エリアLOVEWalker総合研究所リポートXトレンド解析 Vol.7

話題トップはもちろん富士山だが、2位は通なら知っているあの山! Xトレンド解析月次リポート第七弾、2023年「日本の山」TOP100を発表!!

 X(旧Twitter)トレンド解析システムによる解析リポートを公表していく、エリアLOVEWalker総合研究所リポート。第七弾のテーマは、日本各地にある「山」だ。今回は2022年8月1日から2023年7月31日までに、X上で“登山”という言葉と一緒に言及された山のベスト100を発表する。

Xトレンド解析
「日本の山」
言及数ランキング TOP100

調査機関:角川アスキー総合研究所

集計期間:2022年8月1日~2023年7月31日

解析対象:「日本三百名山」に含まれる山名と「登山」というワードを含むX(旧Twitter)上での投稿

抽出件数:162,047件(上位100位での総投稿数)

順位 山名(都道府県名) 話題流通量
投稿数/
アカウント数
男性:
女性比
ポジ:
ネガ比
主な共起語
(その共起語がXでの投稿全体に占める比率)
1 富士山
(静岡県/山梨県)
53,015
22%
10%
0.2%
20.7%
挑戦(17%)、高山病(13%)、救助要請(13%)、環境省(12%)、富士五湖(12%)
2 石鎚山
(愛媛県)
7,425
19%
4%
5.2%
85.2%
西日本(87%)、道(86%)、日本(85%)、ロープウェイ(85%)、霊山(85%)
3 立山
(富山県)
4,888
25%
8%
29.2%
4.8%
富山(11%)、立山黒部アルペンルート(10%)、絶景(10%)、紅葉(9%)、Twitter(7%)
4 八ヶ岳
(長野県/山梨県)
4,686
27%
8%
43.9%
4.4%
赤岳(14%)、温泉(10%)、絶景(10%)、道(8%)、絵日記(7%)
5 白山
(石川県/岐阜県)
3,487
33%
8%
29.4%
23.1%
石川県(32%)、道(20%)、安全(18%)、雷雨(17%)、検討(16%)
6 筑波山
(茨城県)
3,430
23%
8%
37.1%
8.1%
道(9%)、ケーブルカー(7%)、天気(6%)、ロープウェイ(6%)、男体山(6%)
7 大雪山
(北海道)
3,417
18%
11%
69.4%
1.8%
北海道(74%)、canon(58%)、EOS(58%)、動物(58%)、黒岳(5%)
8 羅臼岳
(北海道)
2,851
29.%
16%
48.9%
1.1%
食べ物(46%)、ザック(46%)、道(44%)、動画(44%)、羅臼温泉(44%)
9 槍ヶ岳
(長野県/岐阜県)
2,833
22%
6%
23.6%
7.1%
北アルプス(20%)、道(11%)、上高地(9%)、旅行(7%)、動画(6%)
10 谷川岳
(群馬県/新潟県)
2,608
27%
7%
33.6%
6.7%
紅葉(16%)、群馬県(12%)、天気(10%)、道(9%)、雪(9%)

 「日本の山」言及数ランキング100件のうち、TOP10は上記の結果となった。右端の「共起語」とは、山名とともにつぶやかれたキーワード。共起語が複数つぶやかれることもある。ポジ/ネガ判定は、Xトレンド解析システムで独自に投稿の感情分析を行った結果だ。

 上位10位までにランクインした山のうち、5件は所在地が県境となるため、2カ所の県名が並ぶ結果になっている。著名な山が、いかに県境にあるかがよくわかる。なお、「山」というと、登山やハイキング、アウトドアなど、実際に現地を訪れる方の投稿が多いが、その楽しみ方は千差万別。上位100位までの共起語を見てみると、登山と一緒に楽しめる「温泉」や、絶景を収めたい想いから「写真」、間もなくシーズンを迎える「紅葉」などが並ぶ。一方で「高山病」、「天気」、「危険」など、山登りをするにあたっての備えやエピソードも投稿され、自然と対峙する登山の世界が垣間見えた。

 なお、今回の集計は、「日本三百名山」(日本山岳会が選定した301の山)に登録されている山名で行った。

忍野八海から見た冬の富士山
(写真:名古屋太郎 CC BY-SA 3.0)

Xデータでわかった「話題の山」TOP5を分析!その魅力とは?

 それでは、Xでの投稿数でTOP5に入った山の名前を見ていこう。Xはリアルタイムで投稿がポストされていくので、話題となったイベントやコンテンツによってバズを起こすことが、ランキングに大きく影響する。今回のランキングでは、上位にランクインしたスポットの多くが、期間限定のイベントとともに言及されている。

 Xトレンド解析の月次リポート第七回の1位を制したのは、やはり「富士山(ふじさん)」。言及数は53,015件で、2位に7倍以上の差をつけてトップとなった。最も多い共起語は「挑戦」で、その言葉が物語っているとおり、登山好きはもちろんだが、そうでない方も日本一の高さを誇る富士山に登頂してみたい、挑戦したい、挑戦するぞ! というポストが目立つ。その一方で、軽装着で訪れて備えが十分でない方や、体の弱い幼児を連れての登山客、天候が悪いなかを登ろうとする登山客の迷惑行為も増加し、各メディアも報じて話題になった。

