昆虫の魅力を伝える俳優・片田陽依さん「全国のエリアで“ご当地昆虫”を楽しんでください」
2026年02月17日 10時00分更新
ドラマや映画に出演するほか、作曲家としても活動している、俳優・片田陽依さん。芸能活動を行いながら、昆虫好きが高じて開設したYouTubeチャンネル「ひよりの虫日記」が注目を集めている。自身の活動に関する話とともに、昆虫を通じて感じる命の尊さや地球環境を守ることの大切さ、さらに冬の時期の昆虫観察やおすすめエリアについて語ってもらった。
――「昆虫を好きになって、環境について考えるようになった」と語るのは、俳優として活動しながらも豊富な知識で昆虫の魅力を発信している片田陽依さん。
「昆虫は物心ついた時から好きでした。もう生まれた瞬間から好きだったんだと思います。子どもの頃はポケットにダンゴムシを入れているなんて日常茶飯事でした」
――大人になると興味の対象は変化していくが、変わらず昆虫を愛していたと明かす片田。
「人一倍好きだという自覚があったのですが、中学生になって昆虫好きと言ったら友達からちょっと嫌な反応をされるようになってショックでしたね。子どもの頃は好きだったのになぜ?と。少し悲しかったです」
――しかし日常の中に昆虫があふれていることを知り、好きな気持ちにふたをせず楽しむことに。
「駅で電車を待っているだけでも何匹もの昆虫を見かけて、それが楽しいんですよ。そして中にはすごく珍しい昆虫もいたりして…もう毎日が宝探し。休みの日があると、近所の公園や山などに行っては昆虫を見つける毎日を過ごしています」
――昆虫に関する知識を学ぶとより面白くなっていったという。
「例えば、キマダラカメムシは、近年まで日本にはいなかった“外来種”だといわれています。人の活動が、昆虫のすみかや生態系のバランスに大きな影響を与えていて、自然は日々少しずつ変化しています。一方で、いま当たり前に身近にいる昆虫が、これから先もずっと当たり前にいるとは限らない。だから、生き物たちのすみかを守っていくために、昆虫や自然のことを知ってほしいと思っています」
――子どもだけでなく大人も昆虫を好きになってほしいと語る。
「かわいい形をしているものや美しいものなどさまざまな種類の昆虫がいます。幼虫から育てていくと愛着が湧いてくるので、命の大切さを学ぶ意味でも、小さなお子さんにお薦め。公園などで観察して、いろいろ調べてみてください。身近な場所でも、春にはいろんな昆虫に出会えるはずです。そしてその昆虫が何なのか調べると楽しいです。あと、昆虫を好きになったら旅行が楽しくなります。東日本と西日本で生息している昆虫が違っていたりするので、ぜひ全国のエリアで“ご当地昆虫”を楽しんでください。昨年行った石垣島は、そこにしかいない昆虫も多くて、まさに夢の国。鮮やかなチョウとかキラキラのカメムシとか推しといっぱい会えて最高でした。昆虫のおかげで、知れば知るほど世界が豊かに見えてくるのを感じています。皆さんにもその魅力を知っていただきたいです」
――冬の季節の昆虫観察について尋ねると…。
「冬は、春や夏のように昆虫に出会える季節ではありません。その分、『どこにいるかな?』と探す楽しさがあります。例えば、川や池をのぞいてみたり、落ち葉の下や木の皮の隙間をそっと見てみたり。やっと1匹に出会えたときのうれしさは、他の季節とは違った特別なもの。冬の昆虫探しは、まさに宝探しのような時間です」
――あえて厳しい冬を活動期に選んだ昆虫もいるという。
「セッケイカワゲラの仲間は、雪の上で見られます。幼虫の間に川の下流に流され、成虫になったら雪の上を歩いて上流まで行き、産卵をするんです。また、フユシャクというガも冬に成虫になります。雌には羽がないので、高い所からフェロモンを出して雄を呼び、交尾をします。種として生き抜くために冬を活動期に選んだ昆虫たちに生命の力強さを感じます」
――また、良い香りの昆虫がいることも教えてくれた。
「カメムシといえば“臭い昆虫”として有名ですが、実はいい香りがするカメムシも。キバラヘリカメムシは青リンゴの香りがするとして有名。他にもトマトや草、アルコールなど種類によってさまざま。においを発することで、敵にまずい、危険だと知らせて食べられないようにしているという。カメムシを捕まえたらにおいをテイスティングしてみてください」
――捕食されないように、昆虫の世界は、弱肉強食。その一方で、小さい昆虫の下克上戦略が存在する。
「昆虫の世界も弱肉強食。とはいえ、弱い側もやられっ放しではありません。例えば、ニホンミツバチは、1匹だけではオオスズメバチに対抗できません。しかし、巣を襲撃してきたオオスズメバチに対して、群がって高温状態にする「熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)」で倒すことができます。また東南アジアに生息する「ジバクアリ」は、天敵が来たら体を破裂させて、道連れにしてしまいます。命を懸けた生存戦略に感服です」
――さらに、近年のAI検索については注意を呼び掛ける。
「幼虫や昆虫を見つけたら、写真で撮ってネット検索にかけるとすぐに何の昆虫か教えてくれます。本当に便利なのですが、その情報をうのみにするのはちょっと待って。間違っている情報が出てくることも多いので、図鑑や検索で出てきた種類の類似種を調べるなど、慎重にチェックしてほしいです。図鑑を参考にしながら、この種類かな?と調べるのはとても楽しいですよ」
――昆虫の魅力を伝える片田さんだが、俳優業でも「地下アイドルの方程式」(DMM TVで配信中)に出演するなど活躍中。
「小室哲哉さんがプロデュースしているドラマです。大勢の皆さんの前でライブシーンを撮影したりと楽しかったです。ぜひこちらもご覧ください」
【プロフィール】●かただ・ひより=2004年11月20日、奈良県生まれ。「ウイングマン」(テレ東系)などに出演。現在はショートドラマ「地下アイドルの方程式」(DMM TV)が配信中。また昆虫の愛好家としても多方面で活躍。昆虫に関するYouTube「ひよりの虫日記」を2025年に開設。貴重な昆虫の生態に迫る。また、自身で発見した昆虫専用のInstagram(@piyo_bug)でも昆虫の魅力を発信中
エリアLOVE WALKERの最新情報を購読しよう








