脱発泡プラスチック! アイデア満載の梱包資材「ワッフルパッド」で“地球にやさしい”物流改革に挑む【株式会社トヨコン】
2023年03月06日 10時00分更新
愛知県安城市は、持続可能なまちづくりとSDGsに取り組む企業・団体と共にSDGsの目標達成を目指す「あんじょうSDGs共創パートナー制度」を立ち上げ、現在190社を超える企業と団体がパートナーとして登録している。
シリーズ企画として、そんな共創パートナー企業・団体を広く発信。事業内容やSDGsの活動をはじめ、地域との結びつきまで、「実はこんなユニークな取り組みを行っていた!」と、共創パートナー各企業・団体の知られざる魅力を深掘りしていく。第6回は、愛知県豊川市に本社を置く株式会社トヨコンを紹介する。
「発泡プラスチックはゼロで梱包を」とあるメーカーから届いた難題
総合物流会社として、包装資材および物流機器販売、包装設計、システム開発、倉庫管理業務、梱包業務、組み立てなどの事業を展開するトヨコン。グループ会社にて100台ほどの自社トラックの操業なども手掛け、総合物流サービスを提供している。
SDGs志向の梱包資材に取り組みだしたのは、およそ5年前。大手電機メーカーから「発泡プラスチックを使わずに梱包する方法はないか?」と相談を受けた。EU圏への輸出は規制が厳しく、メーカーにとって課題となっていた。
高価な商品を輸送するので、破損などがないように十分な緩衝性が求められる。しかし、発泡プラスチックの使用は避けたい。「SDGsには対応したいが、コストアップは避けたい」も企業の本音だった。コスト、機能性、実用性…。魔法のような梱包資材はどうやって生み出せばいいのか。トヨコンは依頼先および包装資材メーカーと協力しながら、新しい梱包資材の開発に取り組んでいく。
段ボールを使った次世代緩衝材「ワッフルパッド」の誕生
試行錯誤を重ねながら相談からおよそ1年後、オリジナルの梱包資材を完成させた。「発泡プラスチックと同等な代替材の開発が難しいなら、段ボールを応用しよう」がたどり着いた答えだった。名称は「ワッフルパッド」。商標登録済みの次世代緩衝材だ。
ワッフルパッドは、段ボールを立体製造する技術を用いて設計されている。段ボールは古紙から作られているので、リサイクルも可能。他にもメリットとして「低コストで量産可能」「良好な梱包作業性」「省スペースで保管効率は抜群」「環境への対応」などが挙げられる。
課題であった緩衝性についても、20kgを超える精密重量物の落下試験において、良好な衝撃吸収性を残した。地球にやさしい、まさに魔法のような梱包資材だ。
ワッフルパッドについて「安城市の企業の皆さんにもPRして普及させていきたい」と安城営業所所長の中西俊夫さんは語る。「関東圏では徐々に採用いただいていますが、愛知県ではまだまだです。西三河や東三河はモノづくりが盛んです。私たちも自動車関係の部品輸送用資材で、大変お世話になっている企業が多いです。ワッフルパッドを活用してもらうことで、企業にとってSDGsの参加にもつながると思います。地球にやさしい物流のお手伝いをしていきたいですね」
「トヨコンSDGs宣言」を通して各種プロジェクトがスタート
2021年にトヨコンは「トヨコンSDGs宣言」を発表。各種プロジェクトを立ち上げて、さまざまな取り組みを行っている。「東三河SDGs DAY」などのイベントにも積極的に参加し、SDGsの取り組みを広めている。先述したワッフルパッドなどのSDGs商材の提案はもちろん、清掃活動や交通安全キャンペーン、小学校にてSDGs特別講座なども行っている。
防災に関わる課題解決の方法もユニークだ。トランスフォーム段ボールは、災害備蓄品を収納する段ボールを加工し、中身を取り出した後はオセロや的当てゲームに変形。災害避難所で子どもたちが退屈しないように、遊び心のある物資梱包材となっている。こちらは「トラダン」として商標登録に向けて動いている。
「安城営業所の社員も清掃活動などを通して、活発に地域と関わりを持つようにしています。地域密着は、私たちも大切に考えているテーマのひとつです。他の地域では、SDGsパートナー企業同士での協業などの実績も生まれています。安城市の企業の皆さまともつながりを深めていきたいですね」と中西さん。
「経済の血液」と呼ばれることもある物流業界。それを少しでもクリーンに、やさしいものに変えようと努力しているトヨコン。ワッフルパッドを通して〝健康な社会〟を実現させていく。
(提供:安城市)
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