ブログ「超高層ビル・都市開発研究所」を運営し、9年間ほぼ毎日都市開発ネタを発信するマニア「きりぼうくん」。本連載では、丸の内に広がる地下空間の楽しみ方を、マニアならではの知見とともに解説してもらいます!
これまでの記事では、丸の内の地下を縦横無尽に移動することができる4つメインルートを紹介してもらいました。今回は、その上級者編。一見見過ごしてしまうようなビル内の細い地下通路を通って、隣接する建物やメインルートに接続できるショートカットコースをご紹介。使いこなせば、移動時間が格段に短縮できるかもしれません!
4つのメインルートにプラスすることで、最速で目的地へ向かえるショートカットコース!
これまで2記事にわたって、丸の内の地下通路をスムーズに移動するための方法をご紹介してきました。おさらいですが、覚えるべきは4つのメインルート。各方面へのハブとなるメインルートAと、南北を一気通貫できる直線のメインルートB。そして、丸の内の北(全体図の下側)にある常盤橋エリアとBを結ぶメインルートCに、丸の内の南(全体図の上側)に位置し銀座方面とBを結ぶメインルートDです
それぞれのルートを経由することで迷うことなく丸の内の地下を移動することができますが、分かりやすさ重視でお伝えしているため、中には目的地まで遠回りになってしまうルートもあるかもしれません。
そこで今回は、メインルートを把握している貴方だからこそ、利用すれば時短で効率良く移動できる、無敵のショートカットコースを3つお教えします! ちなみに、すべてビルを通るルートなのですが、どこも冷房が効いていて涼しいので、この時期とても嬉しいですよ(笑)。
ここからは前回同様、私が実際に歩き撮影した写真とともに、通路の特徴的な内装や空間、改札などのチェックポイントをお伝えします。ぜひ各場所の特徴を覚えてください!
ショートカットコースa:メインルートBからJR京葉線東京駅(メインルートA)への最短ルート!
1本目は、メインルートBの日比谷方面から、JR京葉線東京駅方面、さらにはメインルートAへ最短で向かうことができるルートです! BからAへ行くには、丸ビルと新丸ビルの間に位置する「行幸地下通路」を通るのが基本ですが、このコースを通れば丸の内南側(全体図の上側)で行き来できるようになるんです!
ではまず、「JR京葉線東京駅」までのルートを実際に歩いてみましょう!
スタート地点の目印は、メインルートBを歩いていると現れる「B5出口」の看板(①)。「丸の内二重橋ビル」の入口でもあるので、一見ここが通路として向こう側につながっているとは思えないのですが、迷うことなかれ。自動ドアを抜けエスカレーターを上がると、対岸の出入口まで見渡せる、広くてきれいな飲食店街が(②)。そうそう、ご存知かと思いますが丸の内エリアのビル地下には、飲食店を中心に本当にたくさんのお店が入っているので、思わず寄り道したくなるような発見も楽しめるはずですよ。
今回はルートご紹介なので寄り道は我慢。そのまま突き当たりまで進み「丸の内二重橋ビル」を出ると「新東京ビル」につながっています。あとは、ビル出入口や館内にある看板の通りに進むだけ。「新東京ビル」を出たら(③)、東方面(図aで左)に進むとすぐ「JR京葉線東京駅」改札へと続く大きな通路(④)に出られます!
次に、③から「JR京葉線東京駅」方向へ向かわず、分岐地点となっている「丸の内パークビルディング」の商業施設「丸の内ブリックスクエア」内を経由してメインルートAに接続するルートを行ってみます。
ショートカットコースb:メインルートBからメインルートCへ、丸ビル・新丸ビル内を横断する短縮ルート!
お次は、メインルートBの千代田線二重橋前(丸の内)駅から、丸ビルと新丸ビルの飲食ゾーンを経由。メインルートAを通りながらメインルートCの東西線大手町駅まで辿り着ける最短コースです。途中、地下なのに屋根がないレアな風景も拝めるのが個人的に推しポイントです♪
スタート地点はまたまたメインルートB上(①)。千代田線二重橋前(丸の内)駅の目の前にある、こちらもスルーしてしまいそうな「三菱商事ビル」入口の階段を上がって建物内に入ります。中には無機質な一直線の通路が(②)。ひたすら直進し、そのままビルを出たら連絡通路 (③)を通って「丸ビル」内へ到着です。
「丸ビル」からは、4つのビル内を貫通する約600mの通路をひたすら北(地図bで下)へ進みます!
