バスケ日本代表・西田優大選手や「キリマルラーメン」ともコラボ! 三河地区らしい”おいしい食”を追求【新三商事株式会社】
2023年03月05日 10時00分更新
愛知県安城市は、持続可能なまちづくりとSDGsに取り組む企業・団体と共にSDGsの目標達成を目指す「あんじょうSDGs共創パートナー制度」を立ち上げ、現在190社を超える企業と団体がパートナーとして登録している。
シリーズ企画として、そんな共創パートナー企業・団体を広く発信。事業内容やSDGsの活動をはじめ、地域との結びつきまで、「実はこんなユニークな取り組みを行っていた!」と、共創パートナー各企業・団体の知られざる魅力を深掘りしていく。第5回は、愛知県安城市に本社を置く新三商事株式会社を紹介する。
社員食堂や道の駅の運営など「食」に関わる事業を展開
企業内の売店や社員食堂の運営をはじめ、イベントにおけるキッチンカーや屋台の出店、道の駅やコンビニエンスストアの運営など、多彩な事業を展開している。特に力を入れているのが地域連携だ。
名産品や特産品などの食材にとどまらず、地域のアイコンと呼べる企業や商品とコラボして、新しい価値を生み出している。代表的なコラボ商品に、プロバスケットチーム「シーホース三河」の選手と共同開発したグルメがある。
「ファンために」という思いから誕生した選手とのコラボ商品
シーホース三河も新三商事も、共にアイシンと深い関わりがある企業だ。実際、新三商事はシーホース三河のホームゲームで売店やキッチンカーを出店している。こうしたコラボ商品も二つ返事で引き受けているのかと思ったら、裏側は違った。営業部の深津ひかるさんは「選手とのコラボ商品は私たちから提案させていただきました」と話す。きっかけは「ファンの方々の喜ぶ顔が見たいから」だった。
「確かに、私たちはシーホース三河さんの公式売店を運営しています。でも、シーホース三河さんはおもてなしに力を入れ、本当にファンのことを大切に考えているクラブです。『ファンのためになる企業と組む』という考えがありますし、こうした企画において私たちがすんなりと選ばれるわけではありません。私たちとしては、競合他社と切磋琢磨(せっさたくま)して強みや独自性をアピールし、ファンの方々に喜んでもらえる商品を作る必要があると考えました」(営業部・深津ひかるさん)
距離が近いからこそ、むしろ厳しい目で見られることもある。だから、期待以上の企画力や商品力で応えなければならない。調理師、管理栄養士、企画推進者で構成された開発チームは選手の好みや要望について細かくヒアリングを行い、実食の時間も設けて意見を聞き、改良を重ねながら作り上げていった。
コラボ商品を担当して1年目は2選手のみだったが、2年目はシーホース三河からの要望を受けて4選手とのコラボ商品が実現した。当然、1年目の商品が評価されたからだ。
「シーホース三河の西田優大選手は、日本代表にも選ばれている人気選手です。大学生の頃から『おでんくん』の愛称で親しまれていて、一緒におでんを開発したときはファンの皆さんから『とうとうきたか!』なんて声も聞かれました。大きな反響を得ることができてうれしかったです」(営業部・深津ひかるさん)
シーホース三河に限らず、西三河のご当地即席ラーメン「キリマルラーメン」とのコラボキッチンカーや、西尾市の特産品である抹茶を使ったスイーツなどの開発なども、地域連携の代表例だ。
自社農園で食の循環サイクルを確立
SDGsの取り組みにも目を見張るものがある。新三商事の特筆すべき点は、食の循環サイクルを確立していることだ。
同社が運営する社員食堂だけで、1日1トン近くもの生ごみが出るそう。以前は焼却処分していたが、環境負荷を考え、現在は生ごみ処理機を導入。1日あたり300kgの生ごみを処理し、農作物の肥料に変えている。
処理によってできた肥料は自社農園で使用される。完全有機で育った農作物は自社工場で加工され、そこから食堂へ運ばれ、再び消費者の食となる。ちなみに、自社農園の農地は休耕地を活用したものがほとんど。無駄を排除した環境に優しい仕組みの確立はあっぱれと言うしかない。
今後について、事業企画室の新實グループリーダーは「安城市に本社を構えながら、まだ安城市の特産品とコラボした実績がありません。安城梨は有名ですし、ご縁があればコラボ商品の開発に取り組みたいですね。そして、西三河から新しい価値を発信していけたらと思います」と話す。
地域連携で新しい価値を創出する新三商事。これからも独自のアイデアや開発力を存分に発揮し、食を通して地域を盛り上げていく。
(提供:安城市)
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