群馬・桐生の企業が作った可愛くて遅いEVバス「eCOM」は、観光地で活躍する人にも環境にも優しいヤツ

2024年03月09日 13時00分更新

 3月2日に群馬県前橋市で開催されたUPDATE EARTH 2024では、会場周辺にEVバス「eCOM」が運行していた。それがこんな黄色くて可愛いヤツだった!

eCOM

前橋で開催されたUPDATE EARTH 2024では会場周辺に黄色くて可愛いEVバスが運行されていた

▼ホイール内にモーターを搭載 最高速度は19km/h
▼4輪、8輪、10輪のタイプが用意されている

 この電気で動くバスを開発したのは、群馬県桐生市の企業、株式会社シンクトゥギャザー。今回はUPDATE EARTHからの依頼で、タイプの異なる複数のeCOMを運行させた。

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前から見ても楽しくなりそうな顔つきだ

 eCOMはタイヤのホイール内にモーターを搭載した、いわゆる「インホイールモーター」の電動バス。最高速度は19km/hで、ゆっくり低速で走行するのが特徴。かわいい見た目と鮮やかな黄色いボディーが目を引き、イベント参加者のみならず、一般市民の歩行者からも注目を集めていた。

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会場周辺の移動用として運行されていた。子供たちも大喜び

 2007年に創業したシンクトゥギャザーは、これまでに52台の低速EVバスを製造してきた実績を持つ。eCOMシリーズは「eCOM-4」「eCOM-8」「eCOM-10」と名付けられており、数字は車輪の数を表している。車輪の数はモーターの数とイコールなので、多ければ多いほどハイパワーとなる。そのぶん車体サイズを大きくでき、搭乗人数を増やせるのだ。

 どのeCOMにも共通して言える特徴は、車体側面の窓がないところ。乗車した感覚は、一般的な路線バスというよりも、テーマパーク内の乗り物のほうが近い。この開放感たっぷりの車体デザインを採用しているため、今までの納車先は観光地が多いそうだ。北は北海道、南は宮崎まで全国各地で愛用されているという。

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見た目の印象としては電動カートが大きくなったという感じだ

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こちらは8輪の「eCOM-8」

 同社代表取締役社長の宗村正弘氏に話を話をうかがうと、「eCOMは低速でゆっくり走る電動バスです。環境保全のためエンジン車が入れないエリアもeCOMなら走行できます」と語る。観光地だとエンジン車が入れない区画が定められている場合があるが、eCOMならば問題なく運行できるわけだ。

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株式会社シンクトゥギャザー代表取締役社長の宗村正弘氏

▼こだわったのはインテリア!
▼向かい合わせシートで旅が楽しくなる車内レイアウト

 さらに宗村氏にeCOMのこだわりについて聞いたところ、「すべて対座シートを採用しているデザイン」とのことだ。このレイアウトの利点は、偶然乗り合わせた旅人同士がコミュニケーションを取れる点にある。旅先で観光客たちが情報交換をしたり、新たな出会いが誕生したり、観光地を周遊するバスに適している。

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向かい合わせのベンチシートとなっている

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eCOM-8は進行方向には横向きのロングシート

 そして車体開発の苦労について宗村氏は、「創業当初は、車検の取得に苦労しました」と語った。しかし、宗村氏は自動車メーカーに勤務していた経歴を持っており、いままで培ってきた経験と知識で電動バスeCOMを開発し、現在に至っているそうだ。

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最高速度は19km/hだ

 現在eCOMシリーズは、4輪から10輪までラインナップしている。シンクトゥギャザーは、今後もクライアントの要望に応じて最適なEVバスを開発していく。

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運転席の様子

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開放感があって楽しい乗り物だ!

 

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