エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のアート散歩 第20回
アイナ・ジ・エンド、アオイヤマダ、東京QQQ、小林武史を富津公園ジャンボプールで見てきたぞ
2024年04月08日 18時00分更新
2024年4月6日、千葉県立富津公園ジャンボプールに行ってきた。アイナ・ジ・エンド、 東京QQQ(アオイヤマダ/かんばらけんた/Kily shakley/KUMI/高村月/ちびもえこ/平位蛙/MONDO/山田ホアニータ)、 小林武史と名越由貴夫が出演する「不思議な愛な富津岬」を体験するためだ。このパフォーマンスは、市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で開催中の 「千葉県誕生150周年記念事業 百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」の一環で、音楽を主とする「LIVE ART」として、“通底縁劇・通底音劇”と題した 小林武史プロデュースによるスペシャルライブのひとつである。アオイヤマダさんはイベントでご一緒したこともあるが、この日のLIVEは流れるプールと言う舞台も相まって経験したことが無いものになった。
「不思議な愛な富津岬」は、アイナ・ジ・エンドの歌と、東京QQQのパフォーマンスが融合した、 ユニークなLIVEパフォーマンスで、衣装は、筆者も何度かお会いしている、ひびのこづえさん。演出は、アオイツキ+清水舞手、脚本は高村月。ふたりの”アリス”を演じるアイナ・ジ・エンドと東京QQQのアオイヤマダは、 同じ黄色いワンピースを身に纏って登場し、旅をテーマにした約1時間にわたる演目を披露した。 最後には、“通底縁劇・通底音劇”テーマソングを会場の観客と共に踊って、ステージを締めくくった。
“通底縁劇・通底音劇”の「通底」という言葉は、アンドレ・ブルトンの『通底器』からヒントを得たもので、「つながるはずのないものがつながる、つながっている」ということをイメージしている。この通底という言葉には、歴史的な要因による戦争、自然災害による物理的な分断など、表面的には様々な分断が絶えないように見える現実に対して、本来、私たちは根底でつながりあえる(わかりあえる)のではないか? という想いを込めている。また、地理的な要因として、東京と内房総エリアはアクアラインで海の底で通底している、ということも意識されている。
“通底縁劇・通底音劇”は、この日のパフォーマンス以外に、3会場で小林武史プロデュースによる、それぞれ異なるスペシャルライブを開催する。4月20日、21日には、クルックフィールズ(木更津市)で、櫻井和寿、スガ シカオを中心とした「super folklore(スーパーフォークロア)」、5月4日、5日は、君津市民文化ホールで宮本浩次を中心とした「dawn song(ドーンソング)」、5月12日には荻野目洋子、MOROHAをフィーチャーした「茶の間ユニバース」。
今後のパフォーマンスの詳細:https://100nengo-art-fes.jp/event/%E9%80%9A%E5%BA%95%E7%B8%81%E5%8A%87%E3%83%BB%E9%80%9A%E5%BA%95%E9%9F%B3%E5%8A%87/
〈アイナ・ジ・エンド 歌唱曲〉のセットリスト
・1曲目「幻影」
・2曲目「華奢な心」
・3曲目「前髪上げたくない」
・4曲目「宝者」
・“通底縁劇・通底音劇”テーマソング
●当日のパフォーマンスの様子
●小林武史氏が語る、新たな試みとなる「通底縁劇・通底音劇」
「『つながるはずのないものがつながる、つながっている』というイメージですね。どこまで遡れば解決できるのかわからないような歴史的な要因による戦争、自然災害による物理的な分断もそうですが、今の社会には様々な分断が起き続けています。しかし我々は、「根底でつながっている」つまり「わかりあえる」のではないかと感じているんです。中沢新一さん(宗教学者・文化人類学者)が学問の分野を越えてつながることの重要性を語っていらっしゃいますし、村上春樹さんも現実に対してフィクションを加えることで、別の世界に通じる、出入り口を見つけるという物語を描いていて。僕もそういうふうに感じながら生きてきてた人間だと思っているんです。この時期に『通底』を掲げたライブを行うことは、つながるはずのないものがつながるというイメージを提示するうえでも大切なことなのかなと。」
公式サイトからインタビュー全文:https://100nengo-art-fes.jp/2024/03/23/kobayashitakeshi-interview/
●「EN NICHI BA(エンニチバ)」
また、同日は千葉県立富津公園内で、地域の食の魅力が集う屋台15店舗が出店し、 ライブを楽しみながら、多様な千葉の食材を味わう事が出来た。
●百年後芸術祭
市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で 2024年5月26日まで開催中の「百年後芸術祭‐内房総アートフェス‐」は、現代アート作家を国内外から77組招聘し、5市の各所で、アート作品を展示している。市原市においては、牛久商店街や市原湖畔美術館、旧里見小学校などの各拠点に約60作品を展開。木更津、君津、袖ケ浦、 富津の各市でも様々なアーティストの作品が楽しめる。出展アーティストは、梅田哲也、小谷元彦、SIDE CORE、さわひらき、島袋道浩、名和晃平、保良雄、ディン・Q・レなどが参加。様々なイベントやパフォーマンス、アート作品展示などを通じて、100年後について 考え、100年後の未来を創っていくための共創の場を生み出していく。
【百年後芸術祭の開催概要】
・開催期間:2024年3月23日〜5月26日
※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く。一部施設は通常営業)。全49日。
・開催時間:10時〜17時
※作品によって公開日・公開時間が異なる場合がある。
・パスポートについて:
価格 ・一般 当日:3500円(税込)・小中高 当日:2000 円(税込)
※芸術祭の全会場へ各1回入場可能(ただし、有料イベントや有料体験ワークショップなどは別料金)。 ※2回目からは個別鑑賞券が必要。
・公式サイト:https://100nengo-art-fes.jp/
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