『住まいのために働く感覚から卒業できた』 犬山市へ移住して得られた心と時間の豊かさとは?

2024年03月25日 10時00分更新

2020年に犬山市へ移住した石井さんご家族

コロナ禍に家族の未来を考えて犬山市への移住を決意

 東京で知り合い、2011年に結婚した石井裕朗(ひろあき)さん、佳奈子(かなこ) さんご夫婦。横浜市内にマンションを購入し、お子様(佑奈ちゃん)にも恵まれ、順風満帆の生活を送っていた。そんな石井さん一家が愛知県犬山市に移住したのは、2020年のこと。きっかけはコロナ禍、そして裕朗さんの転職だった。

 「飲食関係の企業に勤めていたのですが、体を壊して休職することに。当時は平日が休みで帰りも遅く、家族と過ごす時間はほとんどありませんでした。そんな折、コロナが蔓延し、緊急事態宣言が発令。生活の状況は一変しました。時間ができて、家族と過ごすことや子育てのことなど改めて考えました。私は神奈川県の秦野市、妻は熊本県の八代市の出身です。共にのんびりした場所で生まれ育ったので、『これからは自然が多い地域で暮らしたいね』という流れになったんです」

 そうして裕朗さんは転職を決意。新しく決まった転職先は愛知県犬山市の会社だった。裕朗さんは犬山市に少しばかりの土地勘があり、移住に迷いはなかった。まず裕朗さんが3LDKの賃貸物件を探して先に引っ越しし、1ヶ月後に佳奈子さんと佑奈ちゃんが犬山市へ。

 移住には資金がネックになることがある。その点について裕朗さんはこう振り返る。

 「給与は前職より下がることが分かっていました。でも、引越し先の3LDKの賃貸は5,000円の駐車場代を入れても約5万円でした。横浜で同じような物件なら賃料だけで12〜13万円が相場で、駐車場代は2万数千円ほど。ちなみに、横浜で購入したマンションのローンが月13万円程度でした。そう考えると、給与は下がっても生活の水準はあまり変わらないと思いました。実際に犬山市に移住してみて、あらゆる面で豊かになったと感じています。横浜に住んで東京で働いていた頃は『住まいのために働いている感覚』がずっとありましたから」

奥に見えるのが国宝犬山城。春になると周辺に桜が咲き、美しい風景が広がる

 現在は犬山遊園駅近くの一軒家で暮らしている石井さん。家族で散歩していた時に現在の家をたまたま見つけて、一目惚れして購入したそう。少し歩けば雄大な木曽川が流れ、国宝犬山城も望める。石井さんご夫婦が求めていたロケーションだ。

 「もともと犬山には、いいイメージがありました」と話すのは佳奈子さん。

 「昔のことなんですが、実業団の陸上競技部に所属していて、犬山ハーフマラソンで優勝したことがあるんです。移住の話になった時に不思議な縁を感じましたね。自然が多くてのんびりした地域ですし、私自身、移住することで次の楽しみが見つかるかなと楽観的でした。心配だったのは娘のことだけ。当時は小学2年生で、転校先でうまくなじめるか不安でした。それがまさか登校初日に友達を連れて帰ってくるなんて...夫と一緒に感動しました」

 唯一、移住時に苦労した点が「車がなかったこと」と振り返る。都会で暮らしていると車を所有していなくても不便に感じることは少ない。しかし、地方に移れば話は別。通勤や買い物など、ちょっとした用事を済ませようにも車がなければ苦労がつきまとう。石井さんご夫婦の場合、移住当初は電車やバスなどで凌いでいたとのこと。現在は車を所有し、ドライブなども楽しんでいる。

自宅の周辺を流れる木曽川。鵜飼が有名で「そのうち家族で体験してみたい」と語る裕朗さん

名古屋が近いから都会ならではの楽しみも味わえる

 裕朗さんは犬山市へ移ってから再び転職。以前勤めていた海外の輸送機器メーカーから誘いを受けて、現在は静岡県浜松市にある現地法人を任されている。裕朗さんは日曜日の夜から金曜日の夜まで単身で浜松市へ。家族がそろうのは週末のみで「正直、これは想像していませんでした」と笑う石井さんご夫婦。

 単身赴任生活については、2人はポジティブに受け止めていて「またとない機会でしたし、夫もチャレンジしたかったと思うので、応援することにしました」と佳奈子さん。その分、家族がそろう時間は大切にしているそうで、土日はみんなでお出かけや、地域のイベントへ積極的に参加。佳奈子さんもフルタイムで働き、それぞれが充実した日々を送っている。

桃太郎公園にある遊び場にて。自然と気軽に触れ合えるのが犬山市の魅力の一つだ

 犬山市の魅力について聞くと、自然豊かなロケーションはもちろん、「東京都市圏に比べて物価が安い」「名古屋が近くて娯楽も味わえて、新幹線や飛行機へのアクセスも良く、首都圏など主要都市への移動も便利」などを挙げてくれた。また、個人的な感想としては「地域のイベントが多い」「学校給食がおいしい」のも魅力とのこと。

花見の時期に木曽川沿いを散歩。週末は地域のイベントに積極的に参加している

 「よく地域のイベントに参加するのですが、行政との距離が近いというか、タウンミーティングなどを通して市民の声が届きやすい環境だなと感じています。市長さんとも直接お話させて頂く機会が何度かあり、最近お会いした際には、“石井さん”とお声がけ下さいました。」(裕朗さん)

 「給食には必ず汁物が出て、品数も多くておいしいと娘は喜んでいます。夏休みや冬休みの長期休暇明けの初日から給食が用意されるので、お弁当作りの負担が少ない点も助かっています」(佳奈子さん)

 移住について情報収集していた頃、他県の移住フェアに参加したこともあった。しかし、その県は名古屋のような都市部から遠く、スポーツ観戦や観劇など都会的文化に接する機会や首都圏などへのアクセス面から、暮らすのは難しいと感じたそう。裕朗さんと佳奈子さんはともかく、小学生の佑奈ちゃんは成長するにつれてさまざまなことに興味が生まれていくはず。子供のことを考えるとその判断も納得だ。

 最近のブームは家族でモーニングやランニングを楽しむことで、家庭菜園にも力を入れていきたいとのこと。精神的なことや時間のことなど、あらゆる面で豊かさを手に入れた石井さんご家族。「犬山市に移住することを決断して、本当によかったです」と笑顔を見せた。

長距離ランナーとして活躍していた佳奈子さん。最近は親子でランニングする機会が増えたそう

■犬山市の移住については、こちらをチェック

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