世界遺産登録20周年!記念すべき年に、和歌山「世界遺産」を巡る旅に出かけよう

2024年01月17日 10時00分更新

文● LOVEWalker
提供: 和歌山県観光振興課

 「紀伊山地の霊場と参詣道」は、和歌山県、奈良県、三重県の三県にまたがる「紀伊山地の自然」がなければ成立しなかった「霊場」と「参詣道」、それらを取り巻く「文化的景観」が高い価値があるということで、2004年7月に世界遺産に登録され、今年は、登録されてから20周年という記念すべき年を迎える。この記念すべき年に、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を訪れてみては。

 和歌山県内の世界遺産に登録された社寺はもちろんのこと、熊野古道や高野参詣道といった参詣道を巡ることもおすすめ!

 和歌山県では、この年を盛り上げるため、平安時代より上皇や貴族らにより行われた「熊野御幸(くまのごこう)」を再現する「令和の熊野詣」が行われている。現在、熊野古道「紀伊路」を数回に分けて歩く「熊野古道リレーウォーク」を実施中!語り部のもと、白装束を着て歩くというまたとない機会なので、ぜひご参加を。古の人々に思いを馳せながら歩いてみては?

熊野古道リレーウォークは3月2日まで開催中!

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 今回は、世界遺産「高野山」「熊野」の魅力をご紹介!世界遺産登録20周年という記念すべきこの年に、和歌山の世界遺産の魅力に触れてみてはどうだろうか。

弘法大師空海ゆかりの高野山と高野山麓エリアを巡る

標高約900mの山上盆地に広がる高野山は、約1200年前に弘法大師空海によって開かれた真言密教の聖地。特に、「壇上伽藍」と「奥之院」は2大聖地として信仰を集めている。また、高野山麓にも世界遺産に登録された弘法大師空海ゆかりの社寺があり、見どころが満載!

ー高野山内の中心寺院「金剛峯寺」

 高野山真言宗の総本山である「金剛峯寺」。檜皮葺の屋根と大玄関の装飾が壮麗な主殿や斎藤等室(とうしつ)によって描かれた襖絵、国内最大級の石庭「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」などが拝観できる。細部にまでこだわった木造建築や襖絵、白川砂と花崗岩で雲海に浮かぶ龍を表現した広大な石庭などをじっくりと見て回りたい。

檜皮葺の屋根と大玄関の装飾が壮麗な主殿に圧巻!

金剛峯寺
住所:伊都郡高野町高野山132
TEL:0736-56-2011
時間:8:30~17:00(最終受付16:30)
休み:なし
料金:参拝無料、金剛峯寺1000円
ホームページ:https://www.koyasan.or.jp

ー空海が高野山で最初に真言密教の根本道場を開いた聖地「壇上伽藍」

 「壇上伽藍(だんじょうがらん)」は、弘法大師空海が高野山を開いた際、真言密教を日本に広めるための根本道場が造られた場所。特に、根本大塔は、真言密教の世界観を表す重要な建物で、内陣には「胎蔵界」「金剛界」の両界曼荼羅の仏像が安置され、「胎蔵界」「金剛界」が融合した立体的な両界曼荼羅の世界が表現されているので、内陣をぐるりと回ってお参りしよう。壇上伽藍には、根本大塔のほか、高野山の総本堂として重要な儀式を行う金堂や弘法大師空海の御影を祀る御影堂など、19もの諸堂が並んでいる。

高さ48.5mの根本大塔。存在感たっぷり!

