エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のまち散歩 36回
東京に残る江戸城を守った文化的遺産「外濠」 その未来をみんなで考え楽しむEXPOが始まる!
2025年11月01日 12時00分更新
外濠EXPO2025とは、シンポジウムや展示など、多彩なプログラムで外堀の魅力と可能性を再発見する外濠水辺再生協議会が主催する取り組みだ。地域と大学、民間企業が対話を通じて「外濠」の価値を共有し、歴史を継承しながら未来への考えを育む“提案型EXPO”として開催する。
江戸城の外側を取り囲んでいたお濠である「外濠」は、東京都、ひいては日本が誇る自然と歴史の融合する文化的遺産である。
外濠の古往今来を語る共創イベントとして、外濠EXPO2025には外濠市民塾が協力している。また、東京都も11月から12月にかけて外濠を見直す試みを展開していて、外濠EXPOについても後援。外濠水辺再生協議会、外濠市民塾、東京都は連携して外濠を深掘りしていく。
筆者は、外濠水辺再生協議会の立ち上げから参加しており、外濠市民塾の活動など、「外濠」という江戸~東京を象徴する貴重な文化遺産、史跡に親しみ、水質など環境を良化し、水辺を活性化する活動に関わってきた。今回の外濠EXPOで実施されるシンポジウムでもパネルディスカッションの司会を受け持つ。
外濠水辺再生協議会は、千代田区と新宿区、港区にまたがる外濠周辺の企業が集まり、「水質浄化」と「景観改善」を目的に2016年5月に任意団体として設立された。外濠周辺を日常の中で人に癒やしと潤いを与える水辺に再生したいというコンセプトのもとに活動している。
・経済的成長を成し遂げた利便性の高い「都市空間」
・多様な生物が生息し、四季を感じられる「自然空間」
・江戸城を中心とした歴史文化を感じられる「文化空間」
これら3つのレイヤーが重なる、まさにメタ観光的な「憩いの場」として外濠周辺の整備の提案を東京都に行い、「豊かな暮らしの空間」を次世代に残していくことをめざしている。
外濠水辺再生協議会は企業市民として活動しており、「外濠の水質浄化・景観改善に関する具体的提案」「外濠に関する活動の情報発信」「イベントの企画および主催」を実践してきたが、「東京ブランド」の一端を担う「外濠」に再生すべく、外濠を取り巻く周辺の団体や行政、研究者などと協力して活動してきた。
外濠の歴史は、江戸幕府を開いた徳川家康が、諸大名に命じて江戸城の建設に当たらせた天下普請に始まる。江戸城外濠は江戸城建設の最後の仕上げとして、1636年(寛永13年)に完成した。2025年は開削389年で、2026年は開削390周年となる。
今回、協力として参加している外濠市民塾は外濠周辺の教育機関に属する研究者や学生、地元の市民、企業からなる集まりで、2013年に発足。外濠に関心を持つ人たちを対象にセミナー・まちあるき・ディスカッションなどを行い、外濠の将来像を議論してきた。
外濠EXPO2025・4大企画
①「外濠開削400年へ向けて!外濠EXPOシンポジウム」
日時:2025年11月11日(火) 13時~16時40分
場所:DNPプラザ(東京都新宿区市谷田町1-14-1 DNP市谷田町ビル)
主催:外濠水辺再生協議会
協力:外濠市民塾
後援:東京都
参加方法:事前申込が必要
募集人数:30名程度(応募者が多数の場合は先着順)
申し込みサイト:https://sotobori-expo20251111.peatix.com/
外濠に関わる多様な立場から「外濠」のいまと未来を考えるシンポジウム。東京都による市民・行政の視点からの施策や展望、外濠市民塾による歴史的・学術的な評価や提言、さらに外濠水辺再生協議会による企業市民としての実践報告を通じ、外濠の価値と可能性を多角的に探る。市民・行政・学術・企業が交わり、「外濠」のいまと未来についての議論を深める機会になっている。一般の人たちの観覧も募集している。
