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なぜ明治生命館にオープンしたカフェがこれだけ注目されているのか?

2025年12月03日 12時00分更新

明治安田CAFE 丸の内

 丸の内・二重橋前駅を出て石畳のアプローチを進むと、視線を奪われる建築が立ち現れます。昭和9年(1934)に竣工し、現在国の重要文化財に指定されている「明治生命館」。古代ギリシア・ローマ建築を源流とする古典主義様式を採り入れ、5層分にわたるコリント式列柱が立ち並ぶ堂々たる外観は、皇居前の景観に圧倒的な存在感を与えています。

以前、明治生命館をご紹介した記事はこちら https://lovewalker.jp/elem/000/004/182/4182766/

明治生命館

コリント式列柱が美しい明治生命館

明治生命館

明治生命館は1997年に重要文化財に指定された

 戦後にはこの建物が連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に接収され、2階の会議室でダグラス・マッカーサー元帥が演説を行った場所としても知られています。 終戦直後の対日理事会が約164回開かれたという歴史は、この建物に独特の緊張感と重みを宿し続けてきました。

会議室

マッカーサーが演説を行ったとして知られる会議室

 その歴史の舞台となった会議室や回廊は現在、無料で一般公開されており、大理石の壁面や寄木床、真鍮金具の光沢、天窓から降り注ぐ光の帯を、自由に歩きながら味わうことができます。重要文化財でありながら身近な文化施設として開かれている点は、丸の内においても特筆すべき魅力です。

すばらしい建築を見学できます

 この歴史的建造物の1階に誕生した「明治安田CAFE 丸の内」は、建築、歴史、食、そして居心地がひとつに結びついた場です。

 私も早速訪れ、Xでも投稿しました。 https://x.com/taktwi/status/1992092837920530524?s=20

 荘厳な空間の中でカップを置く軽い音さえ景色の一部になるような、静かで豊かな時間が流れています。ここで味わえるのは、香り高いコーヒーや季節のスイーツだけではありません。重厚な石と大理石の壁面、吹き抜けから差し込む柔らかな光、真鍮の照明が描く陰影──それらすべてが音や手触りまで含めた五感の体験として作用します。アフタヌーンティーを楽しむ時間は、歴史建造物の中に開かれた社交空間に身を置くひとときでもあります。

看板

11月22日のリニューアルに合わせ、カフェがオープン!

明治安田CAFE 丸の内

荘厳な空間でティータイムが楽しめる

モンブランとコーヒー

モンブランとコーヒーをいただきました

 さらにこの建物内には、2022年にオープンした7件もの国宝を所蔵する静嘉堂文庫美術館もあり、名品と建築を堪能したあと、カフェで余韻をゆっくりと沈めていくという贅沢な時間の流れが生まれています。建築・美術・カフェという三つの体験がひとつの場所で完結する。これこそ丸の内の“推し丸アート”と言うべき価値ではないでしょうか。写真映えを超え、建物の歴史が立ち上がるような空間で過ごす時間は、一度体験すると忘れがたいものになります。「この場所はなぜここにあり、どんな時代を見てきたのか」その問いを胸にカップを傾けると、丸の内という街の奥行きが新たに見えてきます。

明治安田CAFE 丸の内
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 1階
営業時間:10:30〜18:30(L.O.18:00)
定休日:月曜・火曜、年末年始、建物点検日
主なメニュー:コーヒー、紅茶、ケーキ、ハヤシライス、サンドイッチ、パフェ、アフタヌーンティーセット(数量限定) ほか
見学:明治生命館2階エリア・会議室等は無料一般公開
公式サイト:https://www.attable.co.jp/cafe/meijiyasuda/

明治生命館
営業時間:9:30〜19:00(最終入館18:30)
定休日:月曜、祝休日は開館し翌平日休館、年末年始、建物点検日

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