壇上伽藍
住所:伊都郡高野町高野山152
TEL:0736-56-2011(金剛峯寺)
時間:8:30~17:00(最終受付16:45)
休み:なし
料金:参拝無料、金堂・根本大塔各500円
ホームページ:https://www.koyasan.or.jp

ー「奥之院」で神秘的なパワーを感じる

 「奥之院」は、835(承和2)年3月21日に世の中の平和と人々の幸福を願い、永遠の瞑想に入られた弘法大師空海の御廟が祀られている神聖な場所で、何とも言えない厳かな雰囲気が漂っている。また、四国八十八ヶ所の結願成就の報告のために、多くのお遍路さんが最後にお参りする場所としても有名。

 一の橋から弘法大師空海の御廟がある奥之院までの約2kmの石畳の参道には、樹齢千年にも及ぶ杉木立や、20万基以上の時代や宗派を超えた墓碑や供養塔が並び、織田信長や武田信玄などの戦国武将や著名人の墓碑も多くある。歴史好きにはたまらない。

生身供(しょうじんぐ)。毎日午前6時と午前10時30分の2回、弘法大師空海に食事を運ぶ

奥之院
住所:伊都郡高野町高野山550
TEL:0736-56-2011(金剛峯寺)
時間:燈籠堂開扉6:00~17:00、
御供所11~4月8:30~16:30、5~10月8:00~17:00
休み:なし
料金:参拝無料
ホームページ:https://www.koyasan.or.jp

ー空海を導き高野山を授けたと伝わる女神を祀る「丹生都比売神社」

 1700年以上前に創建された神社で、天照大御神の妹である丹生都比売大神を主祭神として祀る。丹生都比売大神は、古来魔除けとされた丹(辰砂の鉱石から生まれる赤い顔料)を司り、元寇においては神威を顕して元の大軍を退けたとされ、朝廷及びその時々の幕府から崇敬を受けていた。

 また真言密教の根本道場となる地を求めていた空海のもとへ、白と黒の御神犬を遣わして神領であった高野山へ導き、その地を授けたと言われている。

 かつて、高野参詣のために町石道を歩く者は、まず丹生都比売神社を参拝するのが習わしであった。

四社が並ぶ本殿は、楼門と共に室町時代の造営で、国の重要文化財に指定されて いる 9 (cap)淀君が奉納したと伝わる輪橋

丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)
住所:伊都郡かつらぎ町上天野230
TEL:0736-26-0102
時間:参拝自由(授与所8:45~16:30)
休み:なし
料金:参拝無料
ホームページ:http://niutsuhime.or.jp/

神々が棲まう蘇りの聖地「熊野」を巡る

 熊野は古より川や滝、巨岩などを神とする自然崇拝の地で、世界遺産の「熊野三山」が信仰の中心地となっている。熊野三山とは「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」「那智山青岸渡寺」の三社一寺を総称したもの。

 平安時代には、皇族らの御幸が盛んに行われ、時代が進むにつれ、武士から庶民にまで広がり、多くの人が峠を歩く姿は「蟻の熊野詣」と言われたほど。先人たちに思いを馳せながら熊野三山へ参拝に行こう。

ー苦難苦行の道のりを乗り越え、最初にたどり着く「熊野本宮大社」

 熊野参詣道の中でも多くの人がたどった中辺路を歩くと、最初にたどり着くのが「熊野本宮大社」。立派な檜皮葺き白木造の社殿が見え、落ち着いた雰囲気を漂わせている。

主祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)とされる家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)、向かって左手の社殿が熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の二柱、右手は天照大御神(あまてらすおおみかみ)が祀られている

 また、かつて、熊野本宮大社は「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中洲に社殿があったが、1889(明治22)年の大洪水で社殿の多くが流出し、1891(明治24)年に被害を免れた上四社が現在の場所に遷座された。大斎原は、熊野本宮大社から歩いてすぐの場所なので、ぜひ訪れよう!

熊野本宮大社から歩いてすぐのところにある大斎原。日本一の大鳥居に圧倒される!