当日は、特別ビデオメッセージとして、外濠水辺再生協議会の二代目会長でもあった宮坂学・東京都副知事、東京、江戸の水辺で様々な発信を続けている陣内秀信・法政大学名誉教授の2人から「外濠」への想いが紹介される。さらに、パネルディスカッションには、ブラタモリなど、多くのテレビ番組や雑誌などで地形を軸に土地を語る東京スリバチ学会の皆川典久会長、外濠市民塾の福井恒明・法政大学デザイン工学部教授が参加する。
②「外濠EXPO特別パネル展協議会×市民塾が見た外濠」
日時:2025年11月1日(土)〜30日(日) 8時~22時
場所:飯田橋グラン・ブルーム1階・商業施設エントランス内(東京都千代田区富士見2丁目10番2号)
主催:外濠水辺再生協議会
協力:外濠市民塾
後援:東京都
外濠水辺再生協議会による水質改善への取り組みや、外濠市民塾による外濠周辺の魅力的な街並み紹介など、外濠の今を多角的に伝えるパネル展示。グランブルーム内を常設設置場所としているが、シンポジウムやプロジェクションマッピングのイベントでは、移動展示も行うので注意してほしい。
東京都主催の外濠イベント
③「プロジェクションマッピング:都庁舎プロジェクションマッピング 水の都 江戸・外濠 ~City of Water: Edo Outer Moat~」
上映期間:2025年11月1日(土)〜11月30日(日) 、本編(4分間)は土日祝日のみ。PR映像(30秒間)は毎日各上映回前。12月以降は都庁舎プロジェクションマッピングのプログラム構成に応じて調整
開催場所:上映は都庁第一本庁舎東側壁面
観覧:都民広場
内容:水の都・江戸の記憶と未来の都市像が重なり合い、新たな物語が生まれる。外濠の水辺再生事業と連動し、都市と自然、伝統と革新が響き合う壮大なアート体験が楽しめる
料金:観覧無料
プロジェクションマッピング公式サイト:https://tokyoprojectionmappingproject.jp/
④「江戸城外濠プロジェクションマッピング2025」
開催期間:2025年11月20日(木)~11月23日(日)の4日間 17時~20時30分
開催場所:上映は江戸城外濠牛込濠法面(新宿区市谷田町三丁目約100mの区間)
観覧:千代田区立外濠公園
内容:昨年度に続き、外濠の景観を活かしたプロジェクションマッピングを投影する。事業概要のアニメーションに続いて、幻想的な光の物語が続き、水辺再生への思いを込めた映像が約6分間続く。なお、昨年度の2倍のプロジェクターにより4万ルーメン相当の輝度で投影する。
料金:観覧無料
公式資料:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/-_-_-
⑤「外濠の水辺再生事業に関する都民向け勉強会2025」
開催日:2025年11月15日(土) 13時00分~17時30分
開催場所:飯田橋グラン・ブルーム12階 会議室
募集人数:100名
内容:外濠は江戸時代に造られた重要な史跡であり、その歴史的価値や外濠の水辺再生事業について広く知ってもらうために、都民向け勉強会2025を開催する。
料金:参加費無料
申込期限:11月4日(火)まで
内容:
・外濠の水辺再生事業の説明
・基調講演~歴史的財産を学ぶ~
江戸城外濠を学習:法政大学 米家教授
・歴史ツアー
外濠の歴史や遺跡をガイドツアー形式でめぐる、歴史ツアー振り返り学習
申し込み方法など詳細資料:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/-2025-9
・外濠水辺再生協議会公式サイト:https://sotobori.gr.jp/
・外濠EXPO2025公式ページ:https://sotobori.gr.jp/expo2025/
・シンポジウム申し込みサイト:https://sotobori-expo20251111.peatix.com/
・外濠市民塾公式サイト:https://sotobori.ws.hosei.ac.jp/wp/
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