「そらのいろ NIPPON」の商品開発担当者が語る、外国人観光客に支持されるヴィーガン&ベジタリアン向けメニューとは
2026年03月16日 13時15分更新
近年のインバウンド需要拡大により、ヴィーガン、ベジタリアンの外国人観光客が安心して利用できる飲食店が東京で急増中! 外国人観光客に特に人気が高いラーメンは、今やヴィーガン専門店も登場しています。そんなラーメン業界において、いち早くヴィーガン、ベジタリアン向けメニューを採り入れたのが、東京駅の東京ラーメンストリート内にある「そらのいろ NIPPON」です。同店を運営するソラノイロの取締役・大庵康嗣さんに、その取り組みについて聞きました。
全体の約4割が外国人客でほぼ全員がベジタリアンメニューを選択
――まずは「そらのいろ」について教えてください。
2011年に東京・麹町で創業した「ソラノイロ」(現在は「そらのいろ 麹町本舗」として営業)が始まりです。店名は、般若心経(はんにゃしんぎょう)の「色即是空(しきそくぜくう)・空即是色(くうそくぜしき」にちなんでいます。弊社の代表・宮崎(千尋さん)が「一風堂」の出身で、同社の「変わらないために変わり続ける」という理念に共感し、「空の色が天気によって変わるように、日々変化していく中でチャレンジや新しいことに取り組んでいこう」という思いを込めています。
創業当時はカタカナ表記の店が少なく、女性のお客様を意識して洗練さのある「ソラノイロ」としました。その後、新たに立ち上げた昔ながらの豚骨ラーメン店には、無骨さを出すために漢字表記の「空ノ色」を採用したこともありましたが、現在は外国人のお客様でも読みやすく、親しみを持っていただけるよう、ひらがな表記で統一しています。
「そらのいろ NIPPON」のほか、25年10月に本店機能を移して新たにオープンした「そらのいろ 銀座本店」、「家系ラーメン 革新家TOKYO」(東京駅)など、東京で6店舗を展開しています。
――「そらのいろ NIPPON」は東京駅にありますが、訪れるお客様はどのような方が多いですか?
場所柄、外国人のお客様が多く、全体の4割ほどを占めています。以前はアジア圏の方が中心でしたが、最近はアメリカ・ヨーロッパの方が多くなっています。だいたい4、5人のグループで来店され、ほとんどの方がベジタリアン向けのメニュー、そのうちの1人がヴィーガンメニューを注文されています。
ヴィーガンとグルテンフリーを組み合わせた新メニューも登場!
――ベジタリアン、ヴィーガンメニューを始めたきっかけは?
麹町の旧・本店が創業した11年から、「ベジソバ」という野菜ラーメンを出していました。代表の宮崎がホテルのレストランで飲んだニンジンジュースのおいしさに衝撃を受けて、それをヒントに「ニンジンを使ったラーメンを作れないか?」と考えたのがきっかけです。スープはブロス(野菜ダシスープ)にニンジンのピューレを合わせて、麺にはパプリカ粉を練り込みました。現在はニンジンの代わりにキノコを使った「キノコベジソバ」というメニューを「そらのいろ NIPPON」と「そらのいろ 銀座本店」で提供しています。
もともとベジタリアン、ヴィーガン向けに開発したメニューではなかったので、「キノコベジソバ」は動物系食材もほんの少しだけ使用しています。それでも外国人のお客様のほとんどが注文される人気メニューです。
ヴィーガン対応メニューを提供するようになったのは、6、7年前からでしょうか。外国人のお客様が増え、そうした需要の高まりを感じたからです。
――「キノコベジソバ」以外に、「そらのいろ NIPPON」で販売しているベジタリアン、ヴィーガン対応メニューを教えてください。
「ヴィーガン担々麺」と「ヴィーガン水餃子」、そして今年1月から新たに「ヴィーガングルテンフリー醤油ラーメン」を始めました。
「ヴィーガン担々麺」は動物系食材を一切使わず、ブロスと豆乳のスープに、喜界島(鹿児島県)の粗糖を加えたゴマダレ、大豆ミートの肉味噌を合わせています。「ヴィーガン水餃子」は数種類の野菜のあんを米粉の皮で包んでいます。大豆ミートも使わず、野菜だけですが味がしっかり付いていて、外国人のお客様からもご好評いただいております。
さらにベジタリアンやヴィーガンのほか、近年はグルテンフリーの需要も高いです。小麦アレルギーの方は生命に関わることなので当然ですが、ヘルシーということでグルテンフリーの玄米麺を選ばれる方が増えています。以前は「グルテンフリー塩ラーメン」を販売していましたが、いっそうのことグルテンフリーとヴィーガンを掛け合わせたメニューにしようと、「ヴィーガングルテンフリー醤油ラーメン」を新たに考案しました。
料理はもちろん、プラスαで外国人観光客をもてなせるかがカギ
――ヴィーガン対応メニューを開発するにあたり、苦労された点は?