熊野本宮大社
住所:田辺市本宮町本宮1110
TEL:0735-42-0009
時間:7:00~17:00、社務所・授与所8:00~17:00
休み:なし、宝物館は不定休
料金:参拝無料、宝物館300円(要予約)
ホームページ:http://www.hongutaisha.jp/

ー全国熊野神社総本宮である熊野三山の一社「熊野速玉大社」

 イザナギノミコトとされる熊野速玉大神とイザナミノミコトとされる熊野夫須美大神の夫婦神を主祭神として、十八柱の神々が祀られている。また、境内には国の天然記念物に指定された樹齢1000年の御神木ナギの大樹があり、熊野権現の象徴として古くから信仰されている。ナギは海の凪に通じ、熊野詣の旅路は波風の立たない穏やかな旅であることを願い、このナギの葉を御守りとして持ち帰ることが習わしだったと言われている。

朱塗りに輝く社殿が眩しい

熊野速玉大社
住所:新宮市新宮1
TEL:0735-22-2533
時間:5:00~17:00(授与所8:00~17:00)
休み:なし
料金:参拝無料、神宝館拝観料500円
ホームページ:http://www.hongutaisha.jp/

ー熊野詣の最後に詣でる「熊野那智大社」「那智山青岸渡寺」

 熊野那智大社は青岸渡寺とともに熊野信仰の中心地で、熊野古道・中辺路をたどってきた人々が最後にたどり着く聖地。御本殿は6棟からなり、主祭神のイザナミノミコトとされる熊野夫須美大神のほか十二柱の神々が祀られている。

 主祭神の熊野夫須美大神は、「結(むすび)」という意味も持つことから縁結びの神様としても崇められている。

拝殿の前で護摩木が焚かれている。ここで身を清めてから参拝しよう!

熊野那智大社
住所:東牟婁郡那智勝浦町那智山1
TEL:0735-55-0321
時間:7:30~16:30、宝物殿8:30~15:30
休み:なし(宝物殿は水曜)
料金:拝観無料、宝物殿拝観料300円
ホームページ:https://kumanonachitaisha.or.jp/

 西国三十三所の一番札所である「那智山青岸渡寺」。かつては、那智の滝を中心とした神仏習合の一大修験道場だったが、明治初期に那智山 青岸渡寺と熊野那智大社に分離。今も双方の社寺を参拝する人が多い。

天然木の木肌、風合いを素木のまま表現されている素木造りの本堂。1590(天正18)年に豊臣秀吉の命令により再建された

那智山青岸渡寺
住所:東牟婁郡那智勝浦町那智山8
TEL:0735-55-0001
時間:7:00~16:30
休み:なし
料金:参拝無料、三重の塔入場料大人300円
ホームページ:https://seigantoji.or.jp/

ー関西屈指のパワースポット!日本一の落差を誇る「那智の滝」

 熊野那智大社の別宮である飛龍神社の御神体として祀られ、熊野の信仰のシンボルとして崇められてきた「那智の滝」。その水柱の高さは133mと日本一の落差を誇る。冬の澄んだ空気の中、切り立った断崖からまっすぐに滝壺に落ちる様子は雄大で神々しい。

関西屈指のパワースポットである「那智の滝」。延命長寿のご利益があると言われている

那智の滝(飛瀧神社)
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山
TEL:0735-55-0321
時間:7時30分~16時30分(お滝拝所は7時30分~16時)
休み:なし
料金:見学自由。お滝拝所参入料300円
ホームページ:https://kumanonachitaisha.or.jp/

 世界遺産登録20周年を迎える「紀伊山地の霊場と参詣道」。最初でもお伝えしましたが、和歌山県では、「令和の熊野詣 熊野古道リレーウォーク」を開催中!語り部の案内のもと、白装束を着て歩くことができる。古の人々の思いを馳せながら歩くことができる絶好の機会なので、ぜひご参加を。

熊野古道リレーウォークは3月2日まで開催中!

★申し込みはコチラから
https://sp-ad.jp/reiwanokumanomoude/

 また、和歌山県内各地で、世界遺産登録20周年記念した期間限定の特別拝観や地域での特別企画などの開催が予定されているので、この機会に訪れてみてはどうだろうか。

 神聖なエネルギーも感じるとともに、悠久の歴史に思いを馳せることができる、和歌山の聖地・世界遺産「高野山」「熊野」を巡る旅に出かけよう!

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