かつての東洋一から日本一のビルへ! 丸の内の空を塗り変える「TOKYO TORCH」再開発秘話
2026年03月06日 12時00分更新
高層ビルや歴史的建造物など、丸の内の建築群を現場のレポートを交えながら紹介する連載「丸の内建築ツアー」。今回は、「TOKYO TORCH(東京トーチ)」についてご紹介します。
建設中の常盤橋地区(TOKYO TORCH)およびTorch Towerの概要
東京駅日本橋口前で建設が進められている「TOKYO TORCH(東京トーチ)」は、常盤橋地区の再生を担う日本最大級の都市再開発プロジェクトです。東京都千代田区大手町二丁目および中央区八重洲一丁目にまたがる約3.1ヘクタールの敷地に、4棟の建築物と大規模広場を段階的に整備し、2028年度の全体完成を目指したものとなっています。その中核となるのが、地上62階、地下4階、高さ385メートルを誇り、日本一高い超高層ビルとなる「Torch Tower(トーチタワー)」です。
TOKYO TORCHの街区は、JR東京駅日本橋口の北側に位置し、南側を永代通り、西側を江戸通りおよびJR線高架、北側を日本橋川、東側を外堀通りに囲まれた一等地「大手町二丁目常盤橋地区」に位置しています。かつては日本ビルヂングをはじめ、朝日生命大手町ビルや大和呉服橋ビル、JXビルなど、日本の高度経済成長を支えてきた象徴的なオフィスビルが集積していました。また、下水ポンプ所や変電所といった都心の重要インフラも内包してきたエリアです。TOKYO TORCHでは、これらの都市機能を維持・更新しながら、街区全体を一体的に再構築する点が大きな特徴となっています。
施設は4棟で構成され、すでに2021年6月に竣工した「常盤橋タワー(A棟)」は、地上38階、地下5階、高さ212メートルの超高層オフィスビルとして稼働しています。地下には駐車場を備え、低層部には商業施設「TOKYO TORCH Terrace」が整備され、オフィスワーカーだけでなく来街者にも開かれた空間を形成しています。上層階には基準階面積2,580坪規模のオフィスフロアが配置され、国際競争力を備えたビジネス拠点として機能しています。
現在建設中の「Torch Tower(B棟)」は、TOKYO TORCHの象徴であり、日本の新たなランドマークとなる存在です。地下から低層部にかけては商業施設と約2,000席規模のエンタメホールが整備され、都市型MICE拠点としての役割を担います。7階から52階には大規模オフィス、53階から58階にはDorchester Collectionが運営するウルトララグジュアリーホテルが入居し、さらに上層部にはラグジュアリーレジデンスや展望施設が設けられます。働く、泊まる、住まう、楽しむといった多様な都市機能を垂直方向に集積することで、東京駅前に新しい都市体験を創出するものとなります。
街区中央には、約7,000平方メートルの大規模広場「TOKYO TORCH Park」が整備されます。常盤橋公園や日本橋川沿いの親水空間と連動し、水と緑に包まれた開かれた都市空間を形成する計画です。広場では、日本各地の自治体と連携した取り組みが展開され、錦鯉の池や地域文化の発信イベントなどを通じて、東京駅前から日本全国の魅力を世界へ発信する拠点となります。
都市基盤の面では、下水施設や変電所、都市計画駐車場の再整備に加え、東京駅周辺と日本橋・八重洲エリアを結ぶ地下歩行者ネットワークの強化が図られます。将来的な構想では呉服橋交差点地下通路の整備により、回遊性の向上と地上交通負荷の軽減を同時に実現し、災害時には帰宅困難者の受け入れや復旧活動の拠点としても機能します。
さらに、TOKYO TORCHでは環境性能と防災性にも重点が置かれています。高効率なコージェネレーションシステムや再生可能エネルギーの活用、自立・分散型エネルギーの導入により、都市型BCP機能の高度化を実現します。Torch Towerでは、LEED認証およびWELL認証の国際的な環境・健康認証の取得が予定されており、環境負荷低減と人の快適性を両立した次世代型超高層ビルとして計画されています。
「想いを繋ぎ、未来を灯すまち」という開発コンセプトを掲げるTOKYO TORCHは、単なる超高層ビル開発にとどまらず、歴史、文化、環境、交流を内包した新しい都市モデルの提示を目指したものとなっています。また、名称の“Torch”には、「日本・東京の未来を明るく灯すような存在でありたい」という想いも込められています。
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