まずは彩りですね。「ベジソバ」は当初、ラーメンにあまり関心がない女性に向けたメニューということで彩りに相当気を遣いました。ヴィーガンメニューも同様で、ラーメンを食べたことがない外国人の方に食べていただきたいという思いで始めました。ですので、味はもちろん、見た目の美しさでも楽しんでいただけるよう意識しています。
そしてもう一つは味の濃さ。ヴィーガンは使える食材の制限があるため、旨味の出し方が難しく、どうしても薄味になってしまいがちです。塩分濃度などをうまく調整し、満足感が得られる味に仕上げることが一番苦労しました。
――ヴィーガン、ベジタリアン対応メニューを導入する飲食店が増えていますが、今後さらに浸透させていくためには何が重要ですか?
料理がおいしいのは大前提ですが、さらに何かプラスαが必要だと思います。最近、エンターテインメント性の高い店が増えていると感じています。店の雰囲気作りだったり、お客様の目の前で調理をするパフォーマンスだったり。外国人のお客様に特別な食体験ができたと満足していただけるよう、サービス面も含めて企業努力をしていくことが大切なのではないでしょうか。
――最後に、ヴィーガン、ベジタリアン対応に関して、「そらのいろ」グループの今後の展望がありましたら教えてください。
メニューに関してはまだまだ勉強が必要だと感じていて、今後さらにおいしくなるようブラッシュアップさせていきます。グループとしましては、今年4月に海外1号店が台湾・台中市にオープンする予定です。基本的なメニューは日本と同じですが、台湾には、ネギ・ニラ・ニンニク・タマネギ・ラッキョウといった「五葷(ごくん)」と呼ばれる香りの強い野菜を避ける、オリエンタルベジタリアンの方が一定数いらっしゃるので、場合によってはそちらに対応したメニューの開発も視野に入れています。
「そらのいろ NIPPON」でヴィーガン対応メニューを始めた当初、特に大きな宣伝はしませんでした。しかし、ヴィーガンを求めている外国人観光客の方は想定していた以上に多く、わざわざ調べて来店してくださっています。
星の数ほど飲食店がある東京で、私どもの店を選んでくださることはとても光栄です。さらに「おいしかった」と言っていただいた時は、こちらもうれしい気持ちになります。これからもさまざまな食の多様性へ対応し、海外からのお客様の期待を裏切らない料理を提供していきたいと思っています。
■「そらのいろ NIPPON」店舗情報
営業時間:9:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:なし
住所:千代田区丸の内1-9-1 東京駅一番街地下 東京ラーメンストリート
アクセス:JR各線東京駅八重洲地下街直結
東京のヴィーガン・ベジタリアン料理のお店を知るなら
「東京ヴィーガン&ベジタリアンレストランガイド2026-2027」
“そらのいろNIPPON”も掲載されている「東京ヴィーガン&ベジタリアンレストランガイド202-2027」は、東京観光財団発行の外国人旅行者向けガイドブックです。ここではヴィーガン・ベジタリアンに対応している飲食店をピックアップ。和食、イタリアン、ラーメン、スイーツなど多彩なジャンルのお店を120店以上掲載しています。また、ヴィーガン・ベジタリアン向けの“食べる”東京みやげや、職人技が光る日本の伝統文化を知ることができる情報も併せてご紹介!
東京観光パンフレットギャラリー
https://www.gotokyo.org/book/list/6930/
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