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立ち退き交渉→覚書→反対→白紙→再交渉→まだ揉める 大揉めの末ようやく完成した「有楽町電気ビルディング」

2025年06月20日 12時00分更新

 高層ビルや歴史的建造物など、丸の内の建築群を現場のレポートを交えながら紹介する連載「丸の内建築ツアー」。今回は、有楽町駅前に建ち、電気ビルやスバル街の跡地に建設された「有楽町電気ビルヂング」を紹介します。

有楽町電気ビルヂングのデザイン

 有楽町電気ビルヂングは、JR有楽町駅の南西側に建つ地上20階、地下2階、高さ87.0mの「北館」と地上18階、地下4階、高さ79.5mの「南館」から構成される超高層ツインビルです。北館・南館ともに柱部分を白色としたタイル張りの外装に、梁部分を暗色系、垂直水平のマリオンで窓ガラスを区切ったデザインとなっています。また、北館と南館が低層部分で接続しているほか、地下と地上1階には商業施設も入り、コンビニやレストラン、カフェ、物販なども入る複合ビルとして機能しています。東側の有楽町駅側には赤茶色のタイルに白いタイルで長方形が多数描かれた広場があり、広場の北東側には有楽稲荷神社も再配置されています。また、地下には126台収容の駐車場「有楽町電気ビルガレージ」もあります。1期竣工から50年が経過した古参ビルですが、高さ60m超の超高層ビルということもあり、まだまだそれほど古さは感じません。

有楽町電気ビルヂングは北館と南館のツイン構成

有楽町電気ビルヂングの外観デザインは、柱部分を白色としたタイル張りの外装に、梁部分を暗色系、垂直水平のマリオンで窓ガラスを区切ったものとなっている

エントランス前には、大型ディスプレイを設置した館銘板も設置されている

地下1階の商業施設の様子。床のタイルが濃赤と白いもので昭和のビルという雰囲気の内装だ

有楽町電気ビルヂングの銘板

有楽町電気ビルヂングのエレベーター構成と断面構成図。北館は青色、南館は赤色のロゴとなっている

地下へ至る階段の様子。円形の天窓が独特な印象を受ける

手前には「太陽とオリーブの広場」と書かれた看板も立っている

地下にある太陽とオリーブの広場の様子

床にはタイルで波に浮かぶ船を描いたモザイク画が描かれている

壁面には、矢橋六郎氏による「太陽とオリーブ」が作品が描かれている。大理石にオリーブの木が施され、金色のモザイクタイルの太陽が浮かぶ、不思議な壁画であった

地下から地上へ至る階段を見上げた様子

地下の壁面には新幹線が飛び出てくる絵もあった

地下の商業施設には、鉄道模型店「カツミ 有楽町店」が入っている。先ほどの新幹線の絵がなぜ描かれていたのか納得できた

今でも残る公衆電話

北館のエレベーターホール

南館のエレベーターホール

昔はスーパーマーケットや電車のドアでも頻繫に見かけた、指がカニのはさみに挟まれた絵も近年はすっかり見なくなった。ここ有楽町電気ビルヂングではまだ健在だ

地下鉄日比谷駅側からも地下通路でこのように直結している

商業施設の階段。黒や木目調の壁面に酒瓶が描かれたお洒落な内装デザインとなっている

ガレージへ向かう地下の階段。ガレージのある地下2階までが白、倉庫や機械室などがある地下2階より下は赤色で踏面が塗装されている

ガレージの出入口。黄色と黒のガレージのマークには車が描かれている

ガレージの様子

有楽町電気ビルヂングは地下4階まで存在する

地下4階には機械室や倉庫などがあり、これ以上先は進むことができなかった

地下4階はほかのフロアよりも天井がかなり高い

南館の1階商業施設が改装工事で閉鎖されており、仮囲いには有楽町電気ビルヂングのかわいらしい絵が描かれていた

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