まずポイントとなるのが、「丸ビル」と「新丸ビル」を結ぶ「行幸地下通路」(⑤)。よくある上から垂れた看板ではなく、柱や壁部分に方向が書かれたポスターが目印。やや見つけにくいので注意して探してみてください。また、「行幸地下通路」のメイン通路を横切り小道から出て小道に入って行く形になるので、不安になるかもしれませんが、僕を信じて進んでください(笑)。
「新丸ビル」まで来れば、後は直進あるのみ。ここでひとつ見所があります。それは、「新丸ビル」と「三菱UFJ信託銀行本店ビル」の間にある地下の庭スペース「サンクンガーデン」(⑦)。通常、地下階を備えたビルは建築時にまずは開削ですべて掘り下げられそこから立ち上がっていくのですが、大規模ビルが隣接する丸の内では、このようにあえて掘り下げたスペースを活かした地下の庭のようなものが存在します。今までずっと地下移動していたからこそ、何倍も開放感を感じられるスポットです!
その後は、2つのビルを通り抜ければ目的地はすぐ。比較的お店が少なくて人通りもあまりない「三菱UFJ信託銀行本店ビル」と、バラエティ豊かな飲食店が並ぶ商業スペース「iiyo!!(イーヨ!!)」がある「丸の内永楽ビルディング」内を通り、目の前に現れるエスカレーターを降りれば、東西線大手町駅に到着です!
ショートカットコースc:大手町方面から有楽町駅までを最短でつなぐ、国際フォーラム内を通るルート!
最後に、メインルートをつなぐコースではないのですが、とっておきのショートカットコースを。それは「JR京葉線東京駅」通路から「東京国際フォーラム」を経由し「東京交通会館」へとつながるルート。ココを通れば、大手町方面から有楽町駅まで最短で行くことができます。さらにその先のイトシアも経由すれば、銀座まで抜けることもできちゃうんです!
まずはメインルートA解説の時にも紹介した京葉線通路から「東京国際フォーラム」への入口(①)に進みます。登り続けると国際フォーラムの地上中庭に出られますが、今回は地下から建物内に入りましょう。突き当たり(②)を右に進み突き当たりの「シズラー 東京国際フォーラム店」前(③)を左へ曲がってズンズン進むと有楽町線有楽町駅の改札通りに到着です(④)。さらにここで左に曲がって突き当りまで進むと、昭和レトロ企画で紹介されたレトロ喫茶「ローヤル」も入った「東京交通会館」地下へ接続(⑤)。その先の地下広場と「有楽町イトシア」も経由すれば、丸ノ内線銀座駅方面に抜けることも可能。前回メインルートにてご紹介した大手町~銀座の裏ルートとも言える上級コースです!
いかがでしょうか? 前回までにご紹介した4つのメインルートに加え、今回のショートカットコースまで覚えたら、丸の内地下はもう庭みたいなモノ。これで貴方もダンジョンマスターです(笑)
ちなみに地図をよーく見てもらえれば他にもショートカットコースはあります。隠し通路を探す気持ちで、自分だけのマイルートを探してみるのも面白いはずですよ!
そうそう、ショートカットコースはビルの中を通るので通行可能時間には注意してくださいね。
次回は、古くからある丸の内地下のスポットを巡りながら、歴史に想いを馳せてみます!
文/きりぼうくん
超高層ビル、タワーマンション、駅ビル、地下街、再開発ネタを発信する「超高層ビル・都市開発研究所」の運営をしているブロガー。デベロッパー、ゼネコンのニュースリリース、さらには内閣府や都道府県など行政機関が出す情報を得て、現地を実際に巡るスタイルで取材。記事は9年間ほぼ毎日更新。Twitterでもアツく情報を投稿し、フォロワーは約3.6万人に及ぶ筋金入りの都市開発マニア。
・ブログ「超高層ビル・都市開発研究所.blog」
・Twitter 「超高層ビル・都市開発研究所の中の人 (きりぼうくん)」
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