「道の駅」の魅力を定量可視化する「エリアクオリア・ロードサイド版」が新登場

2025年06月23日 13時10分更新

 ⼀般社団法⼈ 国際⽂化都市整備機構(以下、FIACS)は「エリアクオリア・ロードサイド版」を発表した。

 同機構がこれまで⼤都市や街づくり向けに開発してきた「エリアクオリア指標(都市版)」のコンセプトを活かし、主要道路沿いの拠点施設「道の駅」の新たな評価モデルとしている。

 エリアクオリア指標は、KDDI保有のスマホ位置情報データや⾓川アスキー総合研究所によるSNS(X:旧Twitter)トレンド解析などを活⽤し、街の「共感⼈⼝」を定量化し、“その街らしさ”や“ファンの多さ”を可視化する取り組み。これまでの都市版では主に都市・駅周辺を対象としていた。

 道の駅は全国に1200駅を超えるまでに増え、観光客や地域住⺠の休憩・交流の場として定着している。しかし「売上やランキングだけでは測れない魅⼒」や「継続的に地域と関わる関係⼈⼝の育成状況」を把握する指標が不⾜していたとして、FIACSでは⾞両プローブデータも活⽤した「道の駅のカルテ」となるロードサイド版の評価指標を新たに開発。

 道の駅を単なる通過点や観光地としてだけではなく「関係⼈⼝開拓⼒:地域を深く知り、継続的に訪れる⼈を増やす拠点」として定点観測・経年評価する指標になるという。

 エリアクオリア・ロードサイド版の特徴は以下の5つ。

1. 「道の駅」を中⼼に“回遊範囲”や“地域関係化スコア”を可視化
 ⾞両プローブデータから「道の駅を経由して周辺エリアへ回遊・滞留する⼈や⾞の流れ」を解析。単なるトイレ休憩やUターンではなく、道の駅を起点に地域をより深く体験する動きを把握。

2. 「道の駅利⽤者」を定量化
 KDDIの持つスマホ位置情報データを活⽤。居住地や勤務先ではない「道の駅に⽬的をもって訪れている⼈」の数を測定。地域のファンを増やす取り組みの成果を⾒える化。

3. 地元の話題や魅⼒を可視化する「SNSトレンド分析」
 ⾓川アスキー総合研究所のSNS(X:旧Twitter)トレンド解析を組み合わせ、道の駅や周辺地域に紐づく“話題量”や“関⼼度”を測定。ローカルな特産品やイベントがどう発信・拡散されているかを定量化。

4. オープンデータによる「地域基盤」評価との組み合わせ
 ⼈⼝や産業構造、宿泊施設数など、⾃治体が公表している統計データを組み合わせ、道の駅周辺エリアのポテンシャルを包括的に評価。ハード・インフラだけでなくソフト施策の効果を総合的に捉えられる。

5. 「道の駅のカルテ」として毎年⽐較・評価が可能
 道の駅における交流⼈⼝や経済基盤、アクセス状況などをそれぞれスコア化し、9段階に格付け。定点観測により年次ごとの取り組み成果を実感でき、まちづくり活動の⽅向性や課題修正にも活⽤が可能。

交通流データ指数/統計データ指数/人流データ指数/口コミデータ指数の4つの指数を可視化

 評価事例として「道の駅ランキング(じゃらん)」のベスト10駅についてのカルテを公開している。従来のアンケートによる⼈気ランキングとは異なる順位付けとなっており、次世代に向けた道の駅の可能性・課題の参考となるとしている。

道の駅ランキング(じゃらん)のベスト10駅の評価

 FIACSでは、エリアクオリア・ロードサイド版を改良を進めた上で試験提供を実施。利⽤者・⾃治体・運営事業者からフィードバックを集めつつ、指標のさらなるブラッシュアップを図るという。

 また、今後は試験導⼊エリアを全国数箇所の道の駅に拡⼤するほか、季節ごとの計測やイベント施策の効果測定を⽀援、関係⼈⼝や地域コミュニティー活性化への貢献度評価などを実施。単なる観光や直売所の⼈気ランキングでは捉えきれない地域ならではの魅⼒を可視化する指標として、エリアクオリア・ロードサイド版を展開するとしている。

この記事をシェアしよう

エリアLOVE WALKERの最新情報を購読しよう

PAGE
TOP