知ってた?意外とお土産の宝庫な「埼玉物産観光フォーラム」に行ってきた

2024年02月19日 12時25分更新

 旅行先の道の駅に立ち寄るのが好きで、見かけるとすぐ立ち寄ってしまいます。地元でとれた新鮮な農海産物はもちろん、地元の人たちが作った加工品や雑貨が並んでいて、その土地の暮らしや文化が伝わってくるような気がするんですよね。首都圏で暮らしていると、旅行に行かない限りなかなかそういうものに出会える機会がないなあと思っていましたが、2月15日に大宮・ソニックシティホールで開催された「埼玉物産観光フォーラム」では、素敵な出会いがありました!

大賞に輝いた“氷のようなガラスペン”と“豆腐で作ったマヨネーズ”ってどんなの!?

 「埼玉物産観光フォーラム」は、行政と物産観光業界、埼玉県内の事業者らが協力して「稼ぐ観光地」づくりを目指すイベント。その中で、1年のうちに新しく発売された優れた県産品を表彰する「埼玉県新商品AWARD2023」の授賞式が行われました。工芸・雑貨部門と食品部門に分かれて、それぞれ表彰されます。

永遠の氷(パピアプラッツ) ※奥は埼玉のご当地インク「彩玉ink」

 工芸・雑貨部門の大賞に輝いたのは、さいたま市の印刷会社クレスのステーショナリーブランド「パピアプラッツ」が、ガラス作家さんと一緒に制作したガラスペン「永遠の氷」。秩父三大氷柱をイメージしたそうで、まるで氷柱がそのままペンになったようなフォルムがとてもきれいです。触ったらひんやり感が伝わってきそうな質感も素敵。

ガラスペン「永遠の氷」を企画したパピアプラッツの中川美佐紀さん

 「コロナ禍に埼玉県内を回った時に、改めて埼玉はいろいろな魅力があるなと感じました。その魅力をガラスペンで表現することができてよかったです」と同製品の企画を担当した中川美佐紀さん。草加煎餅や狭山茶など、県内の名産や特徴を色で表現したインク「彩玉ink」と一緒に使ってもよさそう。

 そして食品部門の大賞受賞作が、「とうふのマヨ」です。

とうふのマヨ(ヤマキ醸造) ※写真右は金賞受賞の「おかず味噌」

 神川町で味噌や醤油、豆腐の醸造を手掛けるヤマキ醸造。「生豆腐」を作る中で、どうしても出てしまう出荷できない豆腐をなんとかしたいと生まれたのが「とうふのマヨ」だそう。クリームのようなドレッシングのようななめらかな口当たりで、豆腐の風味もしっかり感じられます。

ヤマキ醸造の高田早紀さん(写真左)と木谷佳恵さん(写真右)

 「卵を使わず、酢と砂糖で仕上げています。添加物を使わずに日持ちさせる点に苦労しましたね」と木谷佳恵さん。おすすめの食べ方を尋ねると「野菜スティックにそのままつけてもいいですし、ヨーグルトのようにフルーツと和えてフルーツサラダにしてもおいしいですよ」と教えてくれました。おいしそう!

金賞は御朱印から餃子までバラエティ豊かすぎるラインアップ

 工芸・雑貨部門では、横瀬町観光協会の御朱印が金賞に。樹齢約600年の県指定天然記念物コミネカエデや夫婦龍など、横瀬町内8寺それぞれの特徴を切り絵で表現した御朱印です。

横瀬町観光協会の金子るみさんは御朱印全種類と一緒にパチリ

 横瀬町観光協会の金子るみさんは「私自身が御朱印が好きで、これをきっかけに横瀬町を回ってほしいなと思って作りました」ときっかけを話してくれました。今まで男性の観光客が多かったそうですが、御朱印効果で女性客が増えたそう。ゆるっと御朱印集めを趣味にしている私としても、繊細な切り絵がとてもきれいでぜひいただきたいところ。

藤の御朱印(小川山語歌堂)

 食品部門では5商品が金賞を受賞しました。その中の一つが、「行田のえだまめ餃子」です。2021年に誕生した行田市の「行田の餃子」は、市内産の小麦「あやひかり」を使った皮であんを包んだ餃子。水餃子、チーズ餃子に続く第4弾として、枝豆を使った餃子を発表しました。

