソリン計量機なのだ。
実物は、横浜工場ショールームに展示されている(展示機種は昭和12年製)。日本最初のガソリン計量機は、東京都港区にある三田図書館の前の屋外に置かれ、誰でも見られるようになっているので、ぜひ見に行ってみよう。
(「オンリーワンのジモト企業」特集担当・斉藤)
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