 なお、今年の登山シーズンはすでに終了しており、登山道は通行止めとなっていることを「富士登山オフィシャルサイト」が報じている。これからの季節は、雪化粧し始める富士山をふもとから見て楽しもう。

●富士山
https://www.fujisan-climb.jp/

上部で冠雪、山麓で紅葉
(写真:skyseeker CC BY 2.0)

 2位は愛媛県にある「石鎚山(いしづちさん)」で、投稿数は7,425件。標高は西日本では最高峰の1,982m、山頂から望む展望は四国八十八景64番に選定されている。山自体が神と崇められている神聖な山として知られ、別名「霊峰石鎚山」とも呼ばれるパワースポットとしても人気の場所だ。

 一般にはそれほど知られていないかもしれないが、登山に心得のある方々の間では著名な山であることから、2位にランクインした。なお、ポジ/ネガ判定ではネガティブな比率が85%と非常に高いが、これは山道の「険しい」といったワードが含まれることが要因で、石鎚山自体にネガティブな要素があるわけではない。

 「石鎚山」は1年を通じて登ることができるが、共起語に「雪山」が上位に入っているように、降雪期がありそれによって難易度が異なるため、冬期登山をする方は、知識と備えをしっかりと整えた上で登山をしてほしい。

●石鎚山
https://ishizuchisankei.com/spot/spot01/

石鎚スカイラインからの石鎚山
(写真:Koda6029 CC BY-SA 4.0)

 3位は富山県、北アルプス北部にある立山連峰の主峰「立山(たてやま)」。投稿数は4,888件。共起語には、富山と長野を結ぶ雲上山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」があり、観光に訪れた方のポストも目を引く。区間内には中部山岳国立公園があり、バス、ロープウェイ、ケーブルカーとさまざまな乗り物を乗り継いで移動できるため、登山をしない観光客でも、立山の大自然を気軽に満喫することができるのが魅力だ。

●立山黒部アルペンルート
https://www.alpen-route.com/index.php

ミドリガ池から望む立山
(写真: Saigen Jiro CC0 1.0)

 4位は長野県と山梨県にまたがる「八ヶ岳(やつがたけ)」。投稿数は4,686件。大きく分けると南八ヶ岳と北八ヶ岳とわかれ、個性的な山々が連なっている。なかでも北八ヶ岳にある「八ヶ岳 湯元本沢温泉」は標高2,150mにあり、日本最高所の野天風呂「雲上の湯」があることで知られ、登山客が八ヶ岳からの絶景を眺めながら疲れを癒せるスポットとして人気となっている。

●八ヶ岳の山小屋
https://mt-yatsugatake.jp/

北横岳より望む南八ヶ岳連峰。
(写真: Σ64 CC BY-SA 3.0)

 5位は石川県と岐阜県にまたがる「白山(はくさん)」。投稿数は3,487件。標高が2,702mあり、いまの白山登山道は泰澄大師が開山したのをきっかけに、修行者や参拝者によって形成されたルートなのだという。別名「霊峰白山」とも呼ばれ、なかでもふもとにある「白山比咩神社」は、縁結びのご利益があると言われている。

 一方で今回5位にランクインした経緯は、昨年8月に石川県知事・馳浩氏がPRのために白山を登山をした日が大雨とあり、無事に下山したものの道路の通行止めで孤立状態となったことが、各報道機関で報じられたためと思われる。

●ぐるっと白山
https://www.g-hakusan.gr.jp/

大汝峰から望む白山
(写真:Alpsdake CC BY-SA 3.0)

Xデータでわかった「日本の山」TOP100

Xトレンド解析
「日本の山」
言及数ランキング TOP100

調査機関:角川アスキー総合研究所

集計期間:2022年8月1日~2023年7月31日

解析対象:「日本三百名山」に含まれる山名と「登山」というワードを含むX(旧Twitter)上での投稿

抽出件数:162,047件(上位100位での総投稿数)