行田のえだまめ餃子(行田おもてなし観光局)

 行田では、1年で約20日間しか収穫できない“幻の枝豆”を生産しています。食べてびっくり、餃子の中にはなんと枝豆が丸ごとゴロゴロ入ってる! 行田おもてなし観光局の西島康敬さんが「豆そのものの魅力が伝わるように、刻んだりせずに丸ごと入れています」と教えてくれました。お酒のおともにぴったりな餃子と枝豆が合体しているとあって、お酒が進むこと間違いなしです。

餃子目線に合わせてくれた行田おもてなし観光局の西島康敬さん

トレンドもテッパンもしっかりカバー!
今話題のクラフトジンに、旬の素材を瓶詰めしたピクルス

 お酒が飲みたくなったところで発見したのはクラフトジン。私はジントニックが好きなので、昨今のクラフトジンブームは大歓迎です。

浦和の涙No.3 URAWA GIN ~CRAFT GIN ver.~(レディオパワープロジェクト)

 2004年に浦和レッズの犬飼基昭元社長が「浦和のお土産を作ろう」と言ったことがきっかけで生まれたという「浦和の涙」シリーズ。第1弾は米焼酎、第2弾はクラフトビール、そして今回クラフトジンを販売したそうです。強そうなラベルにもなんだか納得。

レディオパワープロジェクトの川口アキコさんはジン「浦和の涙」を持ってにっこりスマイル

 「川越の武蔵野醸造所が作る世界最高峰のジンに、県内産のビーツをブレンドして作っているんです」と教えてくれた川口アキコさん。とにかく香りがよく、ひと口飲むとほのかに甘さを感じます。あー。やばいこれ。どんどん飲んでしまうジンだ…。

 カラフルでかわいいピクルスも見つけました。島野造園が設立した、健康と食にまつわる事業を行う東松山ふぉれが手掛ける「東松山ふぉれピクルス」。地元周辺地域の規格外の野菜を、洋風、和風、ハニーの3種類の液に漬け込んだ一品です。

東松山ふぉれピクルス(島野造園 東松山ふぉれ)

 3種類すべていただいたところ、特に驚いたのは和風ピクルス。この日はカブの和風ピクルスで、だしの味が効いていてピクルス入門編としてもよさそう。東松山ふぉれの島野僚子さんは「昨年1年間で30種類のピクルスを作りました。数は多くないのですが、そのぶん種類を増やして常時違ったラインアップでお届けしています」と教えてくれました。液の色は野菜の自然の色素だそう。ギフトセットもあるので贈り物にも喜ばれそうです。

島野造園 東松山ふぉれ 取締役 事業運営統括責任者の鳥野僚子さん(写真右)によれば「ギフトにもおすすめ」とのこと

 今回紹介した以外にも、お酒やスイーツ、カレー、タンブラーなどさまざまな商品が受賞していました。どれも地元の企業が地元で手掛けたアイテムで、埼玉の底力が感じられます。

行政、物産観光業界、事業者の三位一体で埼玉を稼ぐ観光地へ

 フォーラムの前半には、近畿大学経営学部の高橋一夫教授による講演「地域観光ビジネスのすゝめ」や、埼玉県物産観光協会の山本克己DMO事業本部長による報告「第3期DMO戦略案」などのプレゼンテーションが行われました。民間企業や学生による発表もあり、外国人のインフルエンサーを通じて埼玉の観光スポットを紹介したり、学生と狭山茶の農家が組んでスイーツを開発・販売したそう。行政と物産観光業界、埼玉県の事業者がすでにいい関係を築いて埼玉県を盛り上げるべく活動していることを感じ取ることができました。

近畿大学 経営学部 高橋一夫教授

埼玉県物産観光協会 山本克己DMO事業本部長

 埼玉県にはあまり行ったことがない人も、住んでいるという地元の人も、改めて埼玉県内の知らない場所に足を運んでみると意外なおもしろさが発見できるかもしれないなぁと思いました。埼玉県には、知ってるようで知らない顔がまだまだたくさんありそうです。私は今度横瀬町の御朱印をいただきに行こうかな。

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