順位 山名(都道府県名) 投稿数 アカウント数
11 金剛山
(奈良県)
2,034
12 愛宕山
(京都府)
2,013
13 伊吹山
(滋賀県)
1,959
14 赤城山
(群馬県)
1,928
15 大山
(神奈川県)
1,879
16 御嶽山
(長野県)
1,629
17 六甲山
(兵庫県)
1,520
18 雲取山
(山梨県/東京都府/埼玉県)
1,520
19 燕岳
(長野県)
1,499
20 剣山
(徳島県)
1,380
21 武甲山
(埼玉県)
1,270
22 月山
(山形県)
1,185
23 安達太良山
(福島県)
1,175
24 剱岳
(富山県)
1,162
25 浅間山
(群馬県/長野県)
1,130
26 男体山
(栃木県)
1,014
27 鳥海山
(山形県)
1,006
28 北岳
(山梨県)
953
29 乗鞍岳
(岐阜県/長野県)
947
30 唐松岳
(富山県/長野県)
896
31 霧ヶ峰
(長野県)
827
32 木曽駒ヶ岳
(長野県)
817
33 岩手山
(岩手県)
779
34 大菩薩嶺
(山梨県)
763
35 那須岳
(栃木県)
753
36 金時山
(静岡県/神奈川県)
709
37 金峰山
(山梨県/長野県)
708
38 八甲田山
(青森県)
682
39 茶臼岳
(長野県/静岡県)
682
40 天狗岳
(長野県)
674
41 至仏山
(群馬県)
665
42 磐梯山
(福島県)
661
43 入笠山
(長野県)
654
44 瑞牆山
(山梨県)
649
45 蓼科山
(長野県)
622
46 燧ヶ岳
(福島県)
609
47 栗駒山
(岩手県/宮城県/秋田県)
607
48 焼岳
(長野県/岐阜県)
587
49 白馬岳
(富山県/長野県)
580
50 秋田駒ヶ岳
(秋田県)
555
51 甲斐駒ヶ岳
(山梨県/長野県)
540
52 日光白根山
(群馬県/栃木県)
536
53 妙義山
(群馬県)
531
54 十勝岳
(北海道)
527
55 御在所岳
(滋賀県/三重県)
521
56 朝日岳
(群馬県)
521
57 宮之浦岳
(鹿児島)
515
58 阿蘇山
(熊本県)
506
59 岩木山
(青森県)
504
60 黒岳
(富山県)
490
61 霧島山
(宮崎県/鹿児島)
487
62 一切経山
(福島県)
458
63 奥大日岳
(富山県)
457
64 羊蹄山
(北海道)
440
65 八幡平
(岩手県/秋田県)
437
66 美ヶ原
(長野県)
430
67 大峰山
(奈良県)
425
68 巻機山
(群馬県/新潟県)
422
69 大岳山
(東京都)
419
70 常念岳
(長野県)
415
71 由布岳
(大分県)
400
72 薬師岳
(富山県)
398
73 丹沢山
(神奈川県)
394
74 開聞岳
(鹿児島)
371
75 五竜岳
(富山県/長野県)
367
76 樽前山
(北海道)
364
77 比叡山
(滋賀県/京都府)
361
78 榛名山
(群馬県)
358
79 八海山
(新潟県)
355
80 苗場山
(新潟県/長野県)
336
81 赤石岳
(長野県/静岡県)
326
82 仙丈ヶ岳
(山梨県/長野県)
314
83 飯豊山
(福島県)
313
84 天城山
(静岡県)
309
85 利尻山
(北海道)
293
86 高千穂峰
(宮崎県)
286
87 穂高岳
(長野県/岐阜県)
286
88 森吉山
(秋田県)
281
89 国見岳
(熊本県/宮崎県)
279
90 道後山
(広島県/鳥取県)
275
91 両神山
(埼玉県)
272
92 早池峰山
(岩手県)
269
93 雌阿寒岳
(北海道)
267
94 吾妻山
(福島県/山形県)
255
95 荒島岳
(福井県)
253
96 妙高山
(新潟県)
252
97 雨飾山
(新潟県/長野県)
250
98 四阿山
(長野県/群馬県)
247
99 斜里岳
(北海道)
247
100 摩耶山
(山形県)
246

11位以降のランキングは上記の通り。12位の「愛宕山(あたごやま)」は、“東京23区で一番高い山”としてTVアニメ「ヤマノススメ」などで紹介された同名の山が東京都にあり、そちらの数値も含まれている。TVアニメ関連では、31位の「霧ヶ峰(きりがみね)」がTVアニメ「ゆるキャン△」で登場したことから認知度が高く、ファンの聖地巡礼先として多数投稿されている。

 
 

 角川アスキー総合研究所は2015年に、東京大学生産技術研究所喜連川・豊田研究室と、アジア圏で唯一ツイートデータの全量を取り扱うことができるNTTデータ、そしてTwitter Japanと共同で「Twitterトレンド解析システム」を開発した。それ依頼、当社が持つエンターテインメント用語辞書(200万語以上)に収録されたワードをもとに、日本国内でのエンターテインメント分野に関するツイートを対象にした解析を行っている。

 解析内容としてはツイート内でのワード出現傾向の分析に加えて、ツイートテキストを対象にした投稿者の推定属性情報(NTTデータ提供)や、各種統計データなどを組み合わせた分析などを行っており、報道機関や、企業・自治体等に幅広く活用されている。なお、「X(旧Twitter)トレンド解析システム」によるXのリアルタイムな集計結果は、「ついラン」でも見ることができる。

今回の集計の詳細は以下のとおり。
集計期間:2022年8月1日~2023年7月31日
解析対象:「日本三百名山」に含まれる山名と「登山」というワードを含むX(旧Twitter)上での投稿 
抽出件数:16万2,047件(上位100位までの総投稿数)
*上記集計期間中、「Xトレンド解析システム」にて取得した投稿数58億9,277万6,292件の中から、上記調査対象ワードを含む投稿16万2,047件を抽出し、言及数順にて100位までのランキングを作